時間との戦いと帰還
2009/8/20
途中谷の村が見え、写真
を撮ろうとするがあまりいい
場所はなかった。
出発しようとして道端の砂利
に車がスリップ。
あぶないところだった。
山手の町ケーニッヒシュタイン(Konigstein)に入ったようだ。
教会やいしだたみの町。ざっとみたところ山間の保養地風。
教会前で停車しているとヨメから電話。
なかなかの観光資源のある
町のようだ。
しかし、駐車要領がわからない。
中心地で駐車している車の
前に停めたら、あとから来た
車のおばさんがしきりに何か
いっている。
そんなに詰問調には聞こえ
なかったが、
はいはい、どきますよ。
さて、そろそろフランクフルトに帰る時間である。
地図もあることだし郊外を大回りして帰ると決める。
大都会の中心街の交通に巻き込まれたくない。
ここからが苦難の道だった。
地図はトップケースにあり、いちいち地名指示があるたびに停車するわけにはいかない。
なんとか機会を見つけて停車し確認するが、今の道と地図との対応がとれないまま、
ざっとした方向感だけで走行。
町場に入れば一方通行もある。
なんか、午前中にカルバッハ
から出てくるとき走行した
町筋、と思ってもよく似ている
だけで違っているようだ。
多分、近づいたり遠ざかっ
たりしていたのではないか。
4時半。少々ヤバくなってくる。
道さえ知ってれば30分以内の距離のはずだが。
思い切って適当にアウトバーンに乗りフランクフルト中央を目指す。
このとき速度制限の電光文字が各レーン上にあったおのおの120キロ。
別に追い越し車線とかの区別はないような気がした。
フランクフルト市街への最初の降口でアウトバーンより降りる。
町場である。
交通の流れに沿って大体の方角を決めて流れていく他は無い。
しかし、目印にしているタワーの位置が予期しているのとは違うような気がする。
だんだん幹線から外れ、
ついに公園入り口道路に
はいり停車。
向こうから自転車でくる
おじさんに声をかけ、
現在地を地図で示して
もらう。
相手がよかったのか悪かった
のか、一生懸命地図を
にらんでいる。
・・・(時間が気になる)・・・・
やがて結論。
現在地はここ。
カルバッハ方向にはもう一度あの道路を反対に走る。
ほんとかな。
しかし、言われた方向に回り、先ほど降りた道路の逆レーンに入る。
この辺で記憶が入り組む。一時はフランクフルト中央駅付近まで出たり。
しかし、交通の流れに乗ってどこか知らない道に踏み込む。
おかしい、何かまた来た方向にもどっているような。
道路の行き先表示にKonigsteinと書いてあるではないか。おいおい。
もう6時、パニックになりかけ、ここであわてると事故になる。
店が閉まっているときの対策を考える。
店の前に放置しておく?
いや、これは責任問題だろう。
ホテルにもって行き、フランス語で従業員に事情を説明し、翌日ひきとりに来てもらうか。
一方では、最終的にはうまく切り抜けてているだろう、という気もしている。
これまでも列車に乗り遅れたり、バスの時間を間違えたり、旅行中にパニック状態は
何度も経験したが、すべて切り抜けてきたではないか。
今回もなんだか劇的に、というよりあっけなくかたづいているに違いないのだ。
右・・・ の表示があり、右折。
交通が途絶えた道なので道端に停車して、歩いている女性に地図を示す。
「ここはどこですか?」
最初は分からんとかいってたが、途中で本気に地図を検討し「ここ」と確信を持って今いる
場所・道を指し示してくれた。
カルバッハから脱出した道(これは記憶した)には一本道といっていい絶好の道だった。
6時10分前。
長い街路で、今回も間違えたかと思いかけたが、やがて地図上で確認した道路と交差する。
右折してしばらくいって左折である。
左折地点で朝、目印にしようと思っていたガソリンスタンドがあった。
カルバッハ入り口6時。
まあ、10分くらいの遅刻は
問題ないだろう。
・・・助かった。
教会のあるカルバッハのメーン
ストリートを駆けぬける。
バイク屋着。ふう。
他にも帰着組がいて、
結局そこまで急ぐことも
なかったのかも。
しかし、ガソリンスタンドに
寄って満タンにすることは
できなかった。
なかなか友好的な担当氏と
顔を合わせると、この客の
処理すんでから、ちょっと
待っててくれとの合図。
返却手続き。走行距離確認。
「時間がなかったのでガスいれていない」というと「分かった」。
「いやぁ、難航しましたよ。道が分からんのと雨で。」とか。
走行距離は200キロ以内。
これでOK、追加料金は無くて可。
これで完了。握手して辞去。
ほっとした顔で、今では親しいカルバッハの町を歩いてUバーン駅に行く。
昨日の今頃、一筋下の住宅街を歩き出していた。
そして雨に降り込められたのだった。
・・・
フランクフルトに帰り、一旦ホテルに引き返しパソコン持って観光に。
何回か来ているはずなので、あまり観光する気はないが一応フランクフルトに敬意を表する。
観光的にはパリやストラスブールと比べてそんなに面白い町ではない。
中世の建物とモダーンな塔建造物との対比もあるが、おもしろいという域にはなっていない。
ラートハオス前で軽食と
カフェオレ。
10時まで居残ってマクド
経由で帰還。
ヨーロッパでバイクを自在に楽しむ、というところまではいかなかったが、最初の切り口を
得たという感触はある。
全く予定していなかった急な旅行で圧倒的な準備不足だったが、転んでもタダ起きないと
いうウチの家訓はなんとかクリア。
後はドーハ経由の飛行機で帰るのみ。もう一度2ユーロのビールで乾杯。
2009/8/20(木) 午前 4:36
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