8/11(火)朝、雲もあるが晴れているようだ。
よし、貸しバイク試乗を決行する。
「死ぬにはもってこいの日」だ。
↑アメリカインディアンが戦いに出る日に言うセリフ。
ホテルのロビーにインターネット閲覧用パソコンが置いてあった。
Google地図で貸しバイク屋の住所のロケーションを確認。
昨日とは一筋違ってた。Uバーンの前で降りるか後ろかの違いだった。
朝10時開店のハズなので、買ったばかりのウィンドブレーカーを着、9時に出る。
先ず駅構内の本屋でヘッセン州の道路地図を買う。
VISAで支払うが、カード読み取りに時間がかかっている。
売り子さんが「まだか」とばかりディスプレイを覗く。
すかさず"Nach Japan, so weit!"(日本まで遠いですからねぇ)とドイツ語で冗談が出た。
笑って地図を袋に入れてくれる。
なかなかいい調子じゃないか。
Uバーン内で買った地図を少し広げて閲覧。
マンハイム・ハイデルベルグもすぐ近くにある。
アウトバーン4号線を南下すればストラスブールまで夕方までに往復できるかも。
・・・とその気になってくる。
気分の高揚を維持しつつ、駅からバイク屋に歩く。
大通り沿いにガソリンスタンドがあり、その横道が目指す住所。
2軒目の郊外風に平べったいプレハブ店舗の横にバイクが並んでいる。
レンタル担当のポロシャツの男が愛想よく英語で相手してくれる。
借りるバイクを決める。
BMWならK1200R、F800GSが多数あったが、私には大きすぎる。
650か800というと一台だけあったF800STを見せてくれる。
HPでも在庫が確認できたので、F800STがあればそれにしようと決めていた。
見たところ、計器類や操作系は私の赤バイク(F650GS)と同じだ。
一日だけと言うと、18時に返却しなければならないらしい。
明日の10時でもいいというが、明日は朝から飛行場なのでムリ。
19時までオープンだが返却は18時までかい?
しかたがない。
一日レンタル料金とヘルメット・トップケースと保険を付け139ユーロ。
表にバイクを引き出してもらい、ヘルメットを被る。
持ってきた食料入りのサックをトップケースに入れて閉めようとするとが、なかなか閉まらない。
ロックするのにはちょっとコツがいるようだ。
バイク・ヘルメット・ケースともあまり手入れはよくないかも。
すこしその場でまたがったままエンジンやクラッチの様子を確認する。
カエル式足折りたたみのスポーツバイクである。
違和感は多少あるが、そう極端な前傾ではない。
足はカエルたたみで正座している方が疲れないかもしれない。
Have a good day! の声に送られ、いよいよ、意を決して前の道路に乗り出す。
日本と違い右折が簡単である。
曲がるバランスが自分のバイクとは違うが、直ぐ慣れるだろう。
すぐ自動車道を外れて、昨日歩いた住宅街に乗り入れて慣らし運転をする。
まあ、なんとか扱えそうだ。
小回りするとき、バランスをくずすかもしれないので気をつけよう。
住宅街を抜け、連邦道路格の道を走ってみる。
バイクの操縦は大丈夫だ。右側通行もなんとか行けそう。
しかし・・ここはどこだ???
車で一杯のアウトバーンが見えるが、方向もわからないままフランクフルトから外れるとヤバい。
夕方6時には元の場所に帰ってこなければならないのだ。
カルバッハ地区の地理を覚えておく必要がある。
しばらく周回して帰り道を覚えることにする。
昨日歩いて下見したおかげでこの町のメインストリートは覚えていた。
1,2回町を周り、しばし停止して地図を確認するが、朝買ったヘッセン州の道路地図ではとても普通の街路は特定できない。
周辺の町の呼称・表示を覚えようと試みる。
建設途上の大学用地があり、比較的おおきなスーパーが出来ていたので、水を購入。
本屋を見つけてフランクフルト郊外の街路が検索できる地図を手に入れる必要がある。
しかし、本屋なんてそう簡単に見つからない。
同じ道をもどったりするが、地図上のアウトバーンと実際の道の方角が同定できない。
ええい、適当に走れば確認できる表示があるだろう。
・・・・
街路や交通量の少ない田舎道を見つけ、しばらくわけもわからず走る。
この状態ではあまり景色も見えていない。
まあ、似たようなヨーロッパの都市の郊外である。
交通標識もよくわからん。
住宅街に入ると「30キロゾーン」という表示があり、制限速度30までということが判明。
フランクフルトの中心を避け、郊外の町筋をぐるりと一周しているような気で走行しているのだが、いちいちの町名の表示に覚えがないのでコースがわからない。
停止線の真上に信号機がある場合が多く、進行方向にはもうない交差点も多い。
青に気がつかず後ろから警笛を鳴らされること2度。
右折して道に乗り入れるとき、左手後方の確認不足で警笛を鳴らされること1度。
わけもわからず走っているうちに次第に交通量が増え、フランクフルト中心に近寄っているようだ。
とあるショッピングセンターの駐車場に乗り入れて休憩。
ついでに持参の昼食を摂る。
3日前にストラスブールで買ったプリッツエル、レタス、カマンベールの残り。
本当はライン川の畔で食べるつもりだったのだが、とてもソコまでいけそうにない^^;
食後、思い切ってどこでもいいからアウトバーンに乗り入れてフランク フルトから出ることにする。
・・・実はこれはライン川を南下する方向でもなく、幹線アウトバーンでもなかった。
しかし、何でもいい、見る間に郊外の町並が消え、野と丘の景観に変わる。
ついにドイツのアウトバーンを走行してやったぞ、と意識は舞い上がる。
コレをなんとか写真に残しておきたいのはヤマヤマなれど、全ての車が高速走行しているので路肩に停車したりするのはご法度である。
行き先表示や交通標識に注意を払いすぎるほど払わねばならないので、写真撮影のために停車をしない、と固く決意。実際にもできそうにない。
しかし、走っていたアウトバーンは非常にローカルなやつであったようで、結局どこの都市にも通ぜず、フランクフルト近郊の町で急に田舎道路になり下がったのだった。
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