白馬東急H | 善光寺 |
白馬東急・栂池 [長野] |
'12 10月15日(月)
10月15日(月)
「今、何時や?」 早朝ハハオヤの声。 別に訊るほどの意味もないのに兎に角、聞かねば承知しないのだ。 窓外の明るさを見りゃ早朝だってことはわかるだろ。 しゃーない、とにかくカーテンを開けて窓外を見るか・・・ かしゃかしゃ・・しゅるっ・・・↓ |
白馬東急ホテル519ベランダ越しの白馬乗鞍岳。
朝日が山頂に当たって輝いている。 本当は左に白馬岳があるのだが、この部屋からでは立ち木に邪魔されて見えない。 前回の宿泊では、逆側のパーキングビュー部屋をあてがわれたので、山は見えなかったのだ。 しかし、部屋はマウンテンビューサイドより広く豪華だったような気がするのだが。 今回はベッド三つ入れてあるので、その印象でも違うのかもしれない。 実はマウンテンビュー部屋を事前に注文していた。 JTB窓口嬢「エースでは常に山側の部屋を確保してます」とか。 営業政策上は大口顧客へのサービスはあるのかも。 宿泊料金(一日分)は個人申し込みの前回の方が高額だったはずだが。 |
朝風呂に入り、憧れのホテル朝食バイキング。
和洋渾然とした食卓。 私もヨメも得意の分野なのだが、ハハオヤも意外としぶとくたくましい。 |
納豆を練るヨメ。
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海苔の袋を破るハハオヤ。
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リゾートホテルの朝のしあわせ(^^;
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九時、ホテルのシャトル便で栂池に出発。
途中の白馬大橋で白馬三山の全容を遠望。
一昨年も、今回もここで初めて白馬岳を見ることになる。
快晴ですね。
うれしいね。
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栂池ゴンドラ。
地上の紅葉はまだだが、山頂では盛りであるとの情報。
紅葉のタイミングを見計らってこの日程にしたのである。
次の日曜は私の所属合唱団の演奏会、ヨメは会社の慰安旅行(演奏会は欠席)で、何かと忙しいのだが、タイミングとしてはここしかなかった。
しかし、なんでこの時期にわざわざ演奏会をやるんかねぇ。アマチュアなのに。
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1000メートル付近ではまだ紅葉たけなわとはいかない。
いやぁ、しかし、すがすがしい光景ですねぇ。
ゴンドラ・リフトを乗り継ぎ、ハハオヤも自家用車で皆さまにご迷惑をおかけしながらも遂に栂池自然園に到着。
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紅葉たけなわである。
しかし山上のことゆえ、ちょいと雲が出、光が影ってくると色彩がくすむのはいたしかたなし。
いやあ、どうですかい?
標高2000メートルの山と紅葉の中のハハオヤの不気味な笑み。↓
「不気味な」という形容に意味はないのだが、語調上挿入してます(^^;
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これで満足してくれたと思わねば、我々のここ一月余りの下働きも徒労になる。
どうだろうか? 84歳の老母に対してのメンテナンス、よくやってると自己評価してもいいんじゃないかい?
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実を言うと、ハハオヤには栂池自然園の入り口付近まで連れて行けばいい、と考えていた。
ゴンドラ・リフトからの景色だけでも良かったのだ。
しかし、ハハオヤは意外に意欲的で栂池自然園トレッキングコースに自家用車で乗り入れ、元気に運転していく。
ヤル気になれば、それなりに出来るのだ。
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結局、栂池自然園全体の三分の2地点まで歩きとおした。
中間地点からはハハオヤの自家用車の車幅が湿原上の木組みコースと合わず、杖に乗り換えることになるのだが、しかし、我々の事前の思惑よりはるか遠くまで到達してしまったのだ。
この自信に満ち溢れた84歳の野望にみちた視線の先を見よ。
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で、低速自家用車乗り入れで狭い板敷き道路を占拠し、多くのトレッキング客の皆さんにご迷惑をおかけした。
すれ違うたびに「すみません、お先にどうぞ」とか弁明するのだが、平日の山上は大半が年配客ばかり。
皆さん、逆にこちらを気使ってくれるのである。
「オバアサン、お元気ですね!」
「おいくつですか?がんばってますね!」
とか。
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すると、このハハオヤ、さすがにヨメの親だけのことがあり、おだてられるとますますいい気になって元気に歩きだすのである。
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そのうち、私の弁明口調も次第に場慣れていき、次第に見世物口上風にまとまってくる。
「84歳です。
三浦雄一郎の向こうを張って、今度エベレストに押し車で登るので、トレーニングやってま〜す。」
ある集団が追い越していき、追い越すとき口々に声をかけてくれる。
大半が笑顔で追い越していかれるのだが、
最後尾に男性がいて、何か言いよどみ、笑顔がくずれてしまっている。
どうやらうまくコトバが出てこないようなのだ。
ようやく「死んだ兄を思い出します・・」と我々に言い、足早に通り過ぎる。
様子がおかしいので、視線で追う。
この人は数メートル歩き、中腰になって嗚咽してらっしゃるのだ。
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私にも男性の心情が伝わってき、ヨメの目も赤くなっている。
標高2000メートルの秋景色があり、この時期にしか見ることが出来ない。
こういう光景を見る機会は一生のうち、そんなにはありえない。
そう思ったとき、自分だけが見ているということで完結できない思いが募ってくる。
あの人にもこの光景を見せてあげたい、という人間としての共有感覚が立ち昇ってくるのである。
正にその感覚が我々にあったのでハハオヤはここに居るのだし、その形を察した男性には、果たすことのできなかった故人への思いが愛惜となり突然噴き上げてきたのだ。
死んだ兄に贈ろうとして、ついに発することができなかった言葉。
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自然の光景は、人間の奥底にあるそのような情念まで時に引き出すことがある。 |
標高2000メートルでは湧き上がる雲が遠くの紅葉に幽玄の陰りを付け足していたが、リフトから真下にみる光景は色りどりの陽気さである。
ハハオヤも先日テレビでみた「岐阜の紅葉」とも違ったナマの紅葉が堪能できたことだろう。
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まあ、ここでヨメに言わせればチチオヤにも見せたかった、となるのだが、それはいたしかたのないことだ。
チチオヤは明日行く、善光寺で我々を待っている手はずになっている。
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首尾よく、14:00に栂池リフト前でホテルのシャトル便にまに合い、うまく予定をクリア。
ハハオヤが何処までいけるのかわからなかったので、ホテルの送迎シャトルの時間に間に合うのか、逆にハハオヤに付き合って、栂池自然園のいり口でじっと只時間を待っているのか、予測できなかったのだ。
うまくいきましたネェ。
これで早くも旅行の半分が完了。
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とはいえ、ヨメと私はそう早々と予定終了するワケにはいけない。
ホテルの部屋にハハオヤを置いて、八方の民宿街をひとまわりする。
夕方は曇り。
いくらか寒くなってきた。
みやげ物屋、物産店でおやつ等の仕入れ。
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ヨメは栂池自然園のトレッキングコースで、ハハオヤの手を引いていて、自分が通路の板敷きを踏み外して脚を打ってしまった。
しかし、このときはそんなに痛みを感じず、散歩に出たのだが、どうやら歩いているうちに痛み出してきたようだった。
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本日の夕食は和食レストラン「万葉」。
連泊なので、昨日とは変えてみた。
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やはり和食の方が落ち着くか。
しかも、ハハオヤ用には2500エン増しのアップグレードコースを注文してある。
もちろん、実際にハハオヤの膳から肉を捕食するのは私だが。
和食レストランの内装はいいのだが、今写真をみると私の後側、窓の外の蛍光色のイルミネーションが安っぽくて、日本食とは合っていないようだ。
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ここでヨメのにこやかなお姿も掲載したいのだが、このとき痛めた脚がかなり疼いていたらしい。
レストランから出ようとして、もう歩けないことが判明。
急遽車椅子を手配してもらう。
もしかして、骨にヒビでもはいっちゃたのかも・・・。
うん、何事もいいことばかり続くことはない。
少々暗然とするのだが、自家用車で部屋にかえるとハハオヤと、その前をレンタカーですっ飛ばすヨメのカーレースを後ろから目撃し、思わず噴出してしまったのも事実である。
origin: [ハハオヤ連れて三人三泊信州旅行 (2)] 2012/10/23(火) 午後 1:29
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