長島・牟田池 観音池・志布志

 えびの高原 [宮崎]


'13 9月27日(金)2
(前項からの続き)
 
県道40は直接鹿児島空港に繋がっているわけではなく、またも迷いつつ大回りを余儀なくされ、やっと鹿児島空港の上辺をかすめ、R223霧島高原線にとりつく。
 
5時過ぎ霧島高原着。
名高い温泉・保養地だが、少し町場の雰囲気があり過ぎるきらいもある。
 
キャンプ場は広い芝生の野球グランドのような区画だった。
広大だが街区の隣で開けすぎている。
テントの影は一つもないので、こんなところで野営したら周囲からは非常に目立つだろう。
 
管理事務所兼日帰り温泉に行って料金表をもらう。
「今ならバンガローに一人3000円で宿泊できるキャンペーンやってます」ということだが、もっと上、宮崎県側のえびの高原キャンプ場に行くことにする。
露天風呂200円は安いと思うが。
 
霧島高原→えびの高原はまったくの登り山道で結構時間がかかった。
途中、道路わきから白煙が立ち上り、硫黄臭が漂っているところ数か所通過。
えびの高原着、6時前。
いかにも高原らしい鄙びた林間キャンプ場である。
で、かなり寒い。
鹿児島市内で昼間30度は
あったハズだが、赤バイクの温度計では15度。
 
出てきたキャンプ場の管理棟のおジさんに、ヨメが「寒いですねぇ。夜はどのくらいまで下がるんですか?」と尋ねる。
おジさんは「夏は天国だよ。」と少し外したところからご回答。
 
 
しかし、今更山道を霧島まで下る気にはならない。
それにあっけらかんとした霧島キャンプ場よりはよほど本格キャンプ場らしい。
「寒いけど、頑張ってみます。」と寒さにはめっぽう弱いおヨメちゃんが決断。
 
例によって我々だけ、と思っていたら管理棟のすぐ近くに一人用テントが設置してあり、駐車場にスーパーカブ型バイク一台駐輪してあった。
 
管理のおジさんはしきりに一泊だけなら管理棟の近くにしたら、と勧誘するのだが、サイトはかなり広い。
 
斜面上方の林の中に設営することにする。
 
お風呂はキャンプ場に隣接している位置にある「えびの高原ホテル」の温泉浴場を100円引きで利用できる。
 
管理人のおジさんは親切にもお風呂にいくなら車で送ってくれるらしい。 
我々はキャンプ地からは黒バイクに二人乗りで探索・買い出しに行くことにしている。
もう暮れてしまった周辺を探索するが、結局ホテルと中央の売店・集会所くらいしか施設はない。
 
集会所ではどこかの企業の接客研修中らしく、「いらっしゃませっ!」という大合唱が聞こえていた。
 
ホテルはツーリングマップルでは「国民宿舎」となっている。
ここも近年国民宿舎からホテルへのグレードアップを果たした模様。
 
しかし、今は堂々たるロビーのあるリゾートホテルの風格。
管理棟のおジさんはロビーで新聞を読んでいた。
 
先ほどの社員研修の女子社員連中が温泉に入っているかも知れないので、ヨメにデジカメを託し、女湯のデバガメを代行してもらうことにした。
おヨメちゃんも何か乗り気で勇んで盗撮に行ってくれた。
 
男湯もそうだったが、結局誰もいなかった(^^;
 
豪華な施設で、霧島連峯の一角を望む露天風呂付。
これで日帰り500円、キャンプ場提携割引で400円とは安い。
ウチの地方の同クラス青山リゾートホテルだと1200円のところ。
風呂の入り口前の休憩スペースの隅のソファーに目立たないように先客男性が一人いたが、われわれが入浴終わってもやはり微動だにせず、本を読み続けていた。
よく見れば足元にカバンがあり、宿泊客のゆかた姿ではない。
 
そうか。 彼がキャンプ場の物言わぬ先客だったのだ。
温泉に入り、ひたすら眠るまでホテル内で読書してすごす。
翌日朝、既に彼のテントの形跡はなく、通過した韓国岳の登山口に鹿屋ナンバーのバイクがあった。
 
ゆったりと過ごせる余裕の宮崎県立のホテルだが、素泊まりプランなら従来の国民宿舎並の値段に抑えてある。
キャンプ泊よりコチラに素泊まりした方が良かったか・・・
 
しかし、最終日でお米も残っているのでキャンプしなければ。
理由にはなってないが、ま、とにかくキャンプでカレーを食べるのだ。
 
食後、風も出てきて少々不安になる。
おジさんに指定されたとおり、水場近くのトイレではなく、管理棟近くのトイレに行くと、おジさんが「やっぱり」出て来て我々を見ている。
 
「寒かったら、コチラに来て温まっていったら?」
 
 
管理棟のおジさんの居間にはマキストーブがあり、お茶をよばれながらいろいろ話を伺う。
退職後、体がなまるのでこの仕事を見つけた。
春からキャンプ場を閉める10月末までずっと管理棟暮らしで、週に一回家族がえびの市から食料を持って上がってくる。
夏は涼しくて山を下りる気にはならない・・等。
 
暑い九州で、地上よりは10−15度も低いえびの高原住まいは確かに「天国」ですね。
ただし、明日はえびの市主催の100名の「山ガール」が押し寄せ、戦争のように忙しくなるとか。
トイレ清掃とか、あまり天国的ではない仕事もあるので、そんなにも甘くはなさそうだが。
人数がすくなければトイレは一か所しか開けないのも道理・・・
 
すっかり温まり、テントに帰って就寝。
幸い、風も収まりそれ以上寒くはならなかった。
origin: [九州ツアー 7泊6日 (赤+黒)(6の2)] 2013/10/8(火) 午前 2:55
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