山添村 美杉リゾート

 メナード青山 [三重]


'10 1月19日(火)
1月19日(火)
このところ寒かったし、機会もなくサボってた。
天気良し、気温上昇との予報。
よし、それでは県外越境ツーリングに行く。
奈良県道782号。
名阪道路や国道165は交通量が多く、つまらないので三重県に抜けるのによく利用する田舎道。
地元の軽4トラックが時たま走っているだけ。

幹線国道を利用すれば早いのだが、平日の産業道路はモロお仕事モードの長距離運送業トラックばかりで、せっかくのツーリング気分が萎えてしまう。
運転席で勤労中のドライバー諸氏も、平日なのにちゃらちゃら遊び走っている赤バイクなぞ見たくも無いだろう。

三重県に入り、名張市を大きく迂回、国道165を越え、県道29で南下。
ここまでくれば、幹線道路の喧騒から離れ、のどかな里を縫う快適な道ばかり。
適当にあみだ状に横道を試したりする。
県道39号に乗り移る橋で停まり、のんびり写真撮っていると、後ろから林業関係運送トラックが来て、迷惑そうに除走し、赤バイクを迂回して行った。
お仕事中、すんません。

しかし、いくら気温上昇中といってもさすが山間部には道横に残雪の気配。
県道29号崩落で通行止。
実はこの先の「君ヶ野ダム」というのに行こうとしていたのだが、しかたない。
行き先変更、県道755で青山リゾートに行く。

わ!山道がすっかり冠雪。
そろりそろりと滑らないように、車の轍部分をなぞって踏破。

ふう。やっと雪の山道から脱出。
山影部分の畑に残雪。やはりこの季節、山間部の温度はさほど上昇しない。

青山リゾート到着。

昨年も雪道を踏んでここに来たのを思い出した。

ベンチで持参のコーヒーと自作ケーキ(^^;で腹ごしらえをして、とにかくホテル・シャンベールの日帰り温泉に漬かりに行く。

霧生温泉「香楽の湯」1200エン。
しかし見事に誰も居ない。

日帰り温泉にしては高いが、バブルバス、露天風呂、ハーブ湯、スチームミストまで完全貸切、存分にふやけ放題。
元来、私は長湯がニガテなんだけど、こうなれば各お風呂をじっくり周回、のぼせれば扉の外の露天でアタマを冷やしぃの、時間無制限裸天国。
途中、掃除のおじさんが一回り定期メンテナンスに来ただけで、ついに相客なし。
 
平日のこんな時間に、仰向けに寝そべって広いお風呂に漬かってふやけていると、ふと「こんなことしていていいんだろうか?」と、あやうくたいして根拠もない反省をしそうになる。

お仕事中のヨメや、名阪のトラックドライバー諸氏に申し訳ないと思ったワケではない。
勤勉日本人をしていた20世紀の自分を思い出す。

しかし、私はどこか勤勉ではなかった。
高卒でフリーターしたり、会社辞めて海外生活をしたり、リストラされたり、失業したり。
昔、良く見知った永い、無為な時間の感覚がもう一度蘇ってくる。

結局、まあそういう多分にふやけたヒトなんだろうよ、私は。
風呂から上がり、脱衣場の休憩スペースやホテルのロビーでゆっくり過ごす。
じっくり読める本を持ってきていて良かった。

加賀乙彦「雲の都」全3巻。自伝的大河全体小説。
主人公が軽井沢(追分)の別荘で、愛人と二人っきりで贅沢に過ごしていらっしゃる。
「近くのホテルにとりにこさせ、背広をクリーニングに」か・・・。
富裕の子弟は医者、実業家、代議士、弁護士、芸術家となり一族の富裕をますます彩る風。
 
まあ、私は貧困だが(実は貧だが困ではない)、リゾートホテルの浴場を借り切り、ロビーでバーチャルな富裕をかように遊んでいる。
以上シメて1200エン(消費税込み)ナリ。結構なことである。

ロビーのパンフレットでは、ホテル青山には別の日帰り温泉があるらしい。
次回はそちらだね。
帰路も幹線道路を避け、のどかな県道を大回りして帰る。

三重県道2号線で道を少し間違え、逆方向の坂下集落(酒解神社あり)に入ったら、子供を背負った母ザルが私を見ていたので驚いた。
よく見ると集落入り口の家屋の屋根にサルが群がっている。
別に人から逃げる風でもない。
この家の住人はひょとして、サルのご家族?という気がし、こちらの意識が少々混濁しかけたが、
Uターンして早々に逃げ帰った。


origin: [メナード青山で人生にふやける。] 2010/1/20(水) 午前 10:41
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