(ストラスブール通信付録).. 所用でパリ・フランクフルトでバイク へ..
[ストラスブール通信1]

 (ストラスブール通信付録)必携旅行用具

2008/3/13(木) 午後 7:03

(1)クレジットカード

クレジットカードでの現金引き出し機の普及やユーロ統合のおかげで、ヨーロッパでは通貨交換に気をつかう必要は全く無くなった。
今回の旅行では、まったくユーロの現金を所持しないままパリでトランジット、ストラスブール空港まで行っちゃった。

以前なら日本を出る前に当座の現金を空港で両替するところだ。
もし旅行中、きちっとしたホテルやレストランだけを使い、町でケバブなんかの立ち食いしなければ、1ユーロの現金も持たず観光して回ることだって可能だ。

フランスでは15ユーロ以下は原則としてカードでの支払いは出来ないのだが、ポンピドーセンターの現代美術館(10ユーロ)や1.5ユーロのメトロでも自動券売機ではカードで買えるのである。
←ストラスブールのトラムウェーのホームにある切符自動販売機。カードで買える。

しかし、便利になった分、昔のように両替屋の店頭の交換比率を研究し、すこしでも安く現金を買うという工夫ができなくなった。
カードの決済日はカード会社が決めるので、少しでも交換比率のいい日に清算するという選択はできない。
それに、いくら交換手数料を取られるのかわからず、すべてあなたまかせである。

レストランでカードでの支払いが多くなってきたので、どうもチップを置いて行く習慣もくずれてきているのではないか、と思った。
カードで支払って、ポケットに小銭がなければ、わざわざお札でチップを支払い、そのおつりを要求するという人もなかろう。

フランスのカフェではもうチップは基本的に不要と思ってもいいのかもしれない。


(2)デジタルカメラ

私のデジタルカメラには1ギガのメモリを食わせてあるが、それでも気前よく撮影していると二日も持たない。
今回はパソコンも持参したので、そのHDに転送し、いつでもメモリをクリアして再使用できた。

4年前にタイに行ったとき、デジカメのSDカードのメモリ残量が無くなってしまって困ったことがある。

バンコクの「秋葉原」パンチップセンターに行き追加カードを買おうと思ったが、かなり高かった。

結局パソコン修理店のお兄さんと交渉し、100バーツで持参のUSBメモリにカメラのメモリ内容を転送してもらった。わずか256MのUSBメモリに2回程転送し、画像データを数百枚蓄積した。
そんな低解像度時代だったのだ。

30バーツあれば2階のフードコーナーで晩御飯が食べられた。
かなりふっかけられた感じである。

昔、こういう笑い話があった。
---旅行はどうでした?
---さあ。まだ撮ってきた写真見てないので。

観光地に行っても、カメラのファインダーから覗くばかりで、実際には何も見ていない人も多い。

私もフィルム式のカメラの時代にはわざと旅行にはカメラを持っていかなかったのだが。

しかし、現在では手軽に証拠を残せるディジタルカメラはやはり旅行には必須のアイテムだ。
カメラで記録するだけの意味のある光景を探したり、絶妙のシャッターチャンスを工夫するのも確かに旅行の楽しみのひとつ。

カフェで休憩する時、撮った写真を編集したりしていると結構時間を潰せる。

(3) 携帯電話


海外で初めて携帯電話を使用したのは二年前の旅行の時だった。
申し込み制の海外ローミングの手続きをし、一緒に旅行したヨメとの連絡に利用した。

国境を越える度にローカルのキャリア(接続会社)が「ようこそ!」メッセージをくれるのが心強い。
その会社の網(ネット)を利用して日本経由で現地でも通話できるのである。

一応パンフレットでは、日本でいつも使用している携帯電話で海外旅行先でも通話できるということを確認していたが、これは日本にいる時には確認できない。
最初のトランジット地のクアラルンプールの空港で目の前の相手の電話を呼び出し、ちゃんと着信音が鳴った時には「すごい!」と思ったものだ。
海外旅行の時こそ、緊急の連絡用に携帯電話が役に立つ。
その安心感は計り知れない。

この時の旅行では、ヨメと荷物をとある東欧の夜の町角で待たせ、一人で宿探しに走った記憶がある。
携帯電話で状況連絡の通話ができ、安心して自由に行動できた。

何らかの事由で、見知らぬ外国の町で落ち合うことができなかったら、昔ならお手上げになるところだ。

25年前に長期滞在を決行した時には、法外な値段の国際電話しか通信の方法がなく、外国で暮らすということは完全に日本とのコミュニケーションを絶つことだった。

私の次の世代ではパソコン通信が普及していて、海外アクセスポイント経由のモデム接続で絶えず日本との連絡ができる時代になっていた。

現在では携帯電話でいつでも連絡ができ、インターネット経由でいつもの情報にアクセスできる。
海外旅行先でも国内同様のコミュニケーション手段が確保きるようになったのだ。

今回の旅行では、前回の旅行で海外ローミングの手続きしているので、何も考えず普段の携帯電話を持っていった。
フランスに到着して日本のヨメに電話すると、当たり前だが普通に通話できた。なんというお手軽な時代になったことか。

しかし翻って考えてみると、現代では日本語環境を完全に消し去った海外語学留学を実現するのは無理になったのではないか。

まあ、意思さえあれば日本や日本語と全く決別することはできない話ではない。
しかし、実際に日本語情報に全くアクセスできない状態に自分を置くこととは、心理的にはまったく違うことだと思えるのである。

尚、国際通話では相手の番号に国の識別番号をつける必要があるが、携帯メール(SMS)ではソレさえ必要ではない。
まったく普通にメールをやりとりできる。
ただし、一切の割引は効かない。一通100円ナリ。

私は国内では少数派のノキアのユーザーである。
NOKIAはヨーロッパでは圧倒的なシェアを誇ってる。
それにアチラの人種はメンドくさいのかデフォルトの呼び出し音を使っている人が多い。
私メもそうである。

で、ヨーロッパに行くと、人ごみでは必ず自分の携帯電話と同じ呼び出し音を頻繁に聞くハメになり、その度に自分のセットを取り出し確認することになる。


(4)パソコン


今回の旅行ではデジタルカメラとともにハンドヘルドのパソコンを持参した。
一応勉強しに行くので、こういう電子文具は必須だった。

休日で郊外に遠出する時にもナップサックに入れていった。
スペック上では重量一キロ以下で、背中も別に痛くはならない。
これが意外に役に立った。
先ず、今までの旅行では帰国してから書きはじめたので、ついぞ完成したことがなかった旅行記が、今回は写真入でほぼリアルタイムで完成できちゃった。


今回の旅行では、フランスではインターネットカフェが下火になっているという感じを受けた。
私自身、自分のパソコンを持っていたのでインターネットカフェではなくて、無線LANが使える施設を探した。

大体フランスのパソコンでは日本語の入力がままならず、キーボードの配列も"AZERTY"で使いづらい。
ちなみに英語配列は"QWERTY"という。

以前、フランスのどこかのインターネットカフェで「キーボードの配列はどうします?と聞かれたことがある。
この場合は"Clavier anglais"(英語キーボード)と答える。

日本語をローマ字入力しているので、キー配列の違うフランスキーボードではブラインドタッチができないのだ。

西欧語複数言語の入力には「カナダフランス語」配列が便利だ。
基本的には英語キーボード配列で、使用頻度の低いアクセント等はデッドキーを使い2タッチで入力する。
これでフランス語・ドイツ語のアクセントはすべて入力できる。

キーボードに印刷されているガイド文字さえ気にしなければ、ソフト的にどんなキーボードでもカスタマイズして好みの設定にできるのだが、いちいちデフォルト設定を変更していくのはメンドクサイのである。

使い慣れたアプリケーションも入っている自分のマシンが使いやすいのはいうまでもない。

自分のPCを持っているとインターネットカフェより無線LANのアクセスポイントを探すことの方が大事になる。
それも無料のアクセスポイントである方がいいのは言うまでも無い。

無料のアクセスポイントとして今回は通っていた学校のネットを使わせていただいた。
パリのポンピドーセンター等の公共施設でも無料の無線LAN網がある。

ストラスブールの国立大学図書館(BNU)でも年間会費(38ユーロ)を支払えばインターネットにアクセス出来る。
今回は2週間の一時利用会費(2ユーロ)しか出さなかったので夜にはアクセスできなかった。

しかし、商用無線LANプロバイダの料金を考えると旅行者がBNUに38ユーロ支払ってインターネットカフェとして使用するのも場合によっては有効かもしれない。
何しろ夜の10時まで開館しているのだから。

無料のアクセスポイントは町のレストラン・カフェにもある。
コーヒー代くらいは支払わねばならないのだが、一時間以上ねばればインターネットカフェよりも格安になる計算も成り立つ。
しかし、アクセスの方法はマチマチである。

一番手軽だったのがストラスブール大学前のカフェ”Brant”。
何も操作しなくとも、そのままインターネットエクスプローラを立ち上げれば
接続してしまっている。
何かの間違いか?と思ったが、いつ行ってもそうなのだ。

「無料無線LAN」と書いてあるカフェで、一般的と思える接続方法は、店の人にネットIDとパスワードを教えてもらうという方法。
こいつはチョイトめんどくさい。

あるカフェで紙にパスワードを書いてもらったが、文字は数字ばかりで分かち書きされていた。
普通はスペースや改行をパスワードに入れることはないが、一応手書きの筆跡を解読し順列組み合わせでいろいろ試行することが必要になる。

何回やってもアクセスできないので、ついには無線LANのルーターを棚から下ろし、DIPスイッチの確認なんてやってもらったこともあった。
それでもこの時は成功しなかった。
しかし、こういう場合はちょっと多めにチップ置いて来ないと申しわけないという感じになる。

バーゼルで入ったスターバックスでは、店内でPCを開いている客がいたので、ひょっとしてと思い、インターネットエクスプローラを立ち上げると、スターバックスのサイトに繋がった。

説明を読むと30分間無料アクセス出来るということだ。
さっそく店の女の子に「アクセスしたい」というと、パスワードがスクラッチで
隠されているカードを手渡される。
これは手書きではないので非常にわかり易かった。

ただ、フランスではスタバに行かなかったので、フランスでは確認できていない。

ホテルでは無線LAN可と書いてある所は多い。

最初に宿舎にしていたホテルではパスワードの書かれたカードを購入する形式だった。
一時間で7ユーロ。
誰がそんなもの使うかい。
表に出ればWiFi無料カフェが直ぐそばにある。

後の旅行でよく利用した2星クラスのibisチェーンでは、1時間用なり3時間用なりを申し込むとその場でプロバイダにアクセスし、パスワードを取得してプリントアウトしてくれる。

ちなみにibisの無線LANはORANGE(プロバイダ)の網を使用していて、料金は次のとおり。

1時間(24時間で失効)4.5ユーロ
3時間(30日で失効)10ユーロ
10時間(30日で失効)15ユーロ
50時間(90日で失効)50ユーロ

つまり、一時間権を購入して朝10分だけメールチェックし、また夜に30分接続するのは可能。
しかし翌日残り20分あるハズと思って再接続すると、すでに失効しているのだ。

ibisでの料金は契約プロバイダORANGEの設定料金がそのまま適用されていた。
このときから、いつ何時間の接続権を買って、どう効率的に接続利用するか、という計算、つまりORANGEとの絶えざる商業的駆け引きに乗り出さねばならないことになるのである。

ibis独自のサービス料金として24時間(24時間で失効)というものがあって、9.5ユーロ。
徹夜でサーフする気ならコレが格安かも(^^)

最後に宿泊したパリのホテルでは無線LANにアクセスできるが、ホテル側ではまったく料金
システムにタッチしていなかった。
個人で直接プロバイダのORANGEに申し込む。

最初、町の携帯電話ショップ(ORANGEは携帯電話の大手キャリア)で手続きするのかと思っていたが、試しに宿で無線LANにアクセスするとORANGEのサイト画面が立ち上がる。
説明を読むとその場で1時間、3時間のアクセス権を購入できることになっている。

希望する時間単位を選択し、クレジットカードの番号を入力して支払う。
すると指定したメールアドレスにパスワードが即座に送信されてくる。
なーんだ。

ホテルのレセプションに申し込む必要はないわけだ。
ORANGEのネット網に入っていれば、直接ORANGEからアクセス権購入契約できるのである。

ここでひとつ疑問が湧いてくる。
支払った時点ではまだ無線LANに接続していないのだから、メールでパスワードを
送信してもらってもメールチェックは出来ない。

さあ、どうする?

携帯電話のメールアドレスにも送信してもらうのだ。

しかし、実際には心配無用だった。
クレジットカードでの購入が成立すると、すぐ「今すぐ接続しますか?」というオプションが出る。

OKすればパスワードを入力することもなく、そのままインターネットにアクセスできるのだ。

というわけで、パリでORANGEと契約、3時間のアクセス権を買った。
1時間4.5ユーロはどうしても割高という気がし、多めのオプションにした。

宿で使いきれなくとも空港ならORANGEへのアクセスはできるだろうと思った。
あるいは世界中にアクセスポイントあり!なんて書いてある
ので、日本のホットスポットとも提携しているかもしれん。
帰国したらすぐ梅田に行くので、大阪駅周辺でアクセスできるかも、とも思ったのだ。


しかし、空港でのアクセスポイントは限られていて、2時間以上残っているアクセス権を消費できなかった。

そして日本では全くどこにもORANGEのアクセスポイントは無く、手ごわいORANGEとのしぶとい駆け引きには完全に負け越し、すごすご退場してきたのである。


(ストラスブール通信付録).. 所用でパリ・フランクフルトでバイク へ..