飛騨高山 青山高原

 せせらぎ街道・板取街道 [岐阜]


'11 5月7日(土)
5月7日(土) 高山駅前スーパーホテルのバイキング朝食は6:45から。
またも5時に目が覚めてしまい、せっかくなので朝食前に早朝の高山散策に出る。
木組みの深いこげ茶と壁の白。
木造建築は古びてくれば木の色が沈み、最終的に黒と白の世界になっていく。
ヨーロッパでも、他のアジアでもない日本の色彩感覚。
 
早朝の人気のない古い町並。
 
円照寺参道→
 
まだユースホステルやってるらしい。
昔、ここに泊まったことがある。お寺の講堂のようなところで畳敷きだった。
 
ユースホステルは、別に年齢の制限はないらしい、と聞きヨメは私に、会員になれば、とお薦めくださいました。
もうこの歳だい、せめて国民宿舎かスーパーホテルになりませんかねぇ。 
←宮川朝市。
 
朝6時、そろそろテントが並びだし、朝市沿いの商店が開き、地元名産の数々で客を呼び込み始める。
 
お茶を出してくれて、漬けものや菓子の見本を味見をさせてくれるたりする。
 
朝市を一周すると、おかげで飛騨名物をひととおり試食できるのである。
昨夜は飛騨牛もいただいたし、飛騨高山グルメはこれで完了ということで。
 
おっと、スーパーホテルの「健康朝食」バイキングに遅れそう。
図書館閲覧室のような向かい合わせの長テーブルで、まずまずの朝食メニューを取ってきて各自いただく。
豪華ホテルの朝食バイキングではなく、実直な内容というか。たとえば、あまり日本では一般的ではないシリアル類は置いていない。普通、ホテルの朝食バイキングでは2時間近く滞空し、一日分のカロリーを補充するのでしばらく動けなくなるだが、スーパーホテルではそこまで行くおそれはない。
うん、「健康朝食」。
飲み物類は朝食時は無料の自動販売機から持ってくる。
 
朝食後チエックアウトと言いたいところだが、実はこのホテル、チェックアウトが無い。
料金は完全前払いで、領収書に印字された部屋の暗証番号で部屋のドアを開く。
従って、フロントで鍵を返して清算という手続はなく、時間内に勝手に出て行くだけ。
なかなか面白いシステムだ。
格安ビジネスホテルというと、どこか裏ぶれた中年ドサまわりサラリーマンのイメージがあるが、ここでは若い女性をターゲットにしている風でもあり、それなりに楽しめた。
ヨメも気に入った風で「60歳以上ならネット予約で30%オフ!、これからはココにしなさい」という。
めでたく、ユースホステルからちょいとだけ昇格させていただきました。 
 
8時半出発。当初幹線のR41で下呂まで行き、午後そのまま名古屋の小牧ICにと思っていたが、スーパーホテルの係りのお姉サンや、駅前ガソリンスタンドのお兄サンの意見ではR41はあまり面白くなさそう。
「『せせらぎ街道』で郡上に抜ける方がはるかにいいと思います」と出光のお兄さん。はい、それで決定。
 
県道73、R271、R472を走りぬけるのが「せせらぎ街道」。
 
終点が郡上八幡になり、これは昨日岐阜に再突入した地点。同じ道を帰るのはおもしろくない。
せっかくテントもってきたのに、帰り道でもう一回キャンプしよう、とヨメがいう。
では、うまく滋賀の余呉湖あたりまで出てしまおうか、と算段する。
 
せせらぎ街道の前半は、桜や白樺の厚い林の道で、ほとんどが枯れ木。
これが桜の満開になると、大変なことになると思われるが、本日は天気も下り気味で冬枯れの野の雰囲気。
 
国道472接続部分の道の駅「パスカル清美」裏→
 
バーナーで湯を沸かし、コーヒー休憩。
整備された公園の渓流で釣りをする人もいる。
 
この街道は、バイクツーリングのメインルートらしく、やたらとライダーとすれ違う。
 
道の駅駐車場で新型のBMWF650シルバーを見る。GSではなさそうで、今まで見たことが無い形だった。
荷物も無くスマートで超かっこいい。
私のGSは今では荷物満載のメタボでBMWの軽4トラックか、というような風情になってしまっている。
若いころはスマートだったのになぁ・・・・
ヨメが合図の三点警笛を鳴らし、急停車。「アレ、芝桜。」↑
山田さんちの芝桜(だったか?)をせせらぎ街道より遠望。
地がピンクに染まっている。へえ・・芝桜ねぇ。初めて眺めました。
道の駅「明宝」駐車場↑。それでも本日はバイクが少ない、とどなたかが言っている。
ここでお土産買い休憩。明宝ハムと、ナンだっけ?
あ、昼食用クロワッサン一袋か。
この道の駅の裏手も木々の色の交錯が見事な公園だった。
 
飛騨山中を降りていき、里道になるにしたがって天候は回復、暑くなった。
山から町にゆっくり下っていく光景は一昨年のフロイデンシュタットからの下り旅程がダブる。
今回の終点はライン川のオフェンブルグではなく、長柄川の郡上八幡。
 
町場で道を迷い、たまたま観光協会前で駐輪。ヨメが町の観光地図をもらってきて現在地確認。
何かウチの大和郡山を思い出させる小さな城下町で、快晴のそぞろ歩きの誘惑もあったが、先を急ぐ。
 
ここからR256のタラガトンネルを抜け、板取街道を南下、洞戸から今度はR418で西に向かい、どこかで滋賀県の余呉湖に向かうR303に・・・・とにかく、急ぐのだ。
 
R256でタラガトンネルを抜け板取街道。
 町場からまた山側になり、途端に交通量の少ない、のどかな道になる。
 
←トンネル抜けた地点の立派な保険施設の庭。
 
駐車・トイレの使用はできません。が、まあ、バイクだから建物にできるだけ寄せれば、少しだけならいいだろう。
 
下のキャンプに最適な川原で昼食。クロワッサンとコーヒー。
 
「で、じゃがいもドーナツ、買いにいく?」
「行きません!急ぐ。」
 で、ここでヨメが立ちゴケ。→
 
「ガソリンこぼれてる。早く起こさんと。コラ!のんびり写真撮ってる場合か。」
 
見知った板取街道を急いで南下。
 
洞戸(ホラド)から今度はR418をずずっと登っていく。
しかし、この道路、途中の峠までずっと道沿いの家並みが続き速度も出せずちょいと閉口。
 
やっと峠で家並みが消え、下ろうとすると「R157福井方面 災害のため通行不能」との標示で、この日一発目の「がああん」。
しかし、R157の途中で県道270に移りR303に行くのでいいだろう。
R157に入って北上。 
←道の駅「うすずみ桜の里ねお」
「ねお」は”NEO”ではなく、「根尾」のことですので。
分かってるって?
 
途中、広大なうすずみ桜駐車場があった。
まだ桜の開花前らしく、全く車は無かった。
日本三大桜のひとつだそうだ。シーズンになると多分この辺りは大変なことになるのだろう。
地図にも「桜の季節大渋滞」と注記されている。
 
道の駅は立派な温泉施設やホテルまである大掛かりなリゾート施設の一つで、山の中に忽然とばかり現れる。
これも桜人気があって初めて可能な立地だろう。 一本の桜が一体どれだけの経済効果を生むのかいな。
 
ま、ともかく、先を急ぐ。ちょいと戻って県道270への分岐点、橋をわたってこれからいよいよ山越え。
福井方向の冠雪が見える。
で、ですね。
実はここで本日の本当の「がああん」が出現。
おい!
では、今まで洞戸からタラタラやってきたのはムダだったと?
地図を確認すれど、他に道はない。
・・・・R157を引き返し南下して市街地に出るしかない。
余呉湖はもう無理。
池田町あたりにもキャンプ場はあるようだ。
しかし、キャンプするなら日没までには着いていないと。
 
予定変更し、R157を南下。
まあ、しかし天気が保ってくれたのでそこまでパニックにはならなかった。
予報では夕方から雨だったのだ。そうなるとナンギなことに。
 
県道40に逸れるつもりが、本巣トンネルを越えてしまい、ついでに道の駅「織部の里 もとす」でトイレ休憩。
のどかな5月の陽光が、もうかなりの西日になっている。
県道40号沿いのキャンプ場2,3を見に行くつもりで、山側に戻る。
だが、ここから広い濃尾平野の外れ付近での大迷走が始まってしまうのであった。
だから、私は町場はニガテである。
 
これ、どこ? 牛洞史跡野古墳公園? まったく逆方向じゃないか。
自転車で散歩中の親子に道をたずね、大谷トンネルを抜け、やっとアテにしていた谷汲緑地公園キャンプ場。
しかし、単なる公園のディキャン場でテントを張れるような場所ではなさそう。
 
午後6時。
「もう、アカンね。帰るか。」
というわけで、やりたくなかったが最後の手段、禁断の夜行高速道路と言うことに決定。
そのまま関が原ICまで行って名神高速で京都・奈良まで行く・予定だったのだが。
夕刻の揖斐峡をかけ抜ける↑
 
高速に乗る前に、と立ち寄った池田町のガソリンスタンドのオジさんに道を聞くと、「奈良なら、大垣市を横切って桑名まで行って桑名北ICから名阪が便利」という。
あ、なるほど。そちらの方が直線的で距離が短いのは確かだ。
都市部を走るのは当初から頭に無かったのだが。もう夜なのでそっちの方がいいか。
「決定しました。どうもです!」と簡単にオジさん説に乗ってしまったのだが。
 
ピタゴラスの定理から帰納すれば、都市部を夕方通過する時間は距離の2乗に正比例するのである。
池田町から大垣中心街を通過、桑名北ICまで50キロくらいが2時間以上かかってしまった。
 
高速を使うと決めたら、すぐもよりの高速ICに乗ってしまった方が早い。
途中名神高速を横切りもするのだが、もう遅い。
大垣ICから関が原ICに行くという、とんでもない回り道になる。
 
夜9時前、ようやく桑名北ICから東名阪自動車道に上がれた。ふう。
ものの10分で快適に「御在所SA」。
二時間に及ぶ市街地交通のフラストレーションを経て知る、有料の意味。
高速サービスエリアの週末の夜の賑わい。
 
←なんとなく、落ち着いて「味噌煮込みうどん」を食べる。
ここまで来れば、後は勝手知ったる名阪道路一本。
あわてずとも、まあ、本日中には家に帰れるだろ。
 
 
亀山SAのベンチで湯を沸かし、コーヒー休憩→
 
実は途中で雨がぱらぱら降り出し、雨の夜の高速道路のバイクの恐怖をちらりと想起させたが、本降りにはならず無事当日中帰還。
いやあ、飛騨高山からいろいろ寄り道しながらも、一日で帰ってきたんだねぇ。
     どうもご苦労サン>ヨメの400cc。
 
 
東名阪自動車道という選択はあまり賢明では無かった、と思ったのだが。
出口でヨメが支払った高速料金は亀山以降の名阪無料のおかげで¥900のみ。
昨日の中部高速がわずか一区間で¥1700だったの考えると大幅な割安感。
関が原から名神・京滋バイパス・京名和道と乗り継いでいたら一体幾らになってたのか?
ヨメのバイクではETC割引にはならないのである。
 
「選択肢が複数の場合、迷わず安いほうを選ぶこと」 (Hemi家 家訓第一条)
 
「・・・つかれたよ」(ヨメ) 
                              GW岐阜県(と、ちょいと福井)入門 完


origin: [GW岐阜県(と、ちょいと福井)入門 (3泊2台) その4] 2011/5/14(土) 午後 3:50
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