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 広川町 [和歌山]


'08 12月10日(水)
          (有田川・二川ダムから下流をみる)
暖かい日が続く。
今日も一日暖かかった。
普段は何となく、陽気に誘われて昼から近所の山を一回りして夕方には帰ってくるのだが、
今日は朝からバイクに乗った。

和歌山の広川町に行った。
(←JR広川ビーチ駅)

いつもコメントをいただく寿限夢さんのブログ(12/10)によると、和歌山では昨日気温が19℃までいったとか。

発電用風車(エアリアン)を見に広川町まで行ったそうだ。

広川町!
ここ何十年も思い出したことがなかった私の最初の本籍地が頭にひらめいた。
「和歌山県有田郡広川町大字広」だった!

その後、私の本籍は大阪市になり、今ではどういうわけか滋賀県になっている。
ちなみに現住所はここ20年奈良県である。

広川町は両親の出身地で、ガキの頃父に連れられ、よく海水浴に行ったはず。
 
(JR湯浅駅→)
当時は確か紀勢線には「広川ビーチ」なんて駅はなく、湯浅駅が最寄の駅だった。
しかし、成人してからは主として大阪に居住し、広川町には一度も行ったことがない。
とっくに亡くなっている父が「ひろぉ」(「ろ」に高さのアクセント)と呼称していた広川町には
何の用事も、和歌山・白浜のように特筆するような観光名所もなかったのだ。
寿限夢氏のブログでは広川町に発電用風車が数基設置されたそう。
とりあえずソレ見に行こう。
(←西広海岸越しの風車)
なるほど、かなり目立つ光景だ。
一基は明神山ではなく、海岸沿いの丘の上に設置してあり下から見上げるとかなりデカかった。

(これは私が始めて見たエアリアン・002年冬 北ドイツを鉄道で移動中撮影→)
ヨーロッパではかなり以前から設置されていて、現在ではそのデメリットの方が問題になっている。
政府の補助金で建設はされるのだが、思ったほど安定した電力は得られず、補助金がなければ採算割れ。
メンテナンスが大変で老朽化するといろいろ問題があるらしい。
何よりも「景観をそこなう」のが主たる反対意見だそう(少し前のFR2の報道)。
広川町のヤツも確かに遠くからでも目立つ施設で、鄙びた漁村のイメージとは完全なミスマッチ。
だが「風車」というのどかな語感にも助けられ、今のところは何とか風景と共存していると見えた。
 
奈良から行きのルート。
高野山越えで高野龍神スカイライン経由と考えていたのだが、橋本からR370でうねうねとのぼり始めて、途中でメゲてしまった。
昨年もこの道を上りきったところでグロッキーとなり、スカイラインの入り口横からR371で降りてしまった。
自分で運転しているのに車酔いの気配があり、生つばが出てくるのだ。

高野山が目的ではないので山頂に通じるR480には登らず敗退し、右折しR370を海南方向に下る。

国道とは名ばかりの上りのつづら折れの山道ではなく、こちらはのどかな走りやすい道だった。

R370途中で護摩山から下ってくるR480にショートカットして乗り移る。
のどかな有田川沿いの田舎道。
途中「道の駅しみず」で昼食を取ろうとしたが定休日。


営業していないレストランのちょっとした庭をかりて休憩。
携帯燃料で湯をわかして、ドリップ式のコーヒーを入れる。
本来なら本格的ガスコンロにチタン製野外食器一式で優雅なコーヒータイムを催すところだった。
しかし、山専門店に行くとキャンプ用品はそれ相応の値段だった。
昔のイメージでは、町で遊べないカネのない貧乏人が山でキャンプしてたような気がしてたんだけどなぁ。
結局550円の固形燃料ひとつ買い、台所にあったアルミの小ヤカンを利用してお茶を濁す、というかコーヒーを濾す(^^;
実は前日も、奈良県東吉野某所の川原で試験済み。
強風でなかなか火力が安定せず、ヤカンを手で持ち上げたりして苦労する。
優雅なんてものではなく、非常にワビしい光景といっていい(^^;
レジャーにヘンにカネをケチるとそうなるのだ。
しかし、たっぷり休息をとるということには役立つのである。

休憩後10分も走らないうちに次の道の駅「あらぎの里」があった。
新しくて地図には載ってないようだ。
昼食「だったんそば」500円。

R480は有田川に沿って湯浅まで下るのどかなツーリング道路。
冒頭の二川ダムもあり、適当に変化もあって楽しめる道だが、なんせ海まではだらだらと長い。
道の駅に寄り道しなければいささか退屈するかも。
町場に近く「道の駅明恵ふるさと館」もあるのでまたトイレ休憩。
さすが、有田みかんが豊富で安い。

さて、湯浅の町場に入り、湯浅広港に出る。
懐かしいと言いたいところだが、50年も前の光景はあまり覚えていない。
高校一年生の夏休みに、父の友人、広の「川」さん(!? ちょっと出来すぎ)の家に逗留させてもらったことがあった。
毎日広湾の海水浴場に歩いて泳ぎに行った。
途中耐久高校があり、夏休みの校庭に合唱部の歌声が聞こえていた。
そのままするりと音楽室に入って行き、練習を見学させてもらったりした。

なんと。

その頃、私はかように物怖じしない素直な少年であり、世界は透明で明るく開けていた。
その後暗く重苦しい転落の40年が続くとは、この少年は夢にも思っていなかったのだ。
↑バーカ。
そこで止めておかんかい!
 
海である。
子供の頃に確かに見た光景。
大阪下町で働いていた父は、タマの休みに車(ニッサンの商用車)で和歌山に帰り、海で泳ぐのが好きだった。


広川町に行くと、もうとっくにこの世にいない父の気配がまだ残っている。

海を眺めて過去回想にふけっているともう夕方。
これが奈良県の山奥なら「あちゃ!」とばかり、あわてて暗く厳しい寒気の中をべそかきながら、一目散にとんで帰るところだ。
和歌山の最高気温、18.5度。
こう暖かいと、なんだかゆっくりしてしまう。
和歌山ならあわてて帰りを急ぐ必要はない。
秘密兵器ETCをフル活用し、湯浅ICから御坊道路→阪和道→西名阪と一気に近所の郡山ICまで空から帰宅というワケ。

ガソリン代は安くなったが、その分きっちりとどこかには消えてしまう。

origin: [有田川を下り広川町に行く] 2008/12/12(金) 午後 2:51
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