横浜 | 室生 |
USJ [大阪] |
'07 12月21日(金)
「障害者と同伴者1名は半額の2900円らしいよ。チチオヤもハハオヤもがんばって身体障害者のお免状取ったし、4人で行こう!」 「でもあのハハオヤ行くんかいな?」 「さあ・・アナタが誘ってよ!」 というようなミモフタもない動機で、ヨメと義父母の住居に赴きUSJに誘った。 事前根回しできていたチチオヤはその気になっていたが、ハハオヤはやはり「行かん」という。 ヨメに目つきで促され、しょうがないからミモフタもない誘い方をする。 「お母さん行ってくれると、ワタクシも半額で入場できるんですよ! 半額でっせ!ハンガク、ハンガク!」 効果覿面「半額」という声にハハオヤの条件反射はすばやかった。 「ほな用意してこ。」さすが、ヨメのオヤだけのことはある。 かくて連休前日の大阪此花区のユニバーサル・スタジオ・ジャパンへ4人で行った。 入場券は全員2900円。 入り口横でチチオヤの車椅子レンタル500円。 義父母は日ごろは何かと難しい老人をやってるのだが、この大規模遊園地はものめずらしかったのか終始ご機嫌だった。 実際ハハオヤがコロリと「半額」に乗ってくれたので大成功だった。 実は両親を一度は海外旅行に連れて行かないと、というハナシだったのだが、このままUSJで誤魔化してしまえそうな雰囲気になってきた。 もうチチオヤには認知症も出てきてるので、USJも海外も区別ついてないかも。 無邪気に喜ぶ義父母と、ヨメと私の、してやったりとの会心の笑顔。(^^)/ |
USJは全施設バリアフリーで、車椅子の障害者にはいろいろ便宜を計ってもらえる。 入場ゲートから真っ直ぐ行くと、大クリスマスツリーの下の「サンタのクリスマスパレード」の観覧者の人ごみに遭遇したが、係員の先導で車椅子用の一番前の場所に案内された。 催しものはサンタのプレゼント(キャンディ)を配ってもらう4歳児対象のイベントだったが、ローラースケートで舞う美人のお姉さんをかぶりつきで鑑賞でき、チチオヤへの感謝を新たにした。 |
ついでVISAの不埒なカードで入れるラウンジに行き、イベント優待券を交付してもらう。 一般入場者が長蛇の列を作っていても、横入りしてもよいというチケット。 あまり、行儀のいいチケットとは言いがたいが、障害老人連れにはありがたい。 しかしラウンジの中身はもうひとつ。特に無料飲み物は正直言って、マズかった。 比較的食物には寛容な私が言うんだから相当マズいと思って間違いない。 適当なレストラン選択で一苦労。どこも量の割りには高い。 屋台のポップコーンで誤魔化そうとしたが、誤魔化しきれなかった。 ハンバーガー系なら多いが、老人向けとなると選択肢は狭い。 結局「パークサイドグリル」でパエリャ・パスタとキッズプレート(お子様ランチ)^^; とてもムリというハハオヤとヨメを残し、チチオヤと私でジュラシック・パーク・ライド。 こちらが障害者連れなので入場希望者に係員がチエックリストで克明に質問する。 「心臓疾患はありませんか?」 「もう死んでもいい、と本人は言ってます。ね、お父さん?」 チチオヤが笑ったので、係員にそっと耳打ち「実はそれが目的だったりして」。 「それから、今父は妊娠中ではありません。」 以後係員は質問を手短に切り上げ、われわれを中に追いやった。 40分待ちの表示があったが、不埒な優待券で乗り場への直通通路に案内され、すぐに乗れた。 しかしチチオヤには状況がよく見えず、イベントの趣旨がよく理解できてないので健闘した恐竜諸君には悪いことをした。 最後の垂直落下に近い感覚で水面に突っ込むシュートは、さすがのチチオヤも感知できたらしく、よろこんでたようだ。 次はハハオヤにも参加できるライドを探し、ETアドベンチャーに。 ハハオヤは自力で歩けるのだが歩行速度が遅く、先にチチオヤをET館に送り、引き返してハハオヤも車椅子に積み込んで、後で合流。 |
途中、また人ごみに突っ込む。 大クリスマスツリーの点灯式だそう。 「ご覧になるのでしたら、優先席に案内します」と係員が誘ってくれる。 4人で前の方の優待席に案内され、豪華絢爛軽薄華麗なイルミネーションとクリスマスソングのショーを見物。 しかし、視力が心もとなく認知症気味でもあるチチオヤは正面で何が行われているのかよくわからず、ひたすら音の聞こえてくるスピーカのある側方を見ているのであった。 |
ETアドベンチャーでも優待券のおかげで蛇行する列を尻目に、最前列に誘導された。 これは比較的おだやかな遊覧で、しりごみする母親を説得し遊覧車両に積み込んだ。 しかしチチオヤの一級には負けるが、自らも身障者免状持ちであるハハオヤの感想は「暗くてよーわからんかった」ということであった。 不埒な優待券がまだ2枚あまっているので、再びチチオヤと私でアメージング・アドベンチャー・ザ・スパイダーマン・ライドに。 70分待ちを尻目にすいすいと入場。 3D映画の背景の中を急旋回等の動きをする観覧車で通過する見世物である。 実際のイベントは10分程度、これを見るのに70分も皆並んでるんかねぇ、 ご苦労サマ、という不埒な感想を抱いてしまう。 ニューヨークエリアでうろうろしてると、目の前で案内場が「ターミネーター2:3D」最終回です!今なら間に合います!」と叫んでいる。 「もう不埒な優待券全部使ってしまったし・・・」と思っていると案内嬢が「障害者スタンプ(?)も直ぐ発行出来ます。優先案内できますよ」というので案内してもらう。 「もうショーが始まってお客さんが立ってらっしゃますが、気にせず舞台前の正面で見てください。上映の前にまたご案内します。」と男性クルーが先導してくれる。 舞台横の特別入り口から入ると、なるほど大勢ロープの後ろで立ってみている。 VIPよろしく車椅子のチチオヤを押し立てて、ぞろぞろ4人舞台一番前に陣取る。 前座ショーが終わると、男性クルーがやってきて3D上映ホールに案内してくれる。 最前列のど真ん中にわれわれが陣取ってから一般観客の皆さんが入場してくる。 シュワルツネガー知事主演の3D映画と2人の俳優の実演をシームレスに組み合わせ、最後に観客席にまで水煙が立ち込める一大からくりショーである。 障害者免許皆伝の視力の老人の目に、近未来最終戦争黙示録的光景がどう写っていたのかは定かではない。 それでもチチオヤ・ハハオヤはクリスマスムードのUSJの賑わいに機嫌よさそうだった。 ラグーンで行われているピーターパンの大掛かりな野外ショーに遭遇。 例によってクルーの案内で、スシ詰め状態で柵の後ろで座っている観客を尻目に特別通路から岸壁直ぐ後ろの手すりに陣取る。 数隻の船をカラフルにライトアップし、海賊はロープでゆれるわ、水中から花火は上がるわのド派手なショーである。 しかし、例によって車椅子のチチオヤはあらぬ方向を見ているのである。 でも日ごろのこの老夫婦の実態を知っているので、父親の車椅子の傍らでちょこんとおとなしく座っているハハオヤの夫唱婦随の図は、ウソのような夢の光景であったというべきだろう。 |
ランド・オブ・オズのメリーゴーランドに積み込んだり、 |
ショップでエルモの帽子を被せたり。 いつもこんなにかわいい老人しててくれりゃなぁ(^^; |
身障者老人をダシにUSJに半額で入場するというヨメの企画はまんまと成功し、帰りのタクシーでは久しぶりに老夫婦の会話も弾んでいたようだ。 同時開催のVISA不埒なカードの特典を試すという企画もあったが、これはもひとつ。 バリアフリーが売り物のUSJなのに、VISAラウンジは車椅子を降りて階段を登らないと入れない。 無料飲み物は無料でも遠慮するくらいマズかった。(−−) 「でもイベント優待入場券、充分ネウチあったに」とヨメ。 たしかに。70分も待つて、たった10分のイベント。 私なら即アルカイダしてしまうところだ。 でも、ターミネーター3Dではっきり確認できたが、優待入場券が無くとも車椅子老人をタテにすれば、どこでも優先入場できたのだ。 だからオヤは大事にせんとイカンのである。 origin: [身障者老人をダシにUSJ] 2007/12/25(火) 午後 5:24
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