まだそんなトシや 朝起きると世界は..
[静かな生活]

回帰する春のおぞまし

2019/4/25(木)17:26

もう私は鬱には陥らない・・・と思っていたのだが、スキを見せると渙発を入れずとびかかってくる。

「鬱」という漢字は木々が生い茂り鬱蒼としている様をいう。
進むに進めず、見通せず、ただうじゃうじゃと。

桜は狂気と鬱を呼び起こす。
先週には「再生」と思っていたのだが、それは再びおぞましい生の氾濫がまた始まるということでもある。

もう私は十分に老人だ。
春が来てももう何も起こりはしない。
人生の末期が豊かであるワケがない。

何でもない日常の、ホンの冗談でウソ泣きしてみた。
そしたら本当に涙がとまらなくなった。


   いちご買う
           ヨメ微笑まし
                    春の寂しき

再生する春の哀しさ。
別にこれと言ってそんなに劇的な光景が回帰するのではないが。
春の苦しさの記憶だけは確実に残っていて、その感覚だけが再生してくる。
ただ生きているだけの煩わしさ。

写真を撮り編集しどんなに楽しい生活を演じようと、そこに意味は何もない。
いつまでもニセモノで、しかもニセモノ自体にもなり切れず。
私は無意味である、ということだけが確かな。

ことしはどこまで漂うのか。
私はいつまで漂うのか。

まだそんなトシや 朝起きると世界は..