善光寺 篠ノ井

 篠ノ井中尾山温泉 [長野]


'12 10月16日(火)2
信越本線・大糸線10分で篠ノ井駅着。
 
ひなびた山間の温泉だろうと期待はあったのだが、どうもありきたりの地方小都市風の駅前。
見える山並もアルプスとは程遠い裏山風。
 
駅の窓口で「中尾山温泉に行きたいんですが・・」とタクシー乗り場を聞くと、どうもこの温泉名は初耳の様子。
どのみちタクシー乗り場は駅前商店街の方にしかない。
 
タクシードライバーのオジさんに「中尾山温泉まで。 ええっと、松仙閣に。」と告げる。
すると「まあ、そこしかやってないからね」とおっしゃる。
もとより三軒くらいしか宿がないマイナーな温泉だったが、今では松仙閣一軒しか営業していないそう。
土地の人の宴会なんかに使ってたが、最近インターネットに出してるらしく客が遠くから来るようだ。
土地の観光?別に・・恐竜館?ああ、恐竜が放し飼いに、いや、もちろんホンモノじゃなくて、云々。
 
おいおい、わざわざ来たけど、そんな遠くから来るようなところではないんじゃぁ? と、企画者のヨメをチラリと見るのだが、本人は「まあ、安かったんで」と割り切りきった様子。
たまたま篠ノ井が帰り道だったので、途中下車で済んだのだが、逆方向だとどうだったろう?
中尾山温泉・松仙閣着。
 
懐かしい昔風の温泉宿。
昔、修学旅行で泊まったことがあるような。
継ぎ足して階段だらけの廊下、たばこのヤニ臭が消えない部屋。
破れて金具が出て危険な座椅子。
いや、値段にしてはなかなかの設備ですよ。
ただ、昨日までのホテルとの落差が半端ではない。
しかし、半端ではないので返って落差を楽しむ気もなくもない。
 
ハハオヤは、階段を別にすれば、どこでも同じ風だし、ヨメはポンパレで安いの見つけたと自讃するだけだし、ま、私も高級ホテルには居心地の悪さを感じてしまう育ちでもあるし。
 
窓外の景色は裏山に別棟の屋根だけ。
温泉は大衆迎合風昔豪華なうたせ湯と小さな露天風呂。
 
露天風呂には「お見合い神社」があり、女湯から男湯が覘けるという何とも評価しずらい趣向がある。
私はバカバカしいので直ぐ出てしまったのだが、ヨメは相客と一緒になって男湯を覘いたらしい。
 
「で?」
「誰も居なかった。 オットちゃんの鳴き声で呼んで、もしコレ聞こえたらウチの夫が絶対何かしてくれるハズ、と一緒の人に言ってたんだけど。」
むむ、そりゃ悪いコトした。
夕食は豪華「ハーブ鶏鍋」。
写真がないのでこれは朝食→
 
一階にある風呂に入ると、ハハオヤをいちいち三階の部屋まで上げられず、そのままカメラを持たないで夕食部屋にいった。
昨日の白馬東急ホテル・日本料理「万葉」ではてんぷらが出なかった。
ここではちゃんとてんぷらも出、食事から見るコストパーフォーマンスには文句はない。
「万葉」のかわいいグラス一杯生ビール980円。
ここのアサヒ・ドライ中600円
 
たたみの部屋での食事で、愛想のいい、返事のノリのいい仲居さんが出て行ってしまうと食事座敷に三人になり、レストランよりは寛げた。
私はアルコール・エンジンでハハオヤにハイデガー哲学の真髄を講義し、ヨメは横でごろ寝する。
最後には、鍋のスープを継ぎ足してもらいオジヤにする。
私は飽食できれば常に満足する、素朴な舌の持ち主である。 
 
←玄関ロビー脇にある「ラウンジ」
カラオケ装置とカウンター。
朝食後はここで無料のコーヒーが飲めるのである。
 
 
 
部屋に帰ればちゃんと布団が三組敷いてある。
テレビを点けていると、ハハオヤとヨメはごく平和に眠ってしまう。
しかし、隣の部屋で男8名のグループの宴会真っ盛りである。
 
いやあ、安宿(値段的に)の真髄、聞こえてくる隣の宴会ですなぁ。
私は他の人間の発する気配があるともう眠れないのだが、この母娘の睡眠には別に支障がないようだ。
 
夜、23時の状況では:
 隣の宴会の罵声 
+騒音消しにつけているテレビの音
 
+ハハオヤのいびき
+ヨメのいびき
というすさまじいことになって、さすがの私も吹き出す以外にない場面にも至ってしまった。
 
24時になり、頃はよしとばかりフロントを通じて注意してもらったら、ピタリと宴会は終焉した。
阪大サイクリング部よりはよほどマシなグループである。
まあ、アルコールが入ってれば誰でも眠いだろうから、自分では言い出せないが皆そのようなお開き宣言を心待ちにしていたのかも知れない。
 


origin: [ハハオヤ連れて三人三泊信州旅行 (4)] 2012/10/25(木) 午後 2:00
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