イスタンブールへの長い道(3) イスタンブールほんの少し観光...
[ストラスブール通信シーズン2]

イスタンブールほんの少し観光(1)

2013/03/19
ネット情報のおかげで市内交通の要領がのみこめ、
イスタンブールカードのおかげで市内交通が自由になり、
偉大なアタ・チュルクのおかげで交通路線図の駅名が私にも判読可能になった。
 
地下鉄→トラムの乗り換えも、車内の路線図から数駅前から準備ができ、スムーズに完了。
 
ところが、トラムが常に満員押し合い状態。
これは奈良大阪間十有余年にわたる超満員の近鉄/JR大和路線立ちっ放し1時間経験がない方には越えることのできない難関だろう。
停車駅に着く度に多少の移動はあるのだが、片手は真上のつり革保持棒へ、片手は勝手に身体から離れようとするバッグの保持で持ち上げたままたっぷり40分。
1000万都市に対し、モロ貧弱な都市交通網。
 
途中、トプカピ駅があり、あれれ?と思う。
トプカピ宮殿はこれから行く、スルタンアファメドの向こう、ボスポラス海峡沿いにあるハズだが?
車窓からチラリと石積みの城壁の廃墟が見える。
まあいい。とにかくトプカピ駅には廃墟があり、トプカピ宮殿はここじゃない。
ヒマがあれば、この廃墟の正体を確認してもいいのだが、いかんせんたった半日の予定のイスタンブール観光である。 
満員イワシ缶寿司詰めのトラムはやがて中心地・繁華街へ。
 
車窓からチラ見えるこの大都市の光景は、正直に言って類型的で特徴がなく、時折見える寺院のミナレットがなければイスラム風でさえない。
 
ノスタルジーさえ感じさせるバンコクの下町でもなく、カラフルな熱帯イスラムのクアラルンプールでもなく、どちらかというと大阪下町と同じ印象なのだ。
 
人びとがただ動き回っている、賑やかで落ち着きがない安っぽい町筋。 安っぽい商店と実用本位の道路だけで緑の気配のまったくない町筋。
 
緑地も多少目に入ってくると旧市街・中心地である。あからさまに観光客対策上の整備と思える。
思い出したが、車内で「すんません!」といいながら人を掻き分けて身を中によじ入れる時、フランス語「Pardon!」(パァードン}といっているように聞こえる。
そんな基本的な言葉が外国語なワケないだろうと思うのだが、タイミングや語調がパァードンそのまま。
それにこのPardonは当然神サマの許しに関わる言葉である。
宗旨がすこし違う、ここで使用されることはなかろう。
この真偽不明。
なんせ全く何の観光知識もなく、ちょっとした出来心でやって来たんだから。パァードン。
 
そしてスルタン・アファマド駅。
いきなりスルタン・アファマドモスク別名ブルー・モスク。
むむ、さすがの規模だが、満員トラムから吐き出された途端の世界遺産に群がる人々である。
遊園地の日曜日のテーマパーク風イベント、と言う以上の感情的高揚はない。
 
「ブルーモスク」というイメージに持ってしまう神秘な異教・異境のエキゾチシズムには至らない。
 
ま、とにかくモスク礼拝前に、敬虔な信者の列に加わり、そんなことでは到底アカンだろとは思うが、水で世俗の下賎な私を清める。
実は、満員電車で疲れたので、コレ幸いとにわか信者になり、足を冷まさせていただいたのだ。
 
横のオッちゃんたちは、足のみならず、アタマや腕を克明に清めている。
 
スルタンアファメド・モスク内陣。
 
絶えず、説経かコーランの一説かが大音量でスピーカーから流れている。
街に流れるアザーンしかりだが、イメージの複製や再生画像を嫌うイスラムではあるが、スピーカーは大好きらしい。
 
堂内が半分に分けられ、信者が祈る前面へは、観光客は入れない。
石床のキリスト教会ではなく、床は直に座れるよう敷物が敷き詰められている。
 
私もしばし正座しイスラム寺院の祈りの光景の中に紛れ込む。
 
さて、イスタンブールへの道が長かった割にはトラムから降りたらあっけなくブルー・モスクだったので、なんだか肩すかしをくらってしまった。
トルコ航空でイスタンブールトランジットと聞き、ストップオーバーで一泊したのだが、ブルーモスクとボスポラス海峡を見ることだけしか考えてなかったのだ。
 
もう予定の半分が終了してしまちゃった。
ボスポラスも直ぐ傍にあるし、せめて昨夜も食ったけど、本場の「ケバブ」を喰う、というのも目的に混ぜとこうか、とブルーモスクを出ながら算段する。 
モスクの出口で売っている熱いチャイ(ミルクティ)。
3TL(150円)。 5TL出したのになかなかお釣りを渡さない。次々客がくるからという身振り。
あんなあ、まず釣りを渡してから次の客をさばけよ、おい! 釣りもらうまでは動かんぞ。
 
結局、イスタンブールの観光商売人はそういう風なちょっとケチクサこすからしい風のが多いという印象。
いずこも同じ、観光商売人。
  
向かい側のアヤ・ソフィア。 内陣は博物館になっているハズ。
ビザンチン→オスマンのつぎはぎが折り重なっているらしいのだが、じっくり見る時間はない。拝観割愛。
 
このアヤ・ソフイアのピンクの壁が際立ち、ブルーモスクをふと振り返ると、先ほどはそんな気がしなかったのだが、見事に淡いブルーになってぼんやりと輝いていた。
 
さて、次。
ボスポラス海峡見物。
本当は夕日の頃、モスクの屋根が暗ずむ背景を前に夕日に輝いているというのが長年のイメージなんだが、そうもいってられない。
 
ヨーロッパ側旧市街から金角湾越しに新市街を望む。 ガラタ塔が見えている。
 
トラムでダーダネルス大橋を渡り、新市街側カラケイ駅へ。
トラムの駅は路面の安全地帯プラットフォームだが、自動改札機と回転翼出口のほかは全部バリアで囲われている。
自動改札機近くには必ず係り員が見張っている。
 
駅の外側にジュトンの自動販売機があり、ジュトンのほか「イスタンブールカード」のチャージも出来そうな表示になっている。多分出来ます。
 
ここから地下鉄に乗り換えてガラタ塔に行くのがルートらしいが、少しこちらの新市街を歩いてみることにする。
新市街といっても新しいわけではない。
ダーダネルス大橋を越えるとまるで、梅田から神崎川を越えたような落差がある。
 
おまけに一本道を間違えて、日曜日の寂れた裏通りに入ったようだ。
車だけは渋滞しているのだが、人はあまり歩いていない。
 
イスラム圏のトルコも日曜の商店が休みなのか確認できないのだが、商店が閉まりうらぶれた印象。 
チンケな安手のビルとシャッターの閉まった商店。
観光客で溢れている旧市街中心地とは全く違う世界。
 
大都会の観光地のウソ臭さの裏側の実利的な商業地区というイメージ。
 
なぜか、ランプ屋だけ数軒開いていて、なかなか凝ったランプが所狭しと展示してあった。
 
アラブ風ランプですかね。
「アラジンと魔法のランプ」というのがあるくらいで、ランプは特別な需要があるのかもしれない。
 
フランスのパン屋のように、ランプ屋だけ開いている日曜日かね。
坂を上り詰めるとガラタ塔に出る。
 
塔の前には雲霞の観光客。
無人の裏町との極端な対比。
 
塔の入り口に通じる階段上の入場待列は広場を半周している。
30分は行列せんといかんようだ。
 
 
イスタンブールへの長い道(3) blog upload: 2013/3/19(火) 午前 1:10 イスタンブールほんの少し観光...