[ストラスブール通信シーズン2] |
イスタンブールほんの少し観光(2) |
2013/03/19
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ガラタ塔より金角湾越しの旧市街。
正面のモスクがスルタンアファメドモスクで、左がトプカピ宮殿。 |
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どこぞのおネエさんに頼まれ、お互いのカメラで相互撮影。
塔の入り口で30分近く行列していた仲間で、ちょっとした顔見知りになってしまっていた。
↓トプカピ宮殿の向こう側がボスポラス海峡越しのアジア側だ。
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なんと、これは地理的、歴史的なアジアとヨーロッパの境目の光景なのだ。 ・・・
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・・・とか言い聞かせ、この写真を記念にFACEBOOKに上げたりするのだが、その実、淀川とあまりかわらんな、とかも裏で思ってしまう。
要するに、どこかで既に見てしまっている光景で、「自分でソコに行った」という事実以外はたいして新しい感興も湧いてこない。
む、いかんな。
観光旅行なら簡単に感激できるもっと若いときにしておかねば。
あ、すんません。
わずか半日観光しかしてないのに。
なんだか、もうイスタンブールでの目的を達してしまったので、もう急がず展望テラスの下のカフェでまたチャイ(6TL)を飲む。
下の売店で銀細工ブローチを買う。
買ってから思い出した。
トルコでは向こうさんの言い値で買ったちゃイカンのだった・・・
私は余りにもスーパー調達に馴れてしまい、そんなシチ面倒な手続きは全く意識の外だった。
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ダーダネルス大橋の上でケバブの立ち食い。
しかし、これはヨーロッパのヤツの方が質・量とも上だった。
2,3のケバブ屋を見たが、何も言わないとチキン。
チキンでないならビーフということになる。
ちなみにチキン2.5TL、ビーフでその2倍というような相場。
え?本場のケバブはマトンじゃないのかい??
どうもマトンにはお目にかからなかったのだ。
シシカバブーの世界だと思ってたのだが。
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橋の袂にあるモスク。これも壮大なものだった。
そろそろ夕刻で夕日が傾き、影がのびてくる。
モスクの建築は光りと陰の交錯、せめぎあいでとてつもない奥行きがうまれる。
この辺りが日曜日の地元行楽客、世界の観光客が入り組んで大変な雑踏だった。
交通渋滞する道路がどうしても渡れず、地下道を探して降りると、地下道内が喧騒すざまじい半露天商の商店街。もう梅田阪神地下街の比では、とうていなかった。
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とある商店街の町角に群がる人々。
全体に黒っぽい。
若い女性のカラフルなホットパンツなんてのはもちろん無い。
若い女性であればあるほど、スカーフで髪の毛を隠し、一見おバアちゃん風の地味な服装をしている。
そうか、グランバザールってのもあったな。
喧騒と人ごみで茫洋としたイスラム世界の迷路に迷い込んで自分の気配を断ってしまう。
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・・・というような願望をもっていた時もあったが。
ま、あれはイスタンブールというよりはバグダッドあたりのイメージだったが。
では、そろそろ夕刻の雑踏歩きをしながら、グランバザールを目指そうか。
中心街あたりの路地裏商店もなかなか市場的な雑踏の雰囲気があり、紛れ込んだらいつのまにか永遠の時間が経過してしまう予感があった。
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しかし、それは今日ではなかろう。
本日の夕食はアタチュルク空港のラウンジで摂ってやろうという予定だ。
じりじりと歩いてトプカピ宮殿の方に出たいのだが。
商店街は複雑に入り組んでいて、迷路状態。
もうトプカピだろう、と思っていたら元の橋のたもとのモスクだったりした。
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←焼き栗の屋台が多い。
天津甘栗ではなくて、もう少し大きくて、われた腹がやたらと白いヤツ。
少し商店街が切れると、とたんに人ごみが消えてしまう。
商店街と何もない無人の裏町の対比が激しい。
しかし、本日が日曜日という所為かもしれない。
わかったような印象を持つのはやめておこう。
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→大阪で見ると何の変哲も内看板だが、この女性の写真は目立った。
街には絵や写真で構成した看板は滅多にない。
殆ど文字だけの看板が殆どだ。
それが偶像を否むイスラム圏の町の光景である。
この辺りの町筋のイメージはどことなくサラエボに似ている。
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紛争後まもない2001年冬にサラエボを見てきたのだが、建物や人びとの服装、それに店の看板が東欧イスラム風と見える。
アタチュルクさんがアルファベット化した、といっても発音記号は文字のヒゲとして付いている。
なんだかスラブ系の文字に似ているのである。
地理的にもギリシア・トルコ・東欧・ロシアを黒海沿岸諸国と言っちゃっていい・・んだろ?
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トプカピ宮殿には達しなかったが、もう日没近いのでトラムでグランバザールに行って見た。
ちょっとした商店街があったが、どうもグランバザール本体ではないようだ。
もう夕方で閉まっているのかも。
この門には確かにGRAND BAZAARと書かれていたのだが。
まったく解りません。
なーんにも予習せずに来たもので(^^;
この辺でイスタンブールは日没終了とする。
後はホテルに帰り、荷物を引き取って空港にシャトルバスで行くだけ。
というわけで、最後にホテルのシャトルバスは利用できました。
ちなみに、客は私一人だった。
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トルコは是非とも一度は行きたかった国だった。
今回、ストラスブールのオマケで思いがけなくストップオーバーしてイスタンブール訪問の機会を得たのだが、
思い入れが強かった分だけ、この半日の観光ではカスみたいな印象しかもてなかった。
イスタンブールに対する憧れや夢想の大半は駆け足旅行の小さなトラブルで打ち消されてしまったのか。
また、「親日的で親切なトルコ人」というような一方的なもたれかかりは、ことイスタンブールに関する限り無意味な片思いである、と断言しておこう。
直ぐ前にアルジェリアで「日本人も」標的にしたイスラム過激派テロがあった。
日本は政治的には無害で、イスラム過激派の標的になるなぞとは思っていなかったのだ。
トラムの駅で路線図を検討していると、話しかけて来るヤツがいる。
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「チャイニーズか?」
・・来たな。
これもネットで日本人をカモにした悪徳商人の手先の手口と出ていた。
「ちがう、日本人だい!」と応える人が多く、いい話のきっかけにされてしまうそうだ。
それにしても簡単に英語で喋ってしまうというのは何というガードの低さなんだろうか?
道で会った外国人にすぐ国籍を聞く、というような失礼なヤツが善良な市民であるワケがない。
私は「ベトナムだい!何か用か?」とフランス語で言って追い返した。
あ、口きいてしまったが。
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半日で見たかったものは見たのだが、見ることで消えていった夢想もある。
遠くで想っているだけの方がいいこともある。
駆け足の観光はそんな意味で少しむなしい。
もう単なる観光旅行では私には意味は無い。
見るだけならテレビで毎日の如く何かしらやってる時代だから。
一日でその国を見て来るという、そんな無意味で失礼なことはもう致しません。
とか、言いつつ、まだ見ていない大陸があるのもシャクだが。
[ストラスブール通信シーズン2 完]
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