三国越林道 下北山スポーツ公園(2)

 下北山スポーツ公園(泊) [奈良]


'10 9月26日(日)
やっとすっきり秋になったようだ。
 
さ、テント持ってキャンプに行くぞ!
わーい。
 
9・26(日)
バイクの記事はこれ→
例によって、なぜか野菜直売場のヨメの姿から始まるのである。
 
R169号線沿い道の駅大淀。
日曜朝ということで、この大規模野菜売り場は大繁盛。
しかし、本日はキャンプに行く予定。
野菜を買っている余地はないぞ。
ということでイチジク1パックのみで妥協していただく。
 
この大淀町・下市あたりの道路は入り組んでいてよく解らん。ちょいと迷走気味で吉野川を渡り、フルーツロード(広域農道)に。
以降、秋の晴天の吉野路を快走。県道20号からR168に乗り移る。
メッシュのライダージャケットでは肌寒いくらいで、途中でもう一枚シャツを中に着る。
 
大淀町で迷ったので、予定より一時間遅れで正午に十津川村の道の駅「十津川郷」到着。
足湯はあるが、小規模道の駅で野菜売り場がない。昼食予定だったが、ヨメが他を探すことを主張。
 道を歩いてた男性をヨメが問いつめ、道の駅の裏の川を渡って300メートルに日帰り温泉「滝の湯」があることを聞き出す。
 
とりあえず行ってみると、親子丼500エンのカンバンあり。
道の駅より250エン安い。
即決。
 
休憩所の畳の上でいただく、大衆仕様の食事場だった。
 
湯上りのおばちゃんと一緒に腹こしらえ。
 

 

これからR425号(十津川-下北山区間)を走破する予定である。
ネットで調べると、なんと「日本三大酷道」のひとつだそうである。
やばいので私は他のルート(R168か三重からR42))で下北山に行こうと思っていたのだ。
「でも、写真みてる限りは大したことなさそう。行ける、行ける。」と、ヨメが主張したのだった。
 
R425は、前回の下北山村までツーリングに行った際、三重県尾鷲市まで下ろうと思って途中で日没敗退して
引き返した因縁の酷道でもあった。下北山村へ前回・前々回と同じルートで走行するのは面白くない。
よし、R425で行く!、と決めたのだ。
夕方には下北山スポーツ公園に到着していたい。 走破に二時間かかると算段。
 
いざ、出発!
 
なるほど、当然山道である。
 
直ぐにつり橋に遭遇。
ヨメにはつり橋をゆらして喜ぶという、妙な習性がある。
比較的最近、サルから枝分かれした家系らしい。
 
次第に登り勾配はきつくなるが、道路状況は比較的良好である。
 
 
ネットで調べた情報では「ガードレールのない、断崖の一車線道路がつづき、実際に転落死事故があった」なんて書いてあったが、ちゃんとガードレールは全線装備されていた。
 
途中、 瀞峡への分岐点あたりまではバス停まである。
 
車の通行もあり、とても日本三大酷道のひとつ、なんていうオソロシ・タノシ気な雰囲気ではない。
日頃走っているごく普通の山道である。
 
最高部・行仙岳のトンネルを抜け、あまりの平凡さにあくびするヨメ→
 
昨日(9/25)墓参に行くのに越えたR308号矢田山部分の方がよほどスリルがあった。
 
このR308号の暗り峠越え、日本三大酷道には入っていないが、確実に近畿三大酷道にはランクされる有名道路である。
特に、近鉄の踏み切りを越えるのに、線路の横を走らされ、いきなり直角に踏み切りを渡らせられる生駒市部分は、それでも国道か!と叱責したくなるくらい情けない。
 
R425号、よく見ればガードレールはまだ新しそうだ。
酷道の汚名返上とばかり、最近整備されたのかもしれない。
少なくとも十津川ー下北山間は、ただののんびりした山道。
ただ、やたら長いし、当然途中に店屋さんもないので、時間に余裕を持って食事すませてご走行くだされ。 
下北山村川筋の施設群到着。やはり2時間はかかったようだ。
 
スポーツ公園オートキャンプ場チェックイン。
 
フリーサイト入場500円/p
バイク一台300円。
二人で1600円/一泊。
 
日曜日の夕方である。
広い敷地のロッジに家族連れ2組ほど。
2箇所あるフリーサイトにテントはひとつもなし。
 
トイレ・水場がある管理センター棟の奥にウチのサイトを設定。
 
木の下が良かろう。
 
さ、テント設営!
 
 
テントはワンタッチ式で立てるまで30秒。
本日は実際に一泊するので、ぺグを四隅と前室に打ち込む。
 
ヨメは管理センターに行き、地面に敷くダンボールその他を調達。ついでに物置用にイス2脚を借用。
 
懐中電灯(ランタン)忘れた!
殺虫剤も!(←後で発見)
 
オートキャンプ場の管理センターではマキや燃料だけではなく、食料や蚊取線香等ちょっとした小物もコンビニ並みに揃えていて、テントやタープだって貸してくれる。
だから、別に何ももって来なくてもキャンプはできるのである。
 
室内の水洗トイレや、洗面場、流し台やゴミ処理場も完備。
結局、アウトドアといっても、実に便利良く設備された宿泊施設なのだ。
 
まあ、軟弱な私は全くの自然状態で暮らすなんてことはどだい無理。
キャンプ場の管理された自然の中で寝るのが精一杯だろうね。
 
テントのまわりにキャンピングチェア2脚、バイク2台で外側を固める。
陣地内に携帯燃料を置きウチの台所からもってきた小やかんをかける。
林の中で優雅にキャンプ生活!
 
いやあ、ガキの頃からの室内自閉派の私としては、アウトドアでキャンプということをしてみたかった。
テントを野外に設営するというだけで、この達成感!
  
しかし、あまり整理が得意ではないので、テント前室に物の山・下からダンボールがはみ出して、アウトドア生活というより、路上生活者風難民キャンプに近いかも(^^;
 
さて、しばらくがらんとした日曜夕方のキャンプ場の雰囲気を楽しんだ後(実を言うと2組だけとはいえ、球技に興じる子供喚声は少々うるさかった)、身軽になったバイクで近隣探検に行く。
 
R425の下北山川筋に下る直前に不思議な大池があったのだが、キャンプ場のチェックインが先だと思い、素通りした。
 
静謐な気配がみなぎり、太古からここにあったような存在感があった。明神池。
池のほとりに祠と神社(池神社)。
 
池畔の碑に「入る川なく、出る川もないが、水位は常に変らず」とか記してある。
確かに満満と水をたたえていて、翌日観察した下北山川の水位が極端に下がっていたのとは対照的である。
それにこの池、がけっぷちといってもいい地形の上の高所にあり、何か自然の摂理を無視しているようなところがある。
 
池神社に詣でていると、地元のおばさんがやってきて詳しく明神池の由来を教えてくれた。
超自然パワーがかなり強く、昔から不思議な現象が多発しているそう。
 
うむ、ここは大峰奥駈道(おおみねおくがけみち) 、修験道の本場である。
 
そういえば、先ほどこの池を素通りして下界に下り、R169に合流しようとした瞬間、立ちゴケしてしまった。
 
荷物が重いので、静止するとき車体が15度ほど傾くともう支え切れずコケてしまうのだが、明神池の龍神が素通りした私を後ろから引っ張ったような気になった。
池には大きな鯉が群がり泳ぎ、このおばさんは毎日ゆでタマゴを与えに来ているそうだ。
京都の金閣寺の「鯉魚石」をちらり、と思いだす。鯉は滝を登り切ると龍になるのである。
 
池のほとりですごしているともう夜の気配が濃厚になってきた。
テントに戻り、夕食と風呂をいただこうと歩いて「きなり館」に向かう。
キャンプといっても、食堂で夕食を食べ、温泉に漬かっちゃったりするのである。
なんともラクな野外生活。
 
と、思ってると突然雨の気配。
急いでテントにもどり、放置していた荷物をまとめていつでも屋根の下に引っ越せるようにまとめる。
さいわい雨の気配は持ち直し、外のスーパー経由(カップ麺購入)で「きなり館」へ。
豚生姜焼丼600円+うどん定食800円。
うどんはてんぷらうどんで牛蒡の香りがするかやく飯が美味。
 
すっかり夜になって、ゆっくり温泉「きなりの湯」(600円)に漬かる。
 
ぬめりのある湯質であたたまる。
 
露天風呂は夜の闇の中で落ち着いていて、昼間よりのんびりできる。それにテントに帰っても寝るだけである。
 
ゆっくり温泉に漬かり、誰ももう居ない休憩室の大広間でN響アワーを見る。
温泉施設の大広間に流れるシベリウスのVn協奏曲もオツなものだ。
 
テント生活といいつつ、なんだか温泉旅館で過ごしている気分。
閉館の夜10時まで大広間で缶ビールでくつろぐ。
 
テント泊。
夜中2時に寒くなり、靴下・オーバーズボンを履く。
雨かと思ってぎょっとするが、毛布がわりにかけている防寒アルミシートのガサつき音だった。


下北山スポーツ公園(1) 下北山スポーツ公園(2) [奈良] 余呉湖(泊)1
'10 9月27日(月)

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9/27(月)
朝5時過ぎ、何となく起床。
テントの入り口のファスナーを少し下げ、外界観察。
曇っているが雨ではない。木々と葉っぱの重なりがしっとりとして見える。
 
朝の林の中で朝食にする。
 
まあ、初めてのテント泊にしては眠れた方ではないか。
夜中までスポーツ公園の上方の山の斜面のR168を走る深夜便トラックの音が気になったが、これで起きてしまうほどではなかった。
 
携帯燃料で湯を沸かし、コーヒーを入れ、カップ麺を調理する。昨日買ったイチジクも。
 
実をいうと、八時半になれば職員さんがやってくる管理センターでお湯を貰える。
しかし、あくまで自力でお湯を沸かしてみたかったのだ(^^;
食後、バイクでサイトの上の山に登り、北山川や池原ダムを眺めに行く。
 
水位が下がり、水辺に白い土の地が露出して痛々しい。
 
「平成の森キャンプ場」のライダーハウス見学。
3人用バンガローをライダーハウスと命名し、一泊素泊まり2000円で、バイクor自転車乗りに提供している。
これは温泉券付き。
 
テントだと、一人500円+駐車300円、それに温泉代600円で計1400円。
バンガローは冷暖房付きだから、夏場・冬場はライダーハウスが得か。
池原ダムの堤防道路(これもR425号線)をしばらく走り、裏道からスポーツ公園のテントサイトへ。
途中野生の鹿を見る。
 いい景色だけど、この電線、邪魔だね。→
 
テントをたたみ、撤収。
チェックアウトは11時。
 
管理センターでパンフレットをみていると、何と公園中心部「きなりの湯」付近では無料の無線LANアクセスが可能とある。
パソコンやiPhoneがあるとWEBアクセスし放題の住環境。
 
「家賃安いからここで暮したら?」とヨメからご提案。
 
ゆっくりR168で真っ直ぐ帰宅の途。
 夕方までに到着すればいいのでゆっくり走れる。
十津川→下北山のルートを日帰りできないわけではないが、長時間のカーブの連続は非常に疲れるだろう。
 
←道の駅「杉の湯川上」の
裏手。盛んにダム下堤防工事のダンプが往来。
 
夕方近所のイオン・モールで
食べ放題に行く(^^)ときめ、ここでの昼食を省略。
 
最後は道の駅「大宇陀」野菜直売所。→
 
予定どおり夕刻、近所のイオンモールのレストランで食べ放題1299エン/pで飽食(^^)。
 
かくて、テント泊野外人体実験は無事終了。野外テント生活に必要なノウハウや貴重なデータを収集できたのである。
 
雨が降るとダンボールでは対処できない。やはり100円ショップ製ではなく、本格的アンダーシートは必要でしょうなぁ。 
 


origin: [バイクでキャンプ入門@下北山スポーツ公園(奈良) (2台)] 2010/9/29(水) 午前 6:09
三国越林道 余呉湖(泊)1