欧文で縦書きすることってある?
ありますよ。 表組の中や、インデクス、本の背表紙なんかですね。
あ、このインデクスは「索引」ではなくて辞書なんかによくある「脇見出し」です。

(表組例)    (インデクス例) 

そう言えばそうか。
ところで、欧文を縦書きするとき上から書くか下から書くかご存知ですか?

上からの方が読みやすいと思うけど。ほれ↓
 

 う・・・(絶句)
 あのぉ。これは日本人には読見やすいでしょうけどぉ。こういう風にはできません。
以前日本のメーカーの海外向け取説で

                      
 とページ見出しに印刷されているものを見ましたが...(ウチの製品ではなかったか(^^;
縦書きといっても文字と文字とは横にしか繋がらないんです。

だから   か  のどちらかです。

そういえば洋書売り場では首を傾けて背表紙を読んだりするなぁ(^^;
以前調べたことがあって、ヨーロッパ系の本では下から、アメリカ系では上からが多いようです。

←アメリカ風 ←ヨーロッパ風

自動車の車体に文字が書いてあるものがあるでしょう?
はぁ?
車体の右側に
お え う い あ →    と書いているのを見たことがある。 当然左側は
 ← あ い う え お   となってるんだけど。

(を街ないれきうろ造でなんみ)
ああ、ありましたねぇ。
元来日本語では横書きの方向はどちらでも良かったはずですから、進行方向意識があるとそうなるんでしょうね。 ウチの近所に
こ ば た  という看板もありました。(写真)
(しかしもう無かった。代わりにといっちゃなんだけど・・・→)

 (御宿 花うちや)
なつかしいね。
でももう違和感を感じてしまうのは欧文の左からの横書きに我々が馴れてしまったからかなぁ。(しみじみ)
タマに欧文で日本語みたいに純縦書きされている背表紙の本もありますよ。
これはドイツ語の本ですが (写真) 見事でしょ!

あ、これは・・・やっぱり縦書きは読みやすい!

 

 


つけたし脱線情報

●左右に関しての言語学的考察

言語

英語 right left
ドイツ語 Recht Links
フランス語 droit gaush
スペイン語 derecha izquierda
イタリア語 destra sinistra

右=正しい

すべての言語でが同時に「権利・正しい・真っ直ぐ」というような語義を含んでいるのに注目。

英right・ドイツ語Rechtはrect族からきている。

rect族には rectify, rectangle, correct, direct, erect というようなそうそうたる顔ぶれが含まれる。

左=不浄、不正

イタリア語の sinistra は英語・仏語の sinister/sinistre と同義で「不浄な、おぞましい」というような負の意義がある語族である。

仏語の gaushe には「へたくそな」という意味もある。「上手な」は adroit でやはり droit 「」 が入っている。

宮沢賢治の「セロ弾きゴーシュ」の異国風主人公名はこのフランス語に由来すると思われる。

Thanks to T.Ito for rectifying this article.(2006.2.3)