(以下、システムの仔細は当社のシステム開発当時の初期仕様である、入力・編集用ワードプロセッサWordPerfect(WP), DTP アプリケーション Ventura Publisher(VP) に準拠して記述してあります。)
処理データは Ventura Publisher (以下VPと略す)でページアップされた状態のままフロッピーディスクに保管されいる。ファイルの検索はフロッピィディスクのラベルだけからしか行えない。
VPのフォントやスタイルの情報が入ったタグ、その他文書以外の制御記号等が入っていて文章として取り出すのにかなりの加工作業が必要。
記録形式がワードパーフェクト(WP:欧文ワープロ)4.2/5.1と変形ASCII(cap)形式が混在し、特に各国語におけるアクセントが最近のWindows環境の文書形式と互換性がない。現在のWPの機能ではWindows標準のアクセントには変換できない。他のアプリケーションから加工ができない。
ページアップされた状態で保管されているので機種・チャプター(章)・ページが判明しないと文書の検索が出来ない。例えばあるひとつの単語がどこに使われているかは印刷物で目でさがさねば特定出来ない。
A)データベースの基本設計
既存の個別印刷物全文章データに一意的に体系付けられた管理コードを設定する。
VPのページアップ情報(タグ)を利用し有効データ(文書データ)の自動判別を行い、プログラム的に管理コードを自動生成する。
各データは元データの区別(.wp、 .cap、バージョン)をしない。均質で自由な取り扱いができるようにする。
ファイル形式:Windows
標準テキストファイル(ansi)
アクセント形式:ANSI 標準
コードのメンテナンス用のユーティリテイを充実させてデータベース化作業を容易にする。
最終データは機種(印刷物)と言語別のファイルにまとめ、それ以上の細分化はしない。
B)データベースの利用と業務への適用
1. 自動翻訳・翻訳支援
2. 展開・流用作成分の既存データの一括取り込み
コードを指定しプログラム上で併合処理をして手作業工程(フロッピィ交換・データの視覚的検索・カット&ペースト処理)をなくする。
3. 英語版ページアップのDTP情報への各国語データの自動取り込み(自動ページアップ)
いわゆる自動マージ処理。本来はワードパーフェクトのマクロ言語を使用して開発したシステムであるが、完全自動化と高速化を図るためこのデータベースを活用する。
4. その他
データ自体ではなく、データベースシステム作成上開発したユーティリテイやテクニックが翻訳・編集以外の分野でも利用できる。
例)当システム開発上製作したユーティリティ群紹介
- ファイルコンバーター
- 各パソコン・ワープロ間のフォーマット・アクセントの相互変換(wp/cap/dos/windows/mac)
- バイナリエディタ : データ構造の確認用。バイナリデータの制御コード編集。
- VPデータからの翻訳ハードコピー自動作成ツール
- VPタグ検索・集計プログラム etc.