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 矢田遊びの森 [奈良]


'14 6月7日(土)
6月7日(土)
はっきりしない天気なので、バイク販売店でも見に行くということにする。
 
ホンダドリーム店に置いてあるNC750系が乗りやすそうだけど、あまりに無難すぎてちょっと面白味がないかも、とかヨメは人並みのことを言う。
「では、大型免許取得、今月中には?」と尋ねられると「それがぁなかなか、平均台とクランクがぁ」と途端に謙虚になるのだが。
 
「ムカイ」に展示してあったパニヤケース等フル装備のNC700は格安で、思わず「これ下さい!」と言ってしまいそうになってたが、目下「商談中」の札付。
まあ、免許取ってから考えたら?
 
「ムカイ」の近所でイオン系安売りスーパー、ザ・ビッグ発見。
思わず買い食いしてしまいそうになったが、予定通り本日は矢田山「遊びの森」に上がりベンチで簡便に昼食。
 
相変わらずよく整備された明るい広大なゴルフ場のような公園で、近場随一の野外昼食スポット。
しかし、難点は近すぎることと、アクセスがR308という全国区の酷道。
大型バイクではあまり矢田山には登りたくない。
 
それにゴルフ場のような広大な草原が解放されているとなると、犬を放してフリスビーに興じたり、子供にサッカーボールなんかを蹴らして遊ぶ組が必ずいて小うるさい。
何れも奈良県公園条例違反だが、罰則がないので誰も止めようがない。
公園を使用する者の内なるマナー意識を待つしかないのだが、もちろん犬や子供にそんなもの尊重する気配はまったくないのである。
 
今回も天気はあまり良くないのだが週末なので、案の定放し犬とガキサッカーがいた。
「けしからん、言ってきてやるか。」と息まいたのだが、「ウチだって火気厳禁なのに・・」とかヨメに言われ、「そか・・」と急にしぼんでしまうのであった。
食後、いよいよ目的のアヒル探しに。
昨年の今頃、誰もいなくなった公園の広場の周囲をひよこひょこと仲良く散歩するつがいのアヒルを発見、スマートフォンで動画を撮ったことがある。
 
このイメージをヨメがイタく気に入り、以来「矢田山にアヒル見に行こう」とかいつも言ってたのだが、終に果たせず今日に至ったわけだ。
 
昨年散歩していた広場近くの水路にも、別の区画の池にも見当たらなかったが、目を凝らすと広場からは一番遠い池の端にかすかに白いものが。
 
望遠レンズで覗くとまごうことなくアヒルである。
しかしどう見ても一羽だけしかいない。
 
あれから一年。
連れ合いはもういなくなってしまったのか。
 
「かわいそうに・・」とアヒルの散歩に出会えることだけを楽しみにこの一年を生きてきたヨメ。
 
私が半分ふざけてアヒルの鳴き声をまねる。
 
驚いたことに私の声に反応し、池の向こうの端からこちらへとやってくるではないか。「くわっくわっ」と大声で鳴きながら。
「あ、探してる。
騙したらかわいそうでしょうが・・」とヨメはもはや涙声。
 
というようなアヒルとの一件のあと、R308ではなくもっとドラスティックなショートカット道で矢田山麓の民族学博物館公園横に下る。
 
バイクは急峻な狭い下り坂が一番怖い。
特に雨続きで道が濡れていてヤバかったのだが、慣れた道でもあることだし、とかショートカットを決行すると、折あしく坂の途上で昇ってくる地元の軽4トラックと鉢合わせしてしまった。
軽4トラックのオジさんがジワリと車を寄せてかろうじてすれ違えるくらいの隙間を空けてくれたのだが、残念なことに道の端は山側で土が盛り上がっていて見かけほどには実効幅はない。
 
赤バイクのサイドケースがトラックに接触してしまい、あっけなくのたりと転倒。
軽四オジさんは「大丈夫ですか?」と声をかけてくれるのだが、とっさに出るのはやせ我慢の「はい、大丈夫ですよ」という定型社交辞令。
 
軽四がホッとしたようにサッサと登っていってしまうと、後に残っているのは狭い坂道に頭を下にして転がっている赤バイクである。
おまけに谷側路肩には側溝、上土がかなり湿っていると来ている。
 
これは本格的にアカンかもな・・・
「どうして大丈夫なんて言うの!手伝ってもらわないと・・」とヨメに叱責される。
 
実はつい一か月前にもどこかで独りで走っていて立ちごけしてしまったのだ。
別にコケてもいいんだが、その時どうしても赤バイクを素直に起こすことができなかったのが問題だった。
結局サイドケースや荷物を全部外し、かろうじて自力で208Kgを起こせたのだったが。
自分で転倒バイクを起こせなくなった時がバイク引退の時期と密かに定めていたのだが、どうやその時期が近づいてきたようだ。
 
坂道でバイクは下向き、足場はぬかるみ、立てられたとしてもそのまま踏ん張れずバイクが下にずりおちるような感じがアリ地獄だの無し地獄。
先ず上になっている方のサイドケースを外そうとするのだが、何故かロックが外れず、なすすべもなし。
さりとてロードサービス車が入りこめるような道でもさらさらなく。
かくなる上はいよいよ警察に連絡か、とか頭はいたずらに回るのだが手は動かず。
 
足場が悪いまま、ヨメと二人でエイヤとばかり気合いを込めればかろうじて持ち上がる。
ひとまずホッとしたが、今度は坂道の下向きバイクにそろそろとずり上がり、ずり落ちようとする車輪を必死でなだめ、右に傾けステーを跳ね上げるバランスの危うさに更なる無間地獄の図。
おまけに上、下から別の車がやってくる気配にも脅かされ。
 
ふう、エライ目にあった。
まあ、二人居ればなんとかなるものだ。

しかし、大型バイク単独で山道に分け入ることが俄然恐ろしくなってきた。
私は実は通行禁止路肩崩落落石ごろごろ道の愛好者だったりする。

この後、何事もなくレッドバロン店で750cc車を試すヨメ。
 
大型免許もいいが、くれぐれも自分で起こせるバイクにしとくべきだろうね。

元より自分で起こそうなどとはヨメはつゆほどにも考えてはいないとは思うのだが。
origin: [矢田遊びの森のアヒルと瀕死の赤バイク (赤+豆)] 2014/6/11(水) 午前 1:06
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