ゲッレールト温泉の朝  .. [私家版野外徘徊記] ドナウ河畔夜景...

 ブダペスト国会議事堂と西駅 (中欧いきあたりばったり4-2)


'19 9月16日(月)2
ホテル「ビクトリア」は新しく出きたモダーンなホテルでダニュビスホテルのクラシック趣味とはまったく対照的。
ドナウ川に面したビルで、入ればすぐフロントがある。
女主人と思しきフロント担当がはっきりゆっくりした英語で応対してくれる。
ははぁ、なんとなく日本人宿泊者が多そうな雰囲気(^^;

「まだお昼前だが、部屋は準備できているので入れます」
「部屋は上階が希望なんですが」
「残念ながら一階(日本風に言えば2階)しか空いてないんです」
「ありゃ」

サイトの口コミでは上の方の階でないと国会議事堂のお姿がドナウに映えないとあったのだ。
ま、口コミで眺め良しとの評判のホテルが、当日予約で空いている部屋があっただけマシというもんか。

これがウチの部屋からの眺め。
国会議事堂は見えるのだが、下の道路もよく見える。

国会議事堂の真ん中をトラムの電線が横切っている。
いつぞや静岡県の旅館で富士山の5合目の印に電線が横切っていたのを思い出す(^^;

少々ここでげんなりしてしまうのだが、ホテルにはめっぽううるさいヨメが案外諦めが早く、「国会議事堂が部屋から見えるだけでマシ」とか言う。
よほどこの議事堂が気に入ったらしい(^^;

私がしばらく仮眠している間にヨメはドナウのほとりを議事堂前まで偵察に行ったようだ。

「すぐ横に瀟洒な教会もあるし、議事堂前に立派なスーパーがあった」由。

本日の午後の予定を検討。
とにかく本日は国会議事堂を見学する。
しかし、温泉はあんなモンで分かったので、わざわざ市民公園のチェーチエニ温泉に行くまでもない。
王宮は昨日観光したので、今日議事堂を見たらもうブダペストはこれで終了でいいのでは?
明日はプラハに向けて立つことに決定。
本日中に駅で切符の手配をする必要がある。

午後、本日の観光に、いざ!
トラム一駅分を歩き、対岸の議事堂を見晴らす広場から地下鉄に乗ると議事堂に行ける。

ヨメのいう立派なスーパーの目の前が地下鉄駅だった。


対岸からでもハンガリー国会議事堂の雄姿は際立って見える。

地下鉄構内のパン屋。







[市内交通24時間 1650ft x2 ¥1182]



地下鉄のこの路線はドナウ川の下をくぐるのでとてつもなく深い。

昨日のヨーロッパ最古のかわいい地下鉄路線とは全く違う規模だった。
地下鉄で一駅だけだが、ドナウを渡り地上に出る。

国会議事堂の右端広場に出る。

何故かドナウ川正面には歩道がなく、いわば建物裏側からしか議事堂には入れない構造。

国会議事堂裏側広場。 後ろの美女のマネをして私も柵の上から写真撮影。



この裏側広場にも後ろには立派な建物がゴロゴロしていた。

付近の町並みも100年前の姿で保存されているようだ。

保存したのではなく、社会主義時代には新たに作らないでそのまま利用したのだろう。
ワルシャワやイエナなんかは社会主義実用主義のバカでかい四角い箱がばかばか建設されたのだが、ブダペスト旧市街では社会主義リアリズム工法の建物は見当たらない。
100年少し前くらいのヨーロッパの大都市の雰囲気が今もそこらに残っている。
それがブダペストである。


ま、とにかく記念撮影(^^;



国会議事堂の地上入口は一般客には開放していない。

見学者は左側広場の中ほどにある地下入口から入場するシステム。

地下入口のチケットオフィスに見学チケットを買いに行く。

ところが、本日は英語・フランス語ガイドの見学枠がもう売り切れと言われる。
知らなかったのだが、議事堂の見学は時間が決まっていて、各言語のガイドが10人ばかりのグループを引率して案内するシステム。
それに、非EU加盟国の見学者料金はべらぼうに高いのだ。
6700ft(2400円くらい)
どうする?とヨメの顔を見る・・・

次の見学グループ列に日本人らしきカップルがいた。
ちょっと見学情報を訊ねてみる。
若い女性が応えてくれた。
「ドイツ語のグループしかなくて、それでも議事堂の中が見られるならいいかと。」
ああ、そうしたのか。
すると横でヨメが「ドイツ語ならわかるんでしょう?」と私に。
「うむ、わからんでもないが・・」と私。

結局、も一度チケットオフイスに行き、「英語・フランス語は売り切れ」と案内してくれた係に「ツバイマル ドイチェン、ビテ?」とわざとドイツ語で購入(^^;
[国会議事堂見学 二名 1340fr ← ¥4802]

しかし、このドイツ語のガイドツアーの開始時間は本日最終の17:45集合だったのだ。

ええっ!まだ2時間も待たんと。
じゃあ、この時間にプラハ行きの切符を買いに行くか。
幸い、ブダペスト西駅は歩いてでも行ける距離のようだ。

次のトラムの駅まで歩き、比較的近所のブダペスト西駅(Budapest-Nyugati)に行く。
目の前にトラムの駅があったのだが、何故かGoogle地図の経路では500メートほど歩いて、次の橋にある駅でトラムに乗る指示になっていた。
途中、ソチラに行くトラムに追い越される。
少々Googleに頼りすぎていたようだ。
Googleは我々が24時間乗り放題券を持っていることを知らないんではないか?

トラムで2,3駅の西駅着。
トラムの安全地帯で周囲を確認するが、駅舎は見えず。
実は乗ってきたトラムにさえぎられて見えなかっただけなのだが、この時は降車客の流れに沿ってそのまま地下道に降りてしまった。
ケルチ駅の地下とは違って、雑然と人々が行かい、方向もわからん少々複雑で薄暗い地下道。
迷いながら「西駅?」と適当に人に尋ねながらようやく駅舎にたどり着く。

もう旧市街の縁の古いターミナルで、どこか2,30年前の昔の国鉄駅の雰囲気。

ケルチ駅はウィーンを通して西側諸国への窓口、コチラはスロバキアやウクライナに通じる旧社会主義諸国への窓口駅、というような雰囲気の違いが歴然と。

もちろん、40年前にこの辺りまで鉄道でうろうろしていた私にはどこか懐かしく、@homeな気が(^^);

よくわからん駅舎を適当に探り、切符売り場窓口へ。

ところが、少し並んで順番が来て「プラハ2枚」とか言うと、「ここではない。アッチ」と。
私の前にいたおバさんも同様で、指示された方向に不審そうに歩いていく。
上の写真にはきょろきょろと探しながら歩く私と前のおバさんも写っている(^^)。
この駅舎の外側をぐるりと回ると、もう殆ど人気のない一角に「International Line」の窓口がひっそりと。

本来はローカル線の売り場の向こう隣の位置にあったと思われるが、駅舎の改修中でまったく別の裏の建物に臨時に仮移設されていたようだ。
三つ窓口があったが、その前の待合場所に十数名が所在無げに時間待ちをしている。

ああ、そうなんだ。
これぞ40年前に見知った社会主義圏の国際線列車切符売り場の光景。
ワルシャワからプラハに行く切符を買うのにほぼ半日行列したことを思い出す。
この順番待ち列を見て、先に歩いていた件のおバさんは諦めて帰って行った・・・
私も国会議事堂見学の集合時間が気になったが、まだ一時間以上あるので大丈夫だろう。

国際切符の窓口ではあきれるほど長時間窓口とのやりとりがある。
我々が到着したとき一番左の窓口で相談していた女性は、とうとう我々が帰るまでまだ切符買いの相談をしていた。
30分は待ったされただろうか。
現在は番号発行機で順番を予約できるので待合座席に座って待っていればいいのだが、昔は窓口に立って行列していたのだ・・・・
それに、窓口担当のおバさんも親切丁寧に応対してくれた。
昔の社会主義圏の窓口の応対ときたら・・・

首尾よく、ブダペスト→プラハの明日の一等指定席を予約。
ブダ→プラハという首都間の国際列車なら簡単だが、左の窓口ではどことも知れぬ東欧の山奥の村の駅への列車の経路でもいつまでも検討しているのか・・・      (一等料金↓)

ブダペスト西駅→プラハ中央駅 一等指定席I2 [22750ft ← ¥8153]

安う! 一等車だぜ?
ウィーン→ブダペストの二等料金よりも安いのだ。距離は三倍くらいあるのに。
ちなみに、旅行最終日に乗ったプラハ→ウィーン二等料金は一人分でそのくらい。

駅舎を出ると旧市街にはなかった大型ショッピングセンタービルがお隣に。

まだ集合時間には間があるので、歩いて国会議事堂に帰ることにした。




都心近くの商業・住宅地区。

むむ、なかなかの古さじゃ。

建物は100年以前のもので社会主義時代もそのまま使われていた様子が見て取れる。

世紀末のブダペストの光景を彷彿とさせられる・・・

19世紀のオーストリーハンガリー二重帝国の建築遺産をそのまま20世紀社会主義時代別にメンテナンスもせず使い続けられ、21世紀にもそのまま生き延びて。

かなりのモンだぜ。

建物は古いが、中に入っているとある表通りの事務所を外から覗くと室内はモダーンで小ぎれいだった。
ちょいと建物の中庭にあるレストランも見学。




そのうち、案の定道を間違え、後はちょいとあわててドナウ河畔へ急ぐ。




この建物の上側もすごいことになってるな。

議事堂裏広場に17時半着。ふう(^^;

やっと議事堂右広場の待合場所に。

ドナウの対岸の王宮横・裏側の町並みが美しい。



17:45、そろそろドイツ語ガイドツアーの面々が集合してくる。

定刻にガイドツアー開始。

ちょいと中年美人のドイツ語ガイドさん。

写真は自由にとってもいいが、撮影禁止の区域もあって、その都度ガイドさんから禁止のお達しが。
えっと、ガラスケース内のエリザベートの王冠だっけ、か何かが撮影禁止。


壮麗な外観に見合った、豪華絢爛な内装である。
西側世界の教会建築や王宮建築に匹敵する規模と装飾。
ドナウを挟んで王宮と対峙する議会の威信の誇示か。

中央ドームの下のホール。

こちら側は撮影可で逆サイドは禁止とか。






まあ、私の理解もドイツ語解説の5分の一くらい、かろうじて今何の説明をしているのかが解るくらいか(^^;

従って、何の説明もありません。
この豪華な内装写真をただ見てください。

ここが議事堂。



各地方の紋章。






あ、やはりヨメのカメラの方が良く撮れてるな(^^;


廊下に出ると、さすがに窓から外を見たくなる。

窓外のドナウと対岸の王宮の横あたり。


議場でガイドツアーは終了。あとは自由解散で出口まで




本格的にたっぷりと観光した気分で、なかなか議場の展示室から去りがたい雰囲気。


我々が見学ツアーの最終組だったので気が付けばもう誰もいない。




ハンガリー国会議事堂、外観だけではなく内側も絢爛豪華でございました。

up:2019/10/8(火)15:3
ゲッレールト温泉の朝  .. ドナウ河畔夜景...