![]() |
![]() ![]() |
和佐又山(2) ![]() |
小処温泉・和佐又山(1) [奈良] |
|||
'11 6月9日(木)
何が何でも野外泊をするのだ。
会社勤めでもないのに、なんで毎日同じルーチンワークをしてるのか?
おそらくは日課をくずすのがメンドくさいのだ。
行こうと思えばいつでも行ける。
・・だから別に今日でなくとも。
気がつけば日常性の魔に冒され、曇天のイネルシーが精神を腐食しはじめている。
だから、何が何でもキャンプに行くのだ。
5・9(木)
朝、曇天。本当に行くんかい?
それでもひととおり買い揃えた用具用品をとにかくガレージまで運んで、荷物を作りつつ取捨選択。
荷造りの悪夢。これで疲れる。
| |||
![]() いつもはヨメが荷物のユニットひとつを分担してくれるのだが、単独だとそうはいかない。
一人で行くのも二人でも、基本的にはあまり荷物の量はかわらない。
ばかばかしいが、持っている用具はすべて、食料も持てるだけ。こうなると、不要なおもちゃでも持っていこうとするガキだね。
精神の退廃をここに見る。
橿原10時、明日香10時15分。
吉野方向に行くので、いつものようにさっと名阪道路に乗るというわけにはいかない。
町場の信号で停止するたびにバランスが気になる。 | |||
![]() 明日香村に入りやっと視界が広がる。
道ばたの畑のネギの臭いがサッと意識を活性させる。 薬味かい。 やっと天候が持ち直し、行楽日和になったが、今度は暑い。 今頃のキャンプ道具は寒暑両方が必要。 簡易ストーブも携帯扇風機も持ってきてしまった。 吉野・蜻蛉の滝の公園でキャンピングチェアに寝転び休憩。
少し眠れ、意識が少し回復。
R168をたどり、「道の駅 川上」を過ぎ、ループ橋を越え、大台ケ原ドライブウェー分岐点直ぐのトンネルを越えると和佐又山への分岐がある。
| |||
![]() | |||
和佐又山キャンプ場に行くつもりだったが、まだ早い。
通り越して、「道の駅上北山」まで行き、左折して小処温泉に行ってみる。
この道は大台ケ原への裏側からのアクセスルートだが、ここから登る車はまずない。
入ってすぐ「小処温泉 本日臨時休業」の表示あり。
・・・まあ、いいや。どんなところか見るだけ見てきてやろう。時間はたっぷある。
| |||
![]() 山間にポツンと一軒の入浴施設。
「小処温泉」というのはこの建物の名らしい。
実は「有馬温泉」風の地名で、山間の温泉街があるものと少しは期待していたのだが。
奥にもう一軒宿泊施設があるが、休業中。
もちろん誰も居ないので、玄関脇においてあったソファに座り、コーヒーを沸かして昼食にする。
| |||
![]() 途中、渓流スポットに紅葉マークの乗用車が停めてあった。
目でさがすと、川の中に釣り人一人。
釣りねぇ。
キャンプより釣りの方が背景に溶け込むのに良さそう。
魚は苦手なので、釣竿だけもって釣りをしているフリをして一日過ごすことを真剣に考えていたりする。
もう一度「道の駅上北山」に駐車し、裏の日帰り温泉「薬師の湯」に入りに行く。
室内浴槽1、露天風呂1のこじんまりした、どこといって面白みのない入浴施設だった。
4時。もういいだろう。引き返し和佐又山に登る。
荷物が重く、バイクの重心が高いのでつづら折れカーブが怖い。
和佐又山ヒュッテの食堂で呼びかけると以前と同じオバちゃんが出てくる。
「天気悪いのに」と。
前回は「寒いのに」とおどかされた覚えがある。
いかにも山小屋番のオバちゃんと言う感じ。先客を聞くと、「いつもくるおっちゃん一人だけ」だそう。
バイクで一泊945円。
前回の広場ではなく、ゲレンデ上の林に行く。
先客はスクーターで、ゲレンデ真上の広場と林の中間にきれいにタープとテントをレイアウトしてらっしゃる。 | |||
![]() 林のサイトで前方に大台が原が見える位置に設営。
相変わらずタープ張りが難航。
結局、レクタングル・タープはレイアウトが自由なかわり、かなり張り方が難しい。
かなりかかって不本意ながら一応完成。 イスに座ってみるとハエが荷物や皮膚にたかってくる。 そのうちもっと細かいほこりのようなのが集団で襲ってくる。
林は羽虫の巣屈である。 用意の防虫用具をとりだす。
しまった!どうも忘れてきたようだ。
今更広場に行けないし、まあ、そのうち慣れるのかも。 しかし、林の虫攻撃は木陰のナチュラルライフという清潔そうなイメージをあざ笑う。
汚い道端の雑草の中に座っているようなものだ。
少しは晴れたか、と思っていたら曇天本格曇天で、雨になってもおかしくない。
意を決してヒュッテに香取線香がないか見に行く。 あった。かなり太く、農業用ということだ。一巻き40エン。 香取が利くのか、羽虫の営業終了時間になったのか、見事に虫の気がなくなった。 やっと落ち着いて、とりあえずコーヒーを飲む。 | |||
![]() 水を汲みにいき、広場に行くと誰も居ず、みごとにただの野原になっている。
上の普賢山に雲・あるいはもやがかかっている。 見通しのよい広場からの広大な情景。 ちまちまとした林に陣取ったのは間違いだった。
荒野に独りという背景が本当は必要だったのだ。 今回の食事のテーマは飯盒炊爨。え?読めない? はんごうすいさん。 カップ麺は便利だが、やはり出来立てのご飯を食べたい。 前回、岐阜でパックライスのスープ煮を成功させ、一応熱いご飯は食べられる技術を開発していたのだが、やはりカレーライスが食べたいのである。 カレーはレトルトでいいのだが、是非ともご飯は白ご飯で。 パックライスの湯煎でいいというものの、やはりキャンプでは飯盒炊爨をしてみたい。 ハンゴウスイサンね。なんと懐かしい言葉の響きか。 で、コーナンで買った飯盒(ハンゴウです)をとりだし、計ってきたお米を入れ、水をそそぐ。 以下、省略するが炊飯は、仕込み、煮る、むらすという3行程が必要で、さらに煮るは、のも弱火→強火というサブ・プロセスが必要。とにかく手間と時間がかかるのだ。 一度、家で予行して手順は承知しているが、カンと経験が大いに必要な技術である。 | |||
![]() 中蓋にハサンでおいたレトルト・カレーをとりだし、ご飯を確認。ちゃんと炊けている。 カレーライス成功。 この飯盒では2合炊きが最低量らしい。
しかし2合は多い。 キャンプでメタボになりそう。
ちなみに、翌日の朝・昼、そして帰宅しての夜と4食も二合でまかなうことができてしまった。
だから、本当は二合の4分の1でいいのだが。 飯ごうで半合、炊けぬものか。
なんだかばたばたしているうちに23時。ヒュッテに行ってヨメに電話しなきゃ。
奈良県のこのあたりは携帯電話は通じない。
ついでに自動販売機で缶ビールを買う。
夜の広場で懐中電灯を消し、闇にまみれて座り込みビールを飲む。
残念なことに真の闇ではなく、一面のもやで光りがかすかにもやっている。
'11 6月10日(金) 6・10(金) 4時半、野鳥が数種自己主張の歌を歌い始める。
半音階をゆっくり繰り返すバックコーラスに、鋭いオクターブの上下をやって見せるプリマドンナ。
一種の鳥の歌は単調だが、数種でオーケストレーションが施こされ、かなり複雑な音楽になっている。
しかし、15分も続かず演奏終了。
ものの本によれば、曇天や雨だと気乗りしないのか、朝の野鳥のリサイタルはすぐ終わるそうである。
| |||
![]() 2度寝して7時。
朝の支度をする。
ご飯があるので、オリジナルスープ粥で食べる。
朝のハエの襲来。
後で犬をつれて見回りに来たヒユッテのオバちゃんに聞くと「5月蝿」というらしい。
五月蝿い(うるさい)というわけだ。
梅雨がすぎるといなくなるそうだ。
朝食をとっていると、先客一名がすでに撤退する気配。
ついに誰もいなくなった。
だらだらと朝の時間を過ごすが、水場やトイレが歩いて往復10分以上かかるので結構忙しい。
10時ころ撤退準備が完了するが、誰も居ないので広場に移動してタープの張り方を練習することにする。
| |||
![]() 基本形→
しかし、この高さではキャンピングチェアーを入れると窮屈だ。地べたで寝転ぶ用途か。
1,2メートルのポールセットを買ったのだが、低くすぎた。
片側を開けた変形↓
開放的で何とか椅子も置けるようだ。
ポールは2メートルまで伸びるコーナンで買ったランタン吊りを追加使用。
しかし、太陽の向きが変わると修正する必要が出てくるかも。
| |||
![]() | |||
遊んでいるうちにもうお昼。
ここで湯を沸かし、昼食にする。
カップ麺と残りご飯のラーメンライス。
持参したカップ麺は、適当に買い置きをもってきたのだが、見れば「タイ・グリーンカレー麺」「シナソバ・カレー味」。なんのことはない、昨日からカレーばっかり喰ってるのだ。
雨がポツリと皮膚にあたる。
うかうかしていると降られそう。
それでは一目散に退散する。
| |||
![]() 雨に煙る山岳の姿からブルックナー風の重厚な弦楽の響きが聞こえてくる。
曇天の中を無重力状態で彷徨いたいという心的欲求を感じるが、バイクでは雨には全く歯がたたない。
荷物が重く、重心が上にあるのでカーブで思い切ったハングインができない。
そろりそろりと立てたままハンドルで曲がる感じ。つるりと大回りしてセンターを割りそう。
| |||
![]() | |||
「道の駅川上」をすぎると何となく、もう近所という気がする。
よかった。本降りにあわず、このまま無事帰れそうだ。
天川に抜ける林道を試して帰ろうと思っていたのだが、これはいつか快晴の日に取っておこう。
origin: [バイクでキャンプ入門 和佐又山の2 (単独泊)] 2011/6/12(日) 午前 2:32
|
![]() |
![]() |
白浜 ![]() |