退院記念初タンデ 最後の紅葉か ..
[団塊の段階的生活]

アタマの痛い話2題と、この週末三連休

2008/11/25(火) 午後 3:59
その(1)バイク

奈良公園にて。新公会堂から大仏殿に入る交差点の横のバイク置き場。
別にバイク置き場と公示してあるわけではないが、ここに車を留め置くのが飛鳥・白鳳時代よりの奈良の伝統。(ただし史的典拠不詳)
へたくそライダーに事故は付きもので、事故には怪我がつきもの。
あんまり怪我が多くなると、そろそろバイクやめて車にするか?となる。
私の場合、次は何故か白軽4トラックにすることになってる。
しかし、控えめな重低音で「わらわら」とつぶやきながら、ふわりと三桁キロで飛んでくれる赤バイクにうちまたがる快感はそうやすやすと捨てられないだ。
命捨ててもバイク捨てず。
と、そこまで性根が座ってるわけではないが、生命保険・休業補償・金欲・性欲・延命欲等一切の雑念をこの金融危機で株券とともに捨て去った、この私にもう怖いものはないのだ。
↑こういう老年ライダーが増えるとすれば、正直コワい。

葛城山麓公園
橿原アルルから高田バイパスを走りぬけるともう葛城山腹。
遠出する気のないときの簡易散歩によく利用する。


季節なのでヨメの命を受け、京都・黒谷さん光明寺や嵐山付近に紅葉探索の下見に行った。
ちなみに、天龍寺ウラから大河内山荘にいたる竹林道の団子になって散策する人の列を、紅海を渡るモーゼのように切り裂いて降臨していった赤バイクは実は私だす?です?でむでん。

しかし、京都の秋の暮れの渋滞を脱出してきて、ようやく奈良の家に帰り着く寸前、どういうわけか
コケるはずのないオークワ柳町店駐車場のオープン空間で、あっさりコケてしまった。

これはまさしく、かの吉田の健康奉仕さまのおっしゃる「木登りは最後に地面近くなったときがオチやすい」(高名の木登り)の伝である。
いや、そんなことはどうでもいいが、コケて頭をコツンと言わしてしまった。イヤな予感。
脳ミソ入れ替え手術をしたところを直撃したようなのだ。
うちゃぁ。
あっさりイケれば本望だが、再手術はヤダよう(^^;



その(2)合唱団の練習

朝、病院で再スキャンをしてもらったら、別に転倒による影響は「今のところ」出てないとのことだったので、午後、手術後初めて練習日に参加した。
バイクで橿原アルル(ジャスコショッピングモール)まで行き、ヨメを降ろして練習会場(高田市さざんかホール)まで。

入院騒ぎのおかげで久しぶりの発声である。すぐ声が割れ、不純物一杯の響きになる。
しかし、それをやり過ごせば「地獄のベース」と呼ばれた30センチカノン砲が咆哮を始める。
・・・実際は、最近もう少しハイバリトン風になってますが。

それにしても、この曲は合唱パートの譜面づらがど素人っぽい。
手を抜くと音程にならないような、バカげた高音をベースにやらせる。
なに?ガクセイが書いた曲だぁ? あんたに作曲家はムリ、他の商売にしなさい。

フォルテ音を響かせると、頭蓋骨がうなる。あ、いかん!
頭蓋骨の中身がずきずき痛む。
まるでお寺の鐘の中に頭を突っ込んだとき鐘をつかれたように、血液のパルスに沿って
わんわんと痛みが響く。

こいつは穴の開いた頭蓋骨とヤワな脳ミソには絶対良くない。
テナー歌手は脳に傷害を持ちやすいという「テノール馬鹿」という現象だってあるのである。
このような頭蓋骨に響かせ張り上げるベルカント唱法は、脳血腺持ちの私には致命的ダメージを与える。

まだ少しは残っていた理性がコザ賢くも「おいおい、ちょっと手を抜かんと死ぬぞぉ」とささやく。

しかし、もう理性の入った脳ミソを半分以上捨てちゃった私は、
コメカミに青筋うかべ、頭蓋骨に直接エネルギーを送り込み、
頭丁に穿った穴から遠くへ声を飛ばすことを止めることがどうしてもできないのだ。

ここにして、私は終に自分の天命を確信した。

音楽の要求に従って声を出す生理的快感は、たとえ命を縮めようと、もう止めることはできない。
芸のためには、こんな命、いつでもノシつけて進呈してやるぞ。

・・・こういう命知らずのベースには、君達はもはや勝負にもならんのだよ。現役団員諸君。



その(3)またまた三連休

橿原アルルでは工事中だった新棟がオープンし、奈良県随一の巨大ショッピングモールに変身していた。
世界経済の暗さ、私の頭のドラマ、ヨメの肘のギブスなぞ何の関りもなく、大賑わいである。
休日にショッピングセンターの圧倒的な物量の明るさの中を、ごく普通の顔をしてそぞろ歩く小市民生活の喜びが再び回帰する。クリスマも近い。

次の日も橿原アルルで遊び、窓外遠くにウチの赤バイクを眺めながら、ペッパーライス680エンをほおばるヨメの大口。
もっとも我が家のヘソクリが全部タダの紙きれに化してしまった関係上、この一皿を二人でシェアし、公式昼食とさせていただいたのは事実だけど。
しかし、喜びは金ではなく、十全な肉体の保持でもない。 まあ、心のありようとでも。

連休最終日は雨の京都に電車で行く。
ヨメの友達2人との紅葉探訪予定で、この企画のため私がバイクで下見したのだが、雨でムダになった。私が頭をイタめただけだった。
「雨だからシーズンだけど、多少空くのでは?」との思惑も外れ、とにかく紅葉シーズンの最終連休の京都である。そんなヤワなハズはない。
南禅寺の穴場金地院から永観堂に回るという簡略版にしたのだったが、それも後者はもう外から眺めるだけが背一杯だった。


哲学の道の京セラゲストハウスでタダ弁当を食べ、今回はこれにて散会。
しかし、春には掃いて捨てる程大量発生していた欧米系観光客が殆ど目に付かなかった。
雨ということもあるのだろうが、昨今の欧州経済停滞の影響はすさまじい。
これで多分、私の京都出稼ぎ商売は名実ともに閉店でしょうなぁ。

後、ヨメと四条の喫茶フランソワ。
昔風「喫茶店」(京都市文化財指定)フランソワに入ると、突然軽四トラック運転手の京大博子サンとこの春に来たのを思い出した。(うぷ!ヨメには内密に)
本当は阪急四条川原町の反対側の喫茶「みゅーず」が私の京都のアジトだったのだが。
もうとっくになくなり、今は焼肉屋。

雨なので、張り込んで近鉄特急で奈良に行き、駅ビル8階中華料理「百楽」で豪華夕食。
もちろん、50周年記念メニュー(50%オフ)の5品のみ注文(^^;
なんせ、ヨメの株が全部紙切れになり、今までヨメのプラチナ色カードで飲み食いしてたが今年で返却、
逆にヨメが私の年会費無料の金色カードにたかるというようなご時勢。
しかし無ければ無いで小市民生活の楽しみはどこにでもある。
喜びはカネではない。
(え?そのワリにはしつこく株へウラミをたらたら垂れてる?(^^;かも)

会計で、ぱったり旧知の三条通りの貸衣装屋のご主人こども連れに会う。10年ぶりか。
「おたくも?」「50パー引きを?」(^^)(^^)/
「でも酢豚はちょっと甘すぎやったので」とヨメ。
「その甘いのが好きですねん」とご主人。

昼間はヨメの友人に京都で初めて会い、夜は奈良でヨメが私の友人に初めて会う。
頭のイタいことは次々に生起するのだが、それはそれなりに同化し何気なく生活は続くのである。


退院記念初タンデ 最後の紅葉か ..