へ調の旋律 (ルービン・.. 「春のささやき」(シン .
[ピアノのお稽古]

リスト 愛の夢第3番


リストの超絶練習曲を弾いてみたいが、楽譜を買う気になることはない。
そんなモノ弾けるわけないだろう。

「愛の夢第3番」を練習する。
これだけは「ポピュラーピアノ曲集」に入っている。
まあ、現役時代には時間がもったいなくて、このような超ポピュラー曲
は敬遠していた。
同じ練習するなら、できるだけ玄人っぽい曲をものにしたい、なんていう
見栄である。
まあ、素人ピアノストはナルシストと見て先ず間違いない。あ、ゴメン(^^;

リタイアすると、もう「どこかで玄人っぽい曲を弾いて驚かせてやろう」
なんて色気はすっかり枯れてしまい、恥も外聞もなく「愛の夢第3番」を
演出たっぷりに弾いては、懐かしい大時代的響きを喜んでいるのである。
「大時代的」というのは退職者の回帰する心やすらかな世界である。

前回はルービンシュタイン「へ調の旋律」を弾いたが、この大時代的雰囲気
がリストの愛の夢を呼び出してくる。
この2曲には雰囲気のほかにも共通点がある。

左右親指交互分担旋律線ですね。
「へ長の旋律」は高音の和音伴奏がブロックだったが、
「愛の夢」の出だしは、親指の右側で他の指がアルペジョ伴奏をする。
へたくそピアニストでは、こいつがギタギタとうるさく鳴って旋律を
消してしまう。
後半では右手旋律、左手を交差させて上側で伴奏パターンもあり、
難易度は「へ調の旋律」の比ではない。

2箇所の連続和音をくずしたカデンツも、練習して速度が増す度に
トリッキーな響きがし、素人ピアニストを夢中にさせる。
「くそ、今度はもっと早く、なめらかにやってやるぞ!」

まあ、地獄の底を見てきた男と言われた私が
タイトルだけでもノー天気な「愛の夢」に熱中しているのである。
リタイアとはこのような人生の力学的変換をもたらす(^^;

白状すれば他にも、まるでキティちゃんがピアノを弾いているような曲想の、
タイトルを書くのも気恥ずかしい「舞踏会の後の愛の夢」(チブルカ)も
こっそり内緒で弾いちゃったりするのだ。むふふっ。

へ調の旋律 (ルービン・.. 「春のささやき」(シン ..