途中谷の村が見え、写真
を撮ろうとするがあまりいい
場所はなかった。
出発しようとして道端の砂利
に車がスリップ。
あぶないところだった。
山手の町ケーニッヒシュタイン(Konigstein)に入ったようだ。
教会やいしだたみの町。ざっとみたところ山間の保養地風。
教会前で停車しているとヨメから電話。
なかなかの観光資源のある
町のようだ。
しかし、駐車要領がわからない。
中心地で駐車している車の
前に停めたら、あとから来た
車のおばさんがしきりに何か
いっている。
そんなに詰問調には聞こえ
なかったが、
はいはい、どきますよ。
さて、そろそろフランクフルトに帰る時間である。
地図もあることだし郊外を大回りして帰ると決める。
大都会の中心街の交通に巻き込まれたくない。
ここからが苦難の道だった。
地図はトップケースにあり、いちいち地名指示があるたびに停車するわけにはいかない。
なんとか機会を見つけて停車し確認するが、今の道と地図との対応がとれないまま、
ざっとした方向感だけで走行。
町場に入れば一方通行もある。
なんか、午前中にカルバッハから出てくるとき走行した町筋、と思ってもよく似ているだけで違っているようだ。
多分、近づいたり遠ざかったりしていたのではないか。
4時半。少々ヤバくなってくる。
道さえ知ってれば30分以内の距離のはずだが。
思い切って適当にアウトバーンに乗りフランクフルト中央を目指す。
このとき速度制限の電光文字が各レーン上にあったおのおの120キロ。
別に追い越し車線とかの区別はないような気がした。
フランクフルト市街への最初の降口でアウトバーンより降りる。
町場である。
交通の流れに沿って大体の方角を決めて流れていく他は無い。
しかし、目印にしているタワーの位置が予期しているのとは違うような気がする。
だんだん幹線から外れ、ついに公園入り口道路にはいり停車。
向こうから自転車でくるおじさんに声をかけ、現在地を地図で示してもらう。
相手がよかったのか悪かったのか、一生懸命地図をにらんでいる。
・・・(時間が気になる)・・・・
やがて結論。
現在地はここ。
カルバッハ方向にはもう一度あの道路を反対に走る。
ほんとかな。
しかし、言われた方向に回り、先ほど降りた道路の逆レーンに入る。
この辺で記憶が入り組む。一時はフランクフルト中央駅付近まで出たり。
しかし、交通の流れに乗ってどこか知らない道に踏み込む。
おかしい、何かまた来た方向にもどっているような。
道路の行き先表示にKonigsteinと書いてあるではないか。おいおい。
もう6時、パニックになりかけ、ここであわてると事故になる。
店が閉まっているときの対策を考える。
店の前に放置しておく?
いや、これは責任問題だろう。
ホテルにもって行き、フランス語で従業員に事情を説明し、翌日ひきとりに来てもらうか。
一方では、最終的にはうまく切り抜けてているだろう、という気もしている。
これまでも列車に乗り遅れたり、バスの時間を間違えたり、旅行中にパニック状態は
何度も経験したが、すべて切り抜けてきたではないか。
今回もなんだか劇的に、というよりあっけなくかたづいているに違いないのだ。
右・・・ の表示があり、右折。
交通が途絶えた道なので道端に停車して、歩いている女性に地図を示す。
「ここはどこですか?」
最初は分からんとかいってたが、途中で本気に地図を検討し「ここ」と確信を持って今いる場所・道を指し示してくれた。
カルバッハから脱出した道(これは記憶した)には一本道といっていい絶好の道だった。
6時10分前。
長い街路で、今回も間違えたかと思いかけたが、やがて地図上で確認した道路と交差する。
右折してしばらくいって左折である。
左折地点で朝、目印にしようと思っていたガソリンスタンドがあった。
カルバッハ入り口6時。
まあ、10分くらいの遅刻は問題ないだろう。
・・・助かった。
教会のあるカルバッハのメインストリートを駆けぬける。
バイク屋着。ふう。
他にも帰着組がいて、結局そこまで急ぐこともなかったのかも。
しかし、ガソリンスタンドに寄って満タンにすることはできなかった。
なかなか友好的な担当氏と顔を合わせると、この客の処理すんでから、ちょっと待っててくれとの合図。
返却手続き。走行距離確認。
「時間がなかったのでガスいれていない」というと「分かった」。
「いやぁ、難航しましたよ。道が分からんのと雨で。」とか。
走行距離は200キロ以内。
これでOK、追加料金は無くて可。
これで完了。握手して辞去。
ほっとした顔で、今では親しいカルバッハの町を歩いてUバーン駅に行く。
昨日の今頃、一筋下の住宅街を歩き出していた。
そして雨に降り込められたのだった。
・・・
フランクフルトに帰り、一旦ホテルに引き返しパソコン持って観光に。
何回か来ているはずなので、あまり観光する気はないが一応フランクフルトに敬意を表する。
観光的にはパリやストラスブールと比べてそんなに面白い町ではない。
中世の建物とモダーンな塔建造物との対比もあるが、おもしろいという域にはなっていない。
ラートハオス前で軽食とカフェオレ。
10時まで居残ってマクド経由で帰還。
ヨーロッパでバイクを自在に楽しむ、というところまではいかなかったが、最初の切り口を得たという感触はある。
全く予定していなかった急な旅行で圧倒的な準備不足だったが、転んでもタダ起きないというウチの家訓はなんとかクリア。
後はドーハ経由の飛行機で帰るのみ。もう一度2ユーロのビールで乾杯。
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