永平寺・九頭竜 曽爾高原・香落渓

 池田町部子山 [福井]


'12 9月26日(水)
9月26日(水)
国民宿舎パークホテル九頭竜の朝。
朝食前にキャンプ場やスキーピストあたりを散歩。 今年はポンパレで格安バーベキュー付きディキャンププランを出し、サイトの周知を計ったようだが、平日の広いキャンプ場には誰もいない。
私にはこのくらいの適当な荒れかたが非常に好ましいのだ。
 
昨年春には冠雪した山が見えていたのだが、この季節ではちょいと早い。
 
本日中には家に帰らないとイカンので、朝はそんなにゆっくりはできない。
テント泊をやめたのは、撤収荷造りに要するかなりの時間と心理負担を避けようと思ったこともある。
 
元来、キャンプ生活というものは朝からバタバタせず、ゆったりと自然の中で過ごすものだ。
毎日移動し、設営・撤収を繰り返すものじゃない。
しかし、ヨメは夏休みのバイク旅行にあらゆる要素を詰め込もうとし、このあたりのポイントが絞れない困った性格。
出るまでは私の無計画・いきあたりばったりに不平をぶつけるが、一旦出てしまえば私に従って黙って着いてくる以外にないのである。
 
まあ、いつもそんな風にして、その割には常に結構楽しく旅行してきた。
・・・。
昨夜、宿舎のカウンターのオジさんと帰路を協議し、結局2案が残った。
 
岐阜白鳥峠回りで郡上八幡に出るのは昨年の2番煎じなので論外。
R157で岐阜県本巣に抜けるのも、後半は昨年通過した道なので却下。
 
R476池田町から、R417で冠山峠を越え、徳山湖を下り、R303に合流して八草トンネルを通過して長浜市の木之本ICが一番走り甲斐がありそうだ。
しかし、冠山峠付近の道が地図では不通になっている。距離もかなりあってハイリスク・ハイリターンの趣。
 
安全策として池田町からR476でそのまま北陸道今庄ICに乗るのが素直な解だろう。
冠山峠が通行できるのかどうか、そのあたり池田町に行ってから確認し、決定することにする。
ま、池田町に10時までに到着すれば冠越えもアリか、と算段。
8時半出発。
本日もいい天気。
 
昨日は宿舎確保、食料調達が先決だったので、直進したR
158美濃街道を、時々停まりながら、朝の大気の中をゆったりと降下。
本当は今日もそんなに余裕はないんだが(^^;
 
九頭竜峡。
ダム湖からの水量は豊富で九頭竜川の深い緑色が印象的。
 
何とかの滝入り口前で説明パネルを読む。
大河ドラマの清盛に出てくる何とか天皇の皇女何とかが何とかした何とかだそうだが、先を急ぐ。
ヨメはあの人間関係がシチメンドイ清盛を意外と毎回見ているようだ。
 
大野市郊外県道171号。
見通しの良い直線、車の影一切なし。
 
この辺りの農地に縦横無尽・碁盤の目状に交錯して走る農道にて。
ウチの近所でも山や農地はあるんだが、人口密度が全く違う。
ここでは遠くの集落までさえぎるものはなく、広々とした圧倒的な空間がある。
どこまでも拡がる田畑を牧草地と見なせば、ヨーロッパの田舎風とも見えてしまう。 車も少ない上に、一キロ先の対向車だって視認できる。 ちょいとジグザグに農道を走ったりして、これじゃぁ10時に池田町は無理だよな(^^;  
昨日通過したR476の山道のもう一つ奥を通る県道34に分け入る。 宝慶寺までは快適な森林道路だったが、ここから完全山岳道路になっている。   このあたり、盆地を縫う幹線道路以外はすべて同様な山越え道。 おかげで山上から盆地を見下ろすアングルには事欠かない。    
いささか狭苦しい山道にも飽きてきた頃、急に駐車中の車が溜まっている箇所に出る。    
国民宿舎のオジさんも言っていた龍双ヶ滝である。
なるほど「日本の滝100選」か。
 
あまり高さはないのだが、細かく岩膚で襞をつくり、ふたつに大きく枝分かれし、それなりに見事。
 
道路の横に直ぐ滝があり、そのまま階段で滝つぼにも降りられる。
 
ただし、この付近の道路に駐車してはいけません。
交通の邪魔。
ま、バイクならいいだろう。
なんて(^^;
 
しかし、もうお昼近くになってしまっている。
 
池田町で情報仕入れるまでもなく、冠山越えルートは無理だな。
まあ、安全策R476直行でいいか。
 
滝を過ぎれば直ぐ平地になり、池田町に入る。
 
そろそろ黒バイクが空腹を募らせているので、最初のガソリンスタンドに立ち寄って、給油。
ついでに情報収集。
 
実は昨年の岐阜ツアーでも最終日に池田町(但し岐阜県の)のガソリンスタンドのオジさんから情報収集。
大垣越えで桑名東まで行くルートを教えられ、大渋滞にあってエライ目にあった。
 
福井県池田町のガソリンスタンドのオバさんも親切で、店内から地図と役場の通達を持ってきてくれる。
ここでエライことを教えられてしまう。
冠山峠ルートは先週から通行止め解除で、徳山湖に抜けられる。
しかし、安全策と信じていたR476で今庄直進ルートは実は途中で道が切れていて袋小路。
 
給油に来た作業服のオジさんが補足する。
「それ、計画道路」
ええっ?で、いつ完成するんですか?
「永久に出来ないね」
 
しかたなし。他にもう一本北陸道南条ICに抜けているらしい県道203にする。
このオジさん、黒バイクの400cc単気筒という素性をご存知だった。
「バイクなら、この裏の道で部子山(へこさん)に登るのも面白い」と推薦してくれる。
 
ヘコ山?
名前からして、あまり大したことがないと思ったのは仕方がない。
だって、ヘコサンてのでしょう? 
むかし、クレージーキャッツ谷啓(2010没)のギャグに「ヘッコロ谷ヘッコロ小学校」というのがあったのを思い出してしまった。(^^;
 
しかしこの部子山、地図で見ると冠山より高い実に1464メートルの威容である。
頂上付近には牧場もある、というのでヨメが急に興味を示す。
もう、時間ないんだがなぁ・・・
「2,3時間帰るのが遅れてもいい!」 「はいはい」
 
というワケで部子山頂。
というのはウソで、部子山9合目付近。
池田町の「町の駅」でパンとオニギリを買い、袋小路になる県道175と大野池田林道を伝い部子山登頂を試みはした。
しかし案外1500メートルは手強い。
一キロ毎にある道標の13から8まで登り、この眺めで満足し路上昼食。
 
部子山の「能楽の里牧場」を見ることなく撤退する。
帰路にちらりと部子山頂と牧草地帯を遠望することはできたのだが。
今、地図で確認すると、この林道は今朝踏破してきた県道34の「宝慶寺いこいの森」に通じている。
冠山越えの徳山湖や部子山林道等、九頭竜キャンプ場以外にも、まだまだこの辺りに次の課題をたくさん見つけてしまったようだ。 
昼下がりの全体が眠っているように静かな池田町に戻り、県道203を探す。
 
ところが見やすい道路標示がなく、大雑把な地図による方向感だけではどうしても探し出せない。
 
ここだ、と思って乗りいれると老人介護施設だったりする。
施設の職員のオバさんが見かねて声をかけてくれる。
「岐阜に行くなら、そっちですよ」
あちゃ、反対方向だった(^^;
 
 
県道203を教えてもらおうとするが、地元では道路の名前では通じない。
「今庄に抜けたい」と伝えると、「今庄ならここ曲がって出る道を行くと直ぐ」と教えてくれる。
「直ぐ、って何分くらいですか?」とヨメが確認。
「まあ、山越えることになるけど。」
 
この人は親切で、帰り道だからと言って車で県道まで先導してくれた。
ありがとうございました。
 
この県道も結構な山越えで、「別に部子山に登ることもなかったねぇ」という眺め。
 
この峠にログハウス風の建物があり、丁度オジさんが傍にいたので声をかける。
なんとここまで自転車で登ってきたそうだ。
今度白山に登るので、今日は足慣らし、とのこと。
 
この峠から岩谷山(708メートル)を越えれば何とか池。
そこまで行ってきたそうだ。
 
親切で話好きな方で、この辺りがテリトリーの徘徊人。
もちろん冠山、部子山はおなじみ。
われわれが踏破、登頂を残念した特徴ある冠山ピークや部子山上の牧場を見下ろす中吊り風の展望喫茶図をカメラのディスプレイ上に見せてくれた。
おかげさまで冠山や部子山は、ヨメの中では1年もすれば実際に登頂した視覚記憶として定着していることだろう。
ノイシュバンシュタイン城は福井県じゃなくノルウェーだからね!モンブランの対面の。
 
別れ際に、これも持って行き!と、このあたりにたくさん落ちていた栗を集めてイガをむいたのをたくさんいただいた。
またも、というか今更ながらの山岳道路からの眺め。
まあ、幹線道路をさけていたのでこうなるわけだが。
もう、いい加減にして帰路を急がないと。 
山を降り切りると、すぐ後方に北陸自動車道。
南条ICの近くだが、スマートICでETC専用の入り口しかない。
ヨメを道端にポイ捨てて帰るわけにも行かず、自動車道下を次の今庄ICまで走る。
 
午後4時。
後は高速伝いで4時間程か。
 
 
北陸自動車道杉津PA。
おっ、日本海が見えている。
 
地図で確認すると、今回初めて敦賀湾を遠望した県道207のガードレールと地図上では同じ場所だった。
まあ、そういうわけで福井県の南側を一周した、というわけだ。
 
 
多賀SAのエビセン専門店で全種類のサンプルを試食するヨメ。
それだけ試食し検討し、結局何も買わない。
人気一位のエビセン詰め合わせ550円が良かったのに。
 
多賀SAにはスターバックスもあり、ドリップコーヒー300円をいただく。
ウチのコーヒーより濃くておいしく、最近よく利用している。
本当の理由は、レシートを提示するともう一杯が100エンで飲めるのだ。
これは他の店舗でも有効。
 
ヨメが他にスターバックスがあるSAがあるのか尋ねてくる。
「次は姫路だって」
 
もう一杯は持参の保温水筒に詰め、次ぎのPAでいただきました。
高速道路に乗れば、いつかは帰れるので、もう別に急ぐ必要はないのだが、私はどうしても追い越し車線に出てしまう。
 
ヨメは400ccなので、別に追い越し車線に出なくともいいとおもうのだが、後を追って出てこようとする。
 
しかし私との差は自然に開いていき、気がつけばはるか後方を走っている。
後に団子になった乗用車トラックその他を引き連れ、にぎにぎしく殿様行列をやってらっしゃるのである。
 
私は苦笑しつつ左普通車線に入り、ヨメを待って後に呼び込み、追い越し車線を空けさせることになる。
 
最後に休憩した菩提寺PAでコーヒーを飲みながらご注意申し上げる。
「別に無理して追い越し車線に出なくともいいのに」
「左側だとトロいのでやっぱり出てしまう」
「でも、追い越し車線ではキミのおかげで後が迷惑してるようだよ」
え?という顔。
ヨメはバックミラーをまったく見ないで走っていた、ということがここにして判明したのである(^^;
 
この後、私は一度も追い越し車線に出ず、左側車線をキープして名神・京滋バイパスを走ったのは言うまでも無い。
午後7時前、無事京滋バイパス巨椋ICから出る。
この後、京奈和道は片側一車線なので追い越し出るところはない。安心安心(^^;
 
前回と違い、近所のイオンモールで夕食食材を買って帰る余裕があった。
まだ半額引きが始まっていない時間だなぁ。
今回のツーリングはこれにて無事終了。
ヨメは一度もコケなかったのだ。
完璧な越前福井ツーリングの夏休み。
・・・さえ無かったなら。
 

(越前福井ツーリング 1禍2台3泊4日 完)

origin: [越前福井ツーリング 1禍2台3泊4日 (6)] 2012/10/2(火) 午後 4:33
永平寺・九頭竜 曽爾高原・香落渓