上高地・松本 蓼科東急リゾート

 蓼科 [長野]


'12 5月1日(火)
D4 5月1日(火) 松本スーパーH → 蓼科白林台cmp
 
松本駅前スーパーホテルの「健康朝食」を少し期待したのだが、昨年投宿した高山駅前スーパーホテルよりは品数が少なくレベルダウンしている印象。
前回は若い女性の宿泊客で華やいでいたのだが、ここは中年カップルとドサ回り営業マン風男性2名、それにウチトコ、その他というサエない朝食場の光景。
「若い女性は格安ホテル情報に敏感なので、もうとっくにスーパーホテルからクラ替えしてる。」とヨメが分析。
 
まあ、パンはおいしかったし、具だくさんスープはお替りx3したのだが、それ以上はどうも。
ホテル朝食バイキング慣例食いだめ飽食に至らず腹八分。 さすが「健康朝食」。 
スーパーホテル契約駐車場にて、100エンロープでもう一度荷造りし直す。

 
本日はいよいよ憧れの「ビーナスライン」走行日。
 
 

 
ちらりと国宝松本城を眺め、町場のガソリンスタンドで給油し、県道67号で松本市街地を抜ける。
道はのどかな里の風景を越え、次第に山間部に分け入っていく。
 
すっかり山道になったところで「ビーナスラインは左へ」との看板があり、どうやら「よもぎこば林道」伝いでビーナスライン中途の扉峠に誘導されるようだ。
 
この林道の中途にもキャンプ場の看板があり、見学することにする。
 
しかし、ここで雨の気配、あわてて雨具を着込む。

本日より下り坂で水・木と雨の予報である。
 
幸い本格的降雨にはならず、ついに憧れのビーライン中途に三峰展望台で合流。
 
しかし、厚い雲でこれといって眺がきかない。
 
 
 
とにかくラインの頭の美ヶ原に行ってみる。
せっかくのビーラスラインだが、冠雪アルプスが見えなければ奈良県の山間道路とさほど違わない。
しかし標高だけはどんどん上がって行く。
 
標高2000メートル美ヶ原展望台。

なぁんにも見ませんなぁ。
 
が、寒さだけは標高2000メートルをきっちりやっている。
真冬のごとき天候である。
 
 
美ヶ原美術館売店でウロウロ、サンプルの漬物を全種類試しながら暖を取る。
 
昼過ぎになり、多少空が明るくなってきた。

 
ではビーナスライン完全走破に出発。
 
ゴールデンウィークの中日だが、そんなに走行車両は多くない。
天候の故か、それとも?
 
時折、冠雪したアルプスの片鱗が見えたりするのだが、ゆっくり落ち着いて休憩できるほどの気温ではない。
 
霧ヶ峰駐車場付近では猛烈な風も吹く。
憧れのビーナスラインだが、この天候ではとても快適さわやかなツーリングとはいかない。
それに、雨対策の本日の宿舎選定も気がかり。
美ヶ原→霧ヶ峰→車山と走行するが、なかなかコレといった投宿地が見えてこない。
 
やはり白樺湖か蓼科に。
 
急に視界が開け、白樺湖が目に入る。
ゆるやかな山岳に囲まれたオアシスのような湖である。
湖畔には白亜のホテルが林立し、湖畔リゾートの華やかな雰囲気が見える。
あ、良さそうだね。
心なしか、気温も上昇してきたようだ。
       ↑
白樺湖を眺めながら、展望駐車場の下側に降り、斜面の草地で野点コーヒー道具をセットし昼食。

ビーナスラインの北側の山岳地帯では眺望に恵まれなかったのだが、このあたりはなだらかな丘陵の中腹に走る道路が遠く望め、広々とした印象。
あそこ、白樺湖なら適当なホテルも見つかるだろ。
今日は湖畔のホテル泊だな、と算段。
で、ビーナスラインから白樺湖に下るのだが。
何か様子がおかしい。
 
白樺湖への玄関口付近の道路脇には廃材が放置してある。
 
湖畔のホテルの大半はシャッターを降ろし、放置されている。
 
とりあえず、大きなみやげ物屋の駐車場にバイクを停めると、また雨もちらつきだす。

 
建物の後ろに行きとりあえず湖を見る。
 
そこで見てしまったのである。
一人の客もなく、悲しげに放置された「白鳥号」。

わーい、白鳥号だーい、
というお子様遊園のノリ。
しかし、どこにも子供の姿はない。
 
山間の静かな湖畔のリゾートという、遠目で見てしまった多少スノッブなオトナのイメージはここにしてどこかに霧散してしまったのである。

 
ヨメがとにかくみやげ物屋さんで、ゴールデンウィークだけ手伝っているという軽食カウンターのオバさんにホテル情報を聞く。
リーマンショックやその後の経済停滞ですっかり客足が遠のき、現在営業しているホテルはわずか数軒のみという。なんと。
 
それでも一応教えてくれた「まだ営業している」ホテルを見学に湖畔を一周してみる。
 
湖の対角線岸角には名門らしい池の平ホテルがある.。
その立派な玄関ポーチ張り出しの上にも、取ってつけたような白鳥一対が乗っかっていて、何ていうか
・・・苦笑をさそう(^^;
 
要するに白樺湖は賑やかな家族連れのレジャーランドを目指し、日本経済失速とともに飽きられ、見捨てられたのだ。
いや、寂れたシーズンオフのリゾートというのも枯れた通ごのみの趣があり、投宿してもいいかとも思っていたのだが。 それに宿泊料金も随分格安になっている。
 
しかし、気分が次第に萎えていくのは避けがたい(^^;

ふと見ると後についているハズのヨメの姿が見えない。
あわてて、湖畔を往復、姿を探すのだが、どこにもヨメのバイクの影はない。
 
そうか、それでは あれがヨメの最後の姿 だったのか・・・
    白樺湖の怪 ・・・・
 
「ごめぇん!道間違えて上の方に行ってしまったぁ。」とか。
 
白樺湖泊は残念し、最後の望みを賭け蓼科方面へと向かう。
「でも、白樺湖の白鳥号、乗りたかったぁ・・」との私の冗談にもかすかな悲哀の色。
白樺湖から蓼科は下り山道が続き、時間の関係か殆ど走行車両はない。
GW中なのに何だかさびしい。
 
 
山道を降りきり、蓼科湖畔の駐車場にバイクを止める。
 
しかし、相変わらずのみやげ物屋数軒が溜池風の湖畔で営業しているだけの、あまりぱっとしない印象。
 
「蓼科湖」と聞けば静かで深い湖をイメージしてしまうのだが、その実、本当に元は溜池の、区画された小っこい池でしかない。
 
とにかく湖畔の観光案内所で宿を紹介してもらう。
ゴールデンウィーク中だが、そここに空きはあるようだ。
 
紹介してもらったペンションを予約はせず、とにかく見学に行くことにする。
天候は少し持ち直し、陽射しもすこし出てきた。
 
もう一度、山道を登りペンション村に行く。
白樺湖のようなお子様遊園地ではなく、蓼科高原は別荘地として開発されているようだ。
経済情勢の影響ですぐ寂れてしまうというような場所でもなさそうだ。
しかし、中腹のペンション村では廃棄され放置されているペンションも2,3。
 
しばらく、ペンション村を歩いていると天候がかなり持ち直し、どうやら雨の心配はなさそう。
これならテント泊できそうな気がしてきた。
ヨメの顔にもそう書いてある。
 
「来る途中、オートキャンプ場の看板あったね?」
「←大滝キャンプ場 の標示もあったよ。」
「今日はキャンプでいいよね」
「よし!行こう。」
 
道路沿いの「桜ヶ丘オートキャンプ場」の標示に従い、道路から中に入り、勝手に見学させていただく。
広々とした斜面の木々の間に区画がならび気持ち良さそうだ。
管理がいいのか、整然とした印象で芝生ベースのきれいなサイトである。
「うーん、ここ一泊高そうだね。」
「高くてもいい。ここにしよう!」
 
管理棟の入り口で管理人のオジさんが、われわれの気配を見ていたのか、玄関に出て待っていた。
オジさんは、はやる我々を前に、いやにゆっくり説明してくれた。
 
これはトヨタの社員向けの施設だったのである。
「誰かトヨタに知り合いが居れば・・」
ヨメは必死に記憶をスキャンしている風情だが、誰も思い浮かばない。
最後通告のように、既に用意してくれていたらしい下の蓼科湖のキャンプ場のパンフレットをオジさんが手渡してくれる。
 
後ろ髪を引かれる思いで、また山道を下り蓼科湖に舞い戻る。
教えて頂いた蓼科湖畔のキャンプ場を見学。
 
蓼科湖レイクサイドキャンプ場。
フリーサイトの芝生の広場を取り囲んでバンガローが円周に並んでいる。
山間・林間キャンプ専門の私には実に奇妙な眺めである。
せっかくのオジさんの推挙だが、ぞっとしないことはなはだしい。
「桜ヶ丘オートキャンプ場」との落差はことのほか大きい。
すぐ隣に「蓼の花キャンプ場」、その奥に「白林台キャンプ場」。
なんと、キャンプ場が三軒隣接して並んでいるのである。
一番奥の白林台キャンプ場に入っていくと、右手の土手から管理人風のオジさんが現れ、「(キャンプかね?←推測)」と声をかけてくる。
「一人一泊1150円、誰も居ないからどこでも好きなところで・・」
と、話しているとなかなかやってこなかったヨメがやってくる。
入り口で「コケた」そうです。

話しを中断、ヨメの黒バイクを起こしに行き、その後、もう一度見学させて頂く。
造りは先の「レイクサイドキャンプ場」と同じで、芝生をバンガローが取り囲んでいる形。
しかし、もう少し広く、バンガローの形が少しユニーク。
芝生も二面あって双方とも、見事に誰も居ない。
 
「バイクもコケたし、ここでいいか。」
ということで、キャンプ地決定。
大滝キャンプ場も見学に行くつもりだったのだが、もう時間も遅い。
 
ざっと設営し、雨対策もあるので今日は自炊しないで外食と決める。
 
平湯キャンプ場で燃料を殆ど使ってしまったので、スーパーかコンビには行く必要がある。
 
誰も居ない貸切状態なのでいいのだが、取り囲んでいる形のバンガローに客が詰っているとすると、周囲から見られているようで落ち着かないだろう。
 
 
しかし、同じ設計のキャンプ場が隣接しているとはどういうことだ?
白林台キャンプ場の裏から見える、蓼科レイクサイドキャンプ場のバンガローの裏
 
蓼科湖周辺にキャンプ客がぎっしり溢れていた時代もあったんだろうなぁ、とキャンプ場が次々と作られていった当時に思いを馳せる。
 
 
 
 
そんなことより、早くスーパーに。
 
 
図体の大きな赤バイクを残し、黒バイクに二人乗りで教えてもらったJAスーパーを目指す。
 
しかし、どこかで道を間違え、湖を周って元のビーナスラインR152に出てしまう。
教えてくれた道はR192だった?
ま、いいや、どこかで店はあるだろう。
 
しかし、いつまでたっても店はなさそうな地帯だった。
途中のガソリンスタンドで訊ねると、JAスーパーよりイオン系列の「ザ・ビッグ」が、道がまっすぐで分かりやすいとのこと。
結局、茅野市街地までそのままタンデムで走ってしまった。
「ちゃんと道を聞いてたら良かったのに」とヨメが後でぶつくさ。 
ところでスーパー「ザ・ビッグ」は郊外型の超大型店で、広大な売り場面積に圧倒される。
価格もリーズナブルな上、早くも惣菜に半額シールが張られ始めている。
根っからのスーパー好きのヨメにはこたえられないところ。
JAスーパーにしなくて良かったのである。
 
いろいろ半額品を値踏みしたり、たっぷり楽しめた。
↑キャンプに来てまで半額品ばかり買うなよ!
蓼科湖帰還途上の適当な民芸蕎麦屋風で980円の定食x2。

なかなかサービスのいい店で、最初に「そばいなり」を振舞ってくれた。
 
しばらく後で「高菜をお揚げさんと炊き合わせました。どうぞ。」と小皿を持ってきてくれる。
BGMが絶えず流れていたが、全てモーツアルトだった。
民芸蕎麦屋のモーツアルトねぇ。
 
蓼科湖畔では夜桜のライトアップ中 →
 
 
キャンプ場に帰還し、キャンプ場を経営している宿泊施設白林荘の風呂に入りに行く。
 
少し時間が遅く、入浴時間の締め切間際だったが、キャンプ場の管理をしていたオジさんが出てきて、少しぐらい遅れてもいいよ、と言ってくれる。
 
 
 
入浴客は他に誰もなく、今から風呂場を準備するというので、男湯だけ準備してもらい二人で入浴することにした。
 
多分、国道沿いの日帰り温泉の方が施設は良かったと思うのだが、なんせこちらは貸切家族風呂である。
白林荘大浴場無色無臭透明の堂々たる天然温泉(^^; ←これ、笑っちゃいけない(^^;
 
でも、貸切キャンプ場に貸切風呂。 この庶民の贅沢よ。
 
テントに戻り、湯冷めしないウチに就寝。

 

origin: [GW信州野営ツーリング(2台 6泊7日)の4] 2012/5/13(日) 午前 9:44
上高地・松本 蓼科東急リゾート