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[静かな生活]

裏ビットの世界

2022/6/6(月)12:19

量子論にハマっている。
詳しくは存在論哲学への量子力学解、蓋然性選択世界観によるコペンハーゲン解釈批判、ただのPCでも組める量子コンピュータアルゴリズム・・とか何とか、虚実の境目で遊んでいるだけなんだが(^^♪
で、量子コンピュータの理論を読みながら眠ってしまった明け方、私の記憶から「裏ビットの世界」がひょいと夢に浮かびでてきたのだ。

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「裏ビットの世界」

若い私が情熱的に取り組んだ自動翻訳システム構築は一定の評価をえたが、実用的には当時の先端的試みの一つで、単なる選択肢の一つというくらいの位置にすぎず、今では全く別のアルゴリズムが主流になっている。
骨子のアイデアは最先端の発想だったのだが、そのアルゴリズムを使ったシステムを発展させアップデートしていくべき人材を得ず、その辺りがわたしの会社員としての能力の限界だったのだ。

社では古参としての私へ遠慮はまだあったようだが、尊敬とまではいかず、若い上司からは時おりないがしろにされているような扱いをうけたりさえした。
すでに私の時代ではないのだ。

ある日、新しく配属されてきた隣の課の新人が、珍しく私のところに来、昔の私のシステム理論仕様書の内容について質問をしてきた。
わたしは喜んで教示し、この新人がかっての私と同じ裏ビットの使用と言うアイデアにかなりの興味をもっていると知り、好意を抱いた。

そしてある日、彼が完全に私のシステムを踏襲し、発展させ見事に現在にアップデートさせた解を持ってきた。

当初の私のシステムでは裏ビットを使ってフィンランド語文法等に見られる複雑な与格を処理するアイデアだったが、現在のコンピュータでは処理能力の大幅な向上のおかげで与格の処理に特別なメモリを仮装せずとも問題なく処理ができるようになっている。
しかし、彼は私が臨時の付与メモリとして使った裏ビットを根幹の計算処理システムの新しい構築理論に使うアイデアに発展させていた。

旧来の二進法システムに裏ビットで次元を加え、同じ数としか解釈されなかった物理バイトが同時に別の値も内包し、読み取り次元を変えることで、別次元での別の値を仮想的に一つの値の表裏の値、つまり同一次元での多値として計算処理に組み入れる。そして読み取り次元を変えるという純粋理論操作だけで一切の物理時間をかけることなく多値を扱える結果になる。
これにより、システムの演算処理能力は仮装でき得る次元の数だけ同時に倍増する。つまり処理能力は仮装する裏ビットの数だけに依存しバイトの物理的遷移時間にはまったく依存しない。人が同時に多面を感知し、しかも同時に別次元で思考も続けているように。

そして、そのアイデアを演繹していけば存在し、同時に存在していないとしか表せない量子の量と位置を一義的に表現することも視野に入ってくる・・・

私は若い頃影響をうけたがすぐ東京に去ったxxxにこの新人を紹介した。
xxxは今や量子コンピュータの第一人者になっている、、。
やがて、私を含めた3人の名で、・・・

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会社ものの夢では悪夢ばかりだったが、こいつは不遇の年配社員が盛り返す夢で、若い世代に”解る人材”を得、果たせなかった自分の業績を発展させてくれる、という例になく前向きの雰囲気の夢(^^。
夢の後半は不遇な毎日の記憶しかない冴えないサラリーマンだった私が、しがない人生を終えようとする現在の現実逃避、苦し紛れの自尊欲求の夢による昇華作用なので別にここでは書かないのだが(^^;

この「裏ビットの世界」のアイデアは、PC黎明期に趣味でやっていたMOS 6510のマシンランゲージの勉強中、計算に使用していない空きビット(本当はバイトだが)を巧妙に使う技術に瞠目した記憶が「量子コンピューター」理論に刺激されて浮かび上がってきたのだった。

夢のアイデアを少し補足しておく。
私は5本の指を折るサイン(=5ディジット)で0から31まで数を示せるのを得意にしていたのだが、あるとき会話中にK氏がまったく同じ5ディジットで逆に指を開けていく西欧式のサインで同じことをして見せてくれた。

私: 5指全開で0、親指を折って1 ・・・
K氏:5指全閉で0、親指を開けて1 ・・・

つまり、オン・オフ状態を逆に読めば同じ状態のビットでも二つの数を表わすことになる。
同様に、1,2,4,8、16の各ディジットを2,4,8,16,1と読み、更に読み取りシフトを繰り返せば5の5乗=ええっと(^^; まあ、暗算も出来んような膨大な数を5本の指だけで記憶させ得ることになるのだ。
そしてコンピュータでは一回の演算で以上の全ての数の演算が完了してしまう。
これが私の言う”ただのPCでも組める量子コンピュータアルゴリズム”の原理、どうだノーベル賞なんて簡単だろ?

ま、そんな妄想までさせてくれるので量子論は楽しい。

ついでに・・・
私がアセンブラでもない全くのマシン語のプログラムを勉強したのはフランス留学中で、機材は乏しい生活費から奮発して買ったコモドール64(C64)。CPU内の64バイトだけで演算をし結果を格納し、バイトをシフトさせ・・・ということをしていた。
書店で6510の仏語の解説書を買い、実際にコモドールのBASIC語でマシン語を翻訳するアセンブラを自作、ソイツでコーディングをし、インベーダーゲームを作った。
私の不在中に留学生仲間だったU君が勝手にソイツで遊んでいた。
今はぼろくそに私をこきおろしているK氏だが、当時はそんな若者らしい雑談をストラスブールのオランジュアリ公園の柵に腰かけてよくやってたのだった。

今年大阪に転居し、私の人生のマトメとして先ず”大阪との和解”を実現できたのだが、急いで残りの不遇だった私の後半生のサラリーマン生活や図らずも疎遠になってしまった縁故者の方々とも”心的和解”を果たしておきたい。
”それでもいい人生だったよ”とはあまりにウソ臭いが、”別にこの世界を恨んではいないよ”くらいには自分に確信させておきたいのだ、最後に。

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