奥香肌峡 下北山スポーツ公園(泊)

 三国越林道 [京都/滋賀/三重]


'10 9月19日(日)
9・19(日)
テントを買ったのはいいが、この夏は猛烈に暑く、内部は蒸し風呂サウナ状態。
夕方、バイクで近くを一回りするのが関の山、とてもテントで過ごす気にはならなかった。
そろそろどこかで設置実験をしたい。
よければ、ディキャンプでもしようか、とテント・キャンピングチェア一式を積んで出発。
目的地は最近発見した三重県島ヶ原温泉「やっぶっちゃの湯」付属野外キャンプ施設。
島ヶ原温泉には京都から三重に流れている木津川沿いの国道163で行くのが正式だが、交通量の多い国道なのであまり面白くない。
笠置大橋から対岸の山陵山腹を走る「三国越林道」を伝うことにして、先ずは京都府笠置町へ。
幹線道路は避け、密かにテント設営場所を物色するつもりで山道・谷道の県道184伝いに北上。
しかし、道端ではやはり適当な場所はない。
潅木の中に分け入って野営するようなサバイバル体験をしたいわけでもない。
やはり、整備されたオートキャンプ場でお子様に連れに混じりキャンプごっこをするのが関の山だろうなぁ。
 
笠置町の日帰り温泉施設「いこいの館」で休憩、露天販売台でピーマン一袋50円購入後、笠置大橋からR163を突っ切り、対岸の山に駆け上がる。
・・とよく解っている風なことを書いているが、実は三国越林道、先週まで知らなかった。
先週一人で夕方バイクで信楽まで散歩に行き、帰りに怪しげな道を探検していると偶然入り込んだのがここ。
京都・滋賀・三重の三国を走るので「三国越林道」だとか。
信楽からはR422か、多羅尾(タラオ)回りで帰ることが多かったが、三国越林道でも木津川まで下ってくることができる。
 
 
しかし、9月から来年まで三重県部分は工事中通行止めである。
実を言うと、先週はバイクなら良かろう、とそのまま突っ切り、現場の作業員の方に手を振ると、あっさり手振りで通してくれたのだった。
今回も禁断のこの奥の手を使う算段である(^^;
 
笠置大橋からエグイつづら折れを登坂。
もう少し加茂町よりの府道62号からも登れるが、こちらの坂の方が少し近い。
 
坂を上り切ると、憧れの三国越林道京都府部分にぶつかる三叉路に出る。
きっちりと整備され、そんに勾配もない舗装林道である。
とっかかりがエグイ坂なので車も来ないハズだし快適だが、残念なことに京都府側では眺望が得られる場所はあまりない。木々の隙間から木津川対岸の奈良県の山並がちらりと見えはするのだが。
どうだい、面白い道だろ?車も絶対上がって来ないし。
と誰も知らない秘境の道を自慢していると、途端に軽4トラックが、次いで白い大阪ナンバーのセダンが、そしてマイクロバスまでやってくる(^^;
三国越林道、それなりに知られた林道なんですねぇ。
 
快適な舗装林道の走行を楽しんでいると童仙房・野殿と次第に開けて里道風になり、家も建て込み近代的小学校まで出現する始末。
あれあれ?林道からもう外れて降りちゃったか、と思う。
 
しかし、京都府部分を出ると再び山道風になり、やがて信楽から来る道と合流する三叉路に出くわす。先週はここからから来た。
 
これは信楽狸ではありません。↓
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
←工事中通行止のカンバン。
       ↑無視(^^)
 
 
峠にさしかかるところで工事現場のバリケードに出くわす。
傍らで休憩している作業員の皆さんに、手振りで「通過していい?」と訊ねると、「どうぞ」との応答。
「すんません!」と言いつつ、バリケードの間をすり抜ける。
禁断の道突破成功。
ただし、ちょいとパイトンにぶつけてズラせてしまいました。すんません。

↓通行止カンバンからしゃあしゃあと出てくるヨメ。

峠に展望用東屋があり駐車。絶景。
ただし先客あり。大音量の演歌が流れている。
洗濯物をハンドルに干した、年季の入った125ccが傍らに停車している。
誰も来ないハズの通行止め区間なので、地元の方が東屋のベンチに所帯道具を広げ、くつろいでらっしたようだ。
眺望の写真を撮り、すぐ失礼するつもりでバイクをまわすと、125ccの赤ナンバープレートが見えた。
大阪府ナンバーだった。地元の方ではなく、バイクでのキャンプ・ツーリングの大先輩なのである。
しばらくバイク野営旅行のお話をうかがう。
キャンプ場では宿泊したことがないという、野趣たっぷり、サバイバル野宿の練達者である。
日本全国を周ったといい、ガソリン燃料のバーナーや洗濯ばさみで満艦飾のバイクを見せていただく。
やおらハーモニカまで出てきて独演会になる雰囲気だったので、そろそろ失礼させていただく(^^;
いや、我々ではとてもアノ域の野宿生活は無理、と再確認できたのである。
さて、三国越林道を降りるとすぐ島ヶ原温泉に到着。
「やぶっちゃの湯」(温泉800円タオル付き)でしばらく休憩。
 
併設のオートキャンプ場に行き、見学することにする。
キャンプ場入り口でバイクを止めると、「見学?」と係りの方。
バイクを停める場所を指示していただく。
明るい川原に面したキャンプ場で悪くない。
ディキャンプ専用の場所もあり、バーベキュー客でにぎわっている。
ディキャンプ場とは、林間でゆったりとテントで過ごす場所ではなく、わいわいとバーベキューをする場所のことである、と認識する。少なくともテントを張る場所ではないわな。
 
出口で再び係り員氏と。
「バイク用の値段設定ありますか?」「いや、自動車と同じ。」
「われわれは2台だけど?」「まあ、そのくらいは融通しますよ。」
「川原には降りられないん?」とヨメ。
「ここは岩ばかりで危険で、まむしが居るので。ちょっと向こうのOKキャンプ場なら砂浜で100台の区画があって、きれいだよ。」
と、ヨソのキャンプ場の方を勧めてくださる。
 
キャンプ場の横道に「岩倉峡→」のカンバンがあり、係り員氏に道を聞く。
「途中に車止めがあるけど、バイクなら行ける。涼しいよ。三キロ」と。
そうか、岩倉峡への抜け道があるのか。そっちに行く、と即決。
 
実に面白い道である。
木津川沿いの遊歩道だったに違いないが、もう放置状態というか、誰も使用していない雰囲気。
かなりの勾配に落ち葉が重なっていたり、ドロにタイヤを取られたり、かなりコワい道である。
 
しかも、ヨメはこの道に左折する坂で既にコケてしまっていたりする。
「予備のブレーキレバーは?」
「持ってきてないよ?」
「いつも用意してなきゃ!」
とお叱りを受ける。
 
真ん中に水路まである、なんとも恐ろしげな道だった。
正に禁断の抜け道だね。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
途中ちょいとした土手の広場があり、キャンピングチェアーを出して休憩。
なぜかここだけ整備され、竹や紅葉が植え込まれている。

 

 

 

うむ、テントを設置するのに丁度いい場所じゃないか?
ということで、やっとテントの出番である。
まあ、別に野宿するわけではないが、一度テントを張ってみたかったのだ。

 
テントをケースから取り出し、30秒で設営完了。
実はこれが、新兵器のワンタッチテントなのである。
蚊帳と同じで、上の紐を引っ張れば形になって立ち上がる。
しかも、インナーテントも釣り下がった状態のまま立ち上がるスグレモノ。
充分オトナ二人が寝転べる広さがある。
実際にも、用途は夏場なら蚊帳と似たようなもんだ。
いや、蚊帳ではない。
なんというか、子供の頃、ハエよけに日本のちゃぶ台にかぶせてあった、ワンタッチの虫よけ網のピラミッド。
 
実際にテントに寝転んでみると、これがかなり心理的に居心地がいい。周囲から遮蔽された空間で、虫や雨からは密閉されている。
胎内回帰的快感。何だか安心して眠れる気がする。
ただし、やはりこの季節、まだ蒸し暑い。
うっかりこのまま昼寝してしまうと、熱中症になる。
 
ま、実際に使用しなくても、テント持参というのは何かと心理的に心強い。
遮蔽物のない山中で豪雨に会っても、夜になって道を間違えても、テントを持っていると安心感が違うのだ。
しかも、設営の簡便さ。
ペグ打ちしなければ30秒で立ち上がる気軽さ。
テントは持っているだけで楽しい。
 
と言うわけで、やっとテント設置を実地に実験することができ、満足満足。と悦に入っていたが、次第に曇りはじめ、店じまいして帰ることにする。
この広場が実は岩倉峡からの遊歩道の突き当たりになっているようで、ここからは比較的通行しやすくなる。
しかし、本質的にがけ下の放置された遊歩道なので、軽い気持ちでバイクで入るとエライ目にあうぞ。
落石、落ち枝、ぬかるみの連続で、途中でバイクを回すスペースはない。
「やぶっちゃの湯」の係り員氏は「涼しい道だよ」なんて気軽に言うが、私は勧めません。
禁断の抜け道として封印しておく。
 
ヨメのバイクのブレーキレバーがひん曲がっているので大事をとり、岩倉峡からは名阪道路を避け、下道を走り、月ヶ瀬高山ダム経由で帰る。
途中、雨に降られダムサイトの東屋で雨宿り。
 
テントを植え込み芝生の上で張るという案もあったが、やはり雨には屋根の下で雨宿りが一番。
緊急にテントに逃げ込むという目には、やはり会いたくはないね。




origin: [三国越林道(京都・滋賀・三重)、又は禁断の抜け道(二台)] 2010/9/21(火) 午後 3:20
奥香肌峡 下北山スポーツ公園(泊)