ジムノペディ No1  ..
[ピアノのお稽古]

 インテルメッツオop.117の3 (ブラームス)

2024/12/25(水)13:8
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・・・という訳で、今はウチのピアノは完全にMIDIキーボード化してしまっているのだ。
と夏に書き、そのまま便利に夜でも音源のエレピ音で練習に励んでいた。

その間、FBのピアノ愛好家のスレッドで”やはり子供には最初から本物のピアノで”との投稿でしばらく盛り上がっているのをスガ目で見たりした。
いや、多分それはソチラさんが条件が良く、周囲の理解が得られているお宅だからだろ。
日本の標準家屋や都会の集合住宅でアコースティックピアノで充分な練習ができるワケはない。本人はいい、しかし周囲はどれだけ迷惑しているのか。
自分の力量がイヤというほど自分で分かっているオトナとしては、アコピで一日中好きに練習するほどアコギにはなれないぜ。・・・
しばらくエレピ音でソナタ第三(ショパン)やスケルッツオNo4の暗譜に励んでいた。

私の場合、一か月程度で飽きて、別に何のきっかけもなく次の曲に暗譜対象が向いていく。
今回はたまたまインテルメッツオop.117になった。全3曲。

いづれもブラームス後期の苦渋・諦念にほのかに甘い回想が時に交じる老年好みの曲。
No1は夢幻のような甘さに重い苦さがくるまれ、No2は流麗なアルペジオが交錯する伸びやかな躍動につつまれるが、最後はやはり重苦しい短三ドミナントに終結・・・

ここまではピアノ曲としての艶とある程度の軽みがあるのだが、No3がどうも苦手だった。
当初から救いのない重い諦念が支配し、とりとめもない凡庸で無意味な遊びにうつつを抜かし・・・気がつけば、また相変わらずの重い憂鬱に捕らわれて終結するのである。
何という憂鬱な曲なのか。

ピアノの技法からいうとそれはそれで面白い効果が散りばめられているのだが、例えばアルトパートが旋律でソプラノが内声という全三曲の技術的ライトモチーフ・・・

しかし、どうしてもこの内声旋律がエレピ音ではうまく立ち上がってくれない。
やはり生アコピでしか・・・とほぼ3カ月ぶりにハンマー止めミドルペダルを解除。
はい。私が言い過ぎてました。
やはりオトナも出来れば生ピアノで練習した方がいい(^^:

しかしそれでもNo.3は美しくも易しくもない。
だから暗譜までは行くことはなかった。

しかしある時、覚醒間際の夢にこれが鳴っていた。
退屈で無機質なトリオから人生的に憂鬱なメロディに回帰する、
又は、
とりとめもない夢から次第に覚めていく半覚半睡の、最早逆行できようもない次元の移行、
私は目覚めたくないのだが時間はどうしょうもなくまたこの重苦しい老年の、
又は、
ただ終わる為だけの残り時間へ。

というわけだった。
どのような切っ掛けで人はある観念に陥っていく、又は、ハマるのか。
どうも私は寝覚め間際の夢がきっかけで、その後ずっとある想念に取り付かれることが多いのだ。

今はこの曲、No.1からNo.2を通じて全曲がかなり明確な諦念で終わるNo.3の曲想に深く納得している。
生ピアノで、限りなく静かに消えいるように。

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