サラエボから東ベルリンへ ウィーン(2) 
[サラエボから東ベルリンへ]

 ウィーン(1)


'01 1月28日(日)
関空オーストリア航空カウンター前でヨメと待ち合わせ時間10:30。
天王寺で手間取り、慌てて”のぞみ”特急券を買う。
もしヨメと落ち合えなければもうPHSもないし、あえなく旅行は消えてしまう。
ちなみにPHSとはスマホ、ケータイ以前の簡易携帯電話のこと。
国内局専用なので海外には持っていく意味はなかった。
海外旅行の無数にあるリスクと賭け、不安と多少の昂揚。

・・・カウンター横でヨメが手招きする。 一ヶ月ぶりか。
それはそれで旅行前の密やかな高揚感が。

空港内の銀行出張所でシリング購入。未だユーロではない。
オーストリア航空便ボーディング。

↑オーストリア航空のチケット 往路   KIX(関空)  ⇒ VIE(ウィーン)1/28 
 ⇒ SJJ(サラエボ)1/30
帰路 VIE(ウィーン)2/10 ⇒ KIX(関空)2/10

サラエボまでは空路だが、その後行き当たりばったりで中欧を回りウィーンから帰国予定。
トマスクックの時刻表片手に主として鉄道でヨーロッパを周回する。
学生時代の旅行スタイルのまま。

スチワーデスとの最初の飲み物のやりとりで突然Tomatensaftというドイツ語が口をつく。
そのままドイツ語で会話。
後で後部キャビンに行き、熱いお茶を所望すると、座席まで持ってきてくれた。
当方がドイツ語人と見なされ、何やら早口で話かけられるが、さすがについていけず、少々メゲる。

ローカルタイム午後4時ウィーン着。
カフェ・両替所はあるが、高級ブティックの類はウィーン空港には見あたらない。
空港ツーリストインフォーメーションでホテルの予約。
宿泊費1万円以内で探すがなかなか見つからない。

↑ホテル予約バウチャー  1310シリングの部屋、手数料120加算され計1430シリング
まだネット時代でなかった。
個人旅行者ならホテルは現地で探すしかない。
駅や空港に着いたら先ずインフォメーションカウンターに並んでホテルの予約をすることが必須だった。

リムジンバスで市内のバスセンターへ。
予約したホテルは街路からすぐエントランスになっているこじんまりしたホテル。

折角のウィーン訪問、というか初めて二人で来たヨーロッパだが、ホテルが質素すぎてヨメは気に入らないようだ。
お互いに当時としては海外旅行の経験は少なからずあり、元々それぞれの旅行スタイルは違っていた。
最初のホテルの選択からして好みが違うのは当然か。

とりあえずウィーン市内観光。かなり寒い。
行き当たり適当に2,3のホテルに入り、宿泊料を確認。
しかし、二人で合意するには至らない。
結局、今のホテルに連泊することにした。

ベートーベンプラッツからカールス教会。

ウィーン楽友協会あたりか。寒さで表情が固い。
もとより今回、ウィーンは立ち寄りだけなので、そんなに好奇心が旺盛にあるわけでもない。
学生時代に訪問したウィーンは夏だった。
オフシーズンの寂しさがつのる・・・


夕食に、ちょっとした路地のレストランにはいる。
観光客風に名物のウィンナ・シュニッツエルを注文。
中身は鶏と豚で(^^;
しかしこれが大皿の縁から端が垂れているくらいの量。
それがこのレストランの呼びモノであったらしい。
ヨーロッパ初日なのにあまり気勢が上がらないので、せめて旅行気分を盛り上げようと名物を注文したのだが。
これが裏目に出、視覚で先ず辟易してしまった。
・・・とか、当時のメモに記てあったが、今回このレストランのレシートを発見、なんと!

>>ウィーンでシュニッツェルと言えば、フィグルミュラー Figlmuller。 1905年創業で100年以上の歴史があり、観光客だけじゃなく地元民も訪れる<< (ネットの記事より)..

よく分からんのにかなりの高級店に入り、よく分からんのに今では日本でも有名な名物料理を喰い・・・ということらしい(^^;

なんとか料理をかたずけ、レストランを出ると寒さが一層身に染みる。

さすがにウィーンらしい楽器や楽譜の店のウィンドウディスプレイ。

夏のシーズンのウィーンならそれなりの気分が盛り上がるハズだが。

冬のヨーロッパの寒さもあるのだが、実を言うとこの時代の私の身上は最悪だった。
勤めていた会社の業績が悪化、私の給料も地位も上がらず、いやいや仕事と夜の素行悪行が重なりこの前年から初老性鬱状態。
この旅行の写真の私の顔には覇気がまったく感じられず、笑顔も殆どない。
ヨメの方も前年の事故で歯列を矯正中でもあり、双方ともこの旅行中の顔写真はまともに見られるモノではない。
この旅行より24年も経った現在、私の残り時間も乏しくなり、いよいよ旅行写真の整理をする気になった。
もう顔を気にするトシでもないし・・・いや、やはり最低限の手直しだけは少々(^^:

ホテル帰着後連泊を申し込む。
up:2025/2/25(火)22:6
サラエボから東ベルリンへ ウィーン(2)