週末ご近所散歩  ごん兵衛@尼崎..
[静かな生活]

 西村志保@尼響定期


'23 9月18日1(月)
旧知のチェリスト西村志保が久しぶりに帰日し演奏会も行うのだが、そのうち一つが尼崎交響楽団の定期でドボルザークの協奏曲、というのでヨメと行く予定にしていた。
ブリュッセル在住の西村とは古い付き合い、たまたまウチの姪もブリュッセルの音楽院で講師をしていてソチラの関係もあるという、ま、私にとってはかなり特別な友人だ。

この尼響定期のドボルザークも2001年に同じメンバーでの演奏会に行き、当時は克明に記録していた私の演奏会評の書庫に収まっている。
   ⇒”尼崎市民交響楽団第16回定期演奏会”
なんと、22年前のことだなぁ・・・
尼響も西村も今でも現役で・・・それに引替えオノレ(私)はぁ!・・・とかいうモンだが、それはさておき(^^;

阪神尼崎駅到着。
私の現居宅から25分、ヨメの実家から10分、何れも阪神の直行で便利なんだが、なんせウチは難波、ヨメの実家は梅田なんで尼崎に行くという意味は普段まったくない。、
阪神尼崎駅からは道路面より二階の高架遊歩道で会場のフェニックスホールまで行けるのだが、それは20年前もそうだった。

しかし、二階の遊歩道というのは地下道にくらべ、日光や雨という自然気象の影響を受けやすい。この日は頼みもせんのに強烈な真夏級太陽が未だにがんばってくれていて、直射が暑いのなんの。やはり難波・梅田の地下道は便利やな、と再認識。

尼崎アルカイック・ホールまで右の遊歩道で行けたのだが、この部分は20年前にはまだ存在してなくて、昔の行き方で一旦道路に降り、信号を渡ってホールに到着。

伊丹の大阪空港に近いので頻繁に飛行機が上空を飛んでいる。

ホール自体も横の川筋に沿ってちょいと奥に延びたような印象?

ヨメはこのホールは始めてのようだ。
まだ開場少し前で、当日券を買い、入場待ち列の後尾に並ぶ。

開場。
とりあえず・・という感じで一階の入場口直ぐの最奥列に陣取る。
ほぼ満員になったのだが、ご覧のとおり圧倒的な、ウチも含めてだがジジババ会の様相。

演奏が始っても前の老婦人は扇で扇ぐのを止めず、斜め前の老オッサン人はスマホでのライン通話を途中で開始、むずかる幼児を両親が一個ずつ抱えて席を立ったのはいいのだが、結局会場から出るのではなく、我々のすぐ後ろ、会場最奥に陣取ってそれ以上動かず。
挙句の果てに”やはり”という感じでケータイ呼び出し音が鳴り響く。

クラシック音楽会のマナーもご存知ない義理チケット客が大半という印象。
もちろんドボルザークの一楽章終了時にはやはり鳴り響く義理拍手・付和雷同拍手。

音楽を鑑賞できるような雰囲気ではなかった。
そうだった、あまりにも無神経な客層を見るのがイヤなのでもうコンサートホールには行かなくなり、次第にベルリンフィルのデジタルコンサートホールやナクソスワールドミュージックの会員になり完全自宅鑑賞派になったのだ。

まあ、西村のソロはともかく、オーケストラの出来もアラが目立ち、昨今のスクールマーチングバンドの女生徒たちのプロ並みの演奏にU-tubeで親しんだりしていただけに、期待よりもかなり下回ってしまっていた。

休憩に西村の演奏は聞いたことだし、もう帰ってしまおうと思ったのだが、ホールの二階席ならどうだろう?と思い、二階に移動。

幕間の休憩時は一階エントランスホールの混雑にくらべ、二階のギャラリーは落ち着いた印象。

そして二階席に行くというアイデアは知っている方だけのものらしく、単独客か静かなカップルかくらいの客層でコンサートルールをご存知ないジジババ軍団は誰もいなかった。

そして、特筆しておかねばならないが、オーケストラが俄然生気を帯び、やっと本来のオーケストラらしいアンサンブルと熱気溢れる演奏を展開しだしたのだ。
一階の奥では音程が不安定な金管セクションの音量が大きすぎて全体のバランスが破綻していたのだが、二階席では金管ラッパの方向が下向きになるので、そこまでの音量ではなく、バランスのいいオーケストラサウンドになった。

なんなの、それ? 本来ならアマチュアとして最高レベルのオーケストラだろ。
まあ、ソロを交えた協奏曲の圧倒的な練習不足と、古典中の古典ベートーベンNo.7というアマチュアオーケストラ好みの持ちネタ曲という熟練度の違いなのか。

で、先ほどの落胆とはうって変わり、私も久しぶりに”ブラブォーコール”を連発。すると後ろ列に陣取っていた学生連中も私に呼応して”ブラボー”を飛ばし始める。
あ、よかったら私の後輩として日本ブラボー協会会員に推挙してあげてもいいよ?

演奏会終了後、ロビーで挨拶に出ていた西村に挨拶。
横の団長サンは西村の父君で、実は尼崎はこの方の城下町なのである。

西村とは20年近くぶりの再会である。
10年前にも奈良巡業で西村のコンサートには行ったのだが、ロビーコールのタイミングがずれて再会かなわず。
フェイスブックでは近況は周知なのだが、ここ数年の疫病下で海外旅行の機会がなくなった私は既にFB引退気味・・・でも、やっと連絡がつながり本日の再会となった次第。
いきなりヨーロッパ風のハグ・・・え?私より背が高かったんかい?
私が縮んだのか(^^;

まあ、西村のホームグラウンドで大勢の友人知人に囲まれ、会話ではそんなに喋れなかったのだが、「必ずきてください!」「絶対行きますよ!」という挨拶をうしろで聞いていたヨメは「で、いつブリュッセル行くん?」と気早くも既定事実にしてしまう。
演奏会としては西村のチェロを堪能した、とは言い難いのだが、このロビーコールのにぎわいは正に”西村、久しぶりの故郷凱旋公演にふさわしい盛り上がりぶりだった。

up:2023/9/23(土)0:34
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