湖南湖東 高速道路周回

 ロマンチック街道 [ドイツ/オーストリア]


'09 9月23日(水)

先月、フランクフルトでのレンタルバイク初挑戦は予行演習で今回が本番。
という位置づけで準備していたのだが、相変わらずツメが甘く、旅行直前になって
ミュンヘンが例の「オクトーバーフェスト」の真っ最中だということが発覚。
ホテルの値段がOKTOBERFEST PREISで軽く予算オーバー。
ミュンヘン3泊の予定を縮小し、バイクのレンタルもオプションとしてフランス・ストラスブールから9/21(月)ミュンヘンに向かう。

この旅行中は天気が悪く、雨天・曇天ならバイクレンタルは中止するつもりだった。

朝の列車でフランスからドイツに入り、シュタットガルトを出た頃はすごい濃霧だったが、
ミュンヘンに到着すると快晴で夏の陽射しが照り付けていた。
では、バイクレンタル決行。

夕方、調べておいたレンタルバイクショップに行き、翌日朝から24時間のレンタルを契約。BMW F650GS(2CY)が無かったので、フランクフルトでも借りたF800ST(赤)にする。


この日はそれからオクトーバーフェスト会場に行き、決行前日の気勢を上げる。
しかし、ビール飲む前から空中遊具で酔ってしまい前途多難を予感させられる。


翌23日(火)ミュンヘンは朝から快晴。「死ぬにはもってこいの日」である。
バイクショップに行く前にSバーンで市を一周、おおよその方向感覚を養う・・つもりだったが、まったく訳には立たず、結局後で失敗してしまうのだ。←伏線注意(^^;

朝10時に少し遅れ、11時ミュンヘンの貸しバイク屋のガレージからヨメを積んで出発。
教えてもらったフッセン・オーストリアへのモデルコースの指示を頼りに先ずアウトバーンA95を目指す。
・・・しかし、道路に右折で出ようとしたとたんに、車線を間違え対向車にクラクションを鳴らされ、平謝り(^^; ヨメに叱られる。
アウトバーンA95を快調に疾走。で早速出口を間違え、指示されたインターチェンジを通り越してしまう。まあいい、次の出口で降りてモデルコースに合流しょう。・・・迷走開始である。

ミュンヘン市内から出れば、もうバイエルンの牧草地。
どこを走ってものどかである。
自由にバイクで駆け巡ることの愉悦と高揚がやってくる。

モデルコースを走ればスタンベルグ湖の右岸湖畔を走行できたハズだが、迷走し左岸をうろうろ。

湖は道路からは見えず、バイクを置いて徒歩で湖畔に行き記念撮影。

湖畔のSeehauptの町でも行きつ戻りつを繰り返し、ハイキング中の中年女性2人組みに道を聞いたりし、やっとモデルコースにある町バイルハイム(Weilheim)到着。
もう午後2時。町の中心広場のレストランのテラスで軽く昼食。
タマネギタルト(Zweibelkuhen)とワフッル(Waffel)と飲み物を注文したら、お隣のテーブルから「ドイツ語上手!」とお褒めに預かる。
・・この場合は「ヘタ。でも一応ドイツ語」という意味。本当に流暢ならいくら外国人でもホメたりしないのは当然だ。
アジア系ドイツ人だって沢山いる。めったに観光客が立ち寄らない田舎の町の気安さか。

さて、道を急ごう。PEITINGの町で例の「ロマンチック街道」(17号線)に合流する予定だったのだが、17号線が工事中で通行できない。・・・更に迷走は続くのである。
 
迷走し、いろいろリスクもあったが、ヨメを積んでのこの走行は文句なく生涯最高のツーリングだ。

どこを走っても破綻のない見事な風景。大きな庭園の中を走っているようだ。
バイク暦3年にしてここまで来るとは思っても見なかった。

しかし、後何年バイクに乗れるのかわからないのである。機会を捉え、多少は無理してもやってしまえ、という気分もあった。
もう思い残すことは何もないぞ。

Rottenbachでやっとロマンチック街道17号線に合流、次第にオーストリア国境に近づく。

バイエルンアルプスである。



そして、アレ!あれだね!







中腹の丘の上にノイシュバンシュタイン城(Neuschwanschtein)!

実を言えば、アレは「ホーエンシュバンガウ城」の方じゃないか・・と後で気がついたのだが(笑)、とにかくその・例の城が見えたときにはさすがにはしゃいでしまった。
両方の城にも以前に行ったハズだが、列車で行って下から見上げるのと、バイクでロマンチック街道を走り、次第に見えてくるのとはまったく趣が違う。

とうとうここまで走って来たのだ。感無量だね。

もう夕方、時間がないので城には立ち寄らずフッセンの町へ。
 
観光案内所でいろいろ地図をもらって、間食・トイレ休憩。
ここから国境を越え、オーストリアアルプスに入る。相変わらず分岐点で道が分らず迷走は続く(^^;

オーストリア側の町ロイテ(Leute)では既に観光案内所は閉まっていて、カフェで座っていたライダー二人組みにドイツへの道を教えてもらう。

「ミュンヘンに帰る?とにかくプランシー(Plansee)を見つけること。後は一直線だよ。」とのこと。


プランゼー(プラン湖)。ここまで来ると殆ど交通量もない。
静かな山中の小さな湖である。

後はまたドイツ方向へと一直線。
すれ違うライダーと手を上げて合図の交換。
ドイツの田舎を走っていると、すれ違う殆どのライダーが左手を低く挙げ、もしくは下げ合図してくる。最初は応対に戸惑ったが、そのうちに慣れ、ちょっとした仲間意識を共有するような気分になる。

日本では多少のわざとらしさがあって、どうも馴染めないのだが、コチラではごく普通に合図を交換しているようだ。
考えてみると、右側通行なのでライダー同士は左側にすれ違い、左手での合図をしやすいのだ。
左側通行の日本ではアクセル担当の右手を放すことになり、ワザとらしくなってしまう。
まあ、私の場合、左手でも上げるほどの余裕はなく、軽く会釈する程度。
「ヘコヘコするな」とヨメに叱られる。
多分ウチのヨメのことだ、派手に後ろから答礼していることだろう(笑)。
ドイツ側のGraswangの村で最後のトイレ休憩。村唯一のレストランでコーヒーをいただく。

 


静かでのどかな国境の村。こんなところで憩っている村の人達に混じってコーヒーが飲めるなんて、バイク旅行の醍醐味だね。


Ettalの町からアウトバーンA95に入り、ミュンヘンへ一直線に帰る。

速度無制限道路である。

最初140キロで走行していたが、後ろからビュンビュン車に抜かれていく。一時間もこの速度だとしんどい。

一台だけ最右車線をのろのろ運転をしている小型車がいたので、後ろについて走ることにする。
速度を確認するとそれでも120キロ。これが、のろのろ運転に見えてしまう。
この車はまったくペースをくずさず、稀にそれより遅い貨物車があるとその時だけ追い越し車線に出て抜いて元の車線に戻る。私もその後を一定距離で付いていく。

ミュンヘン到着8時。すっかり暗くなっていた。
で、ここでホテルまで後2,3キロという街中で間違えて段差のある歩道に乗り上げてしまい、
転倒してしまった。うちゃぁ。やっちまったぁ。

近くで遊んでいた子供が携帯電話で通報してくれ、救急車は来るわ、警察は来るわ、大騒ぎ。
一時はどうなることかと思った。
とりわけ、翌日午後帰国便に乗らねばならないので足を打ったらしいヨメを病院に担ぎ込まれ
ると、非常に面倒なことになる。

結局、ヨメは大丈夫と言うので、救急車のお兄さんお姉さんにバイクを起こしてもらい、警察の
お兄さん、お姉さんにホテルまでの道を教えてもらい、何とか事態は収拾。

ホテルにバイクを置いて、地下鉄でマリエン広場。

旅行最後の夜をザウワークラウト添えのソーセージにビールで過ごし、この程度のアクシデントでバイクでのバイエルン迷走を終了できたことに感謝と乾杯。

実を言うと、翌朝、ショップにバイクを返しに行こうとして、今度はスピード違反で本当に
警察に捕まっちゃったのだ(苦笑)。

・・・まあ、いろいろ面白い体験が出来たことには違いない。


origin: [ロマンチック街道・バイエルンアルプスをタンデムで迷走する ] 2009/9/25(金) 午後 2:45
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