針テラス やまなみロード

 信貴山観光ホテル [奈良]


'14 8月23日(土)
8月23日(土)
天候も持ち直したので午後ヨメの提案に従い赤白バイクでお墓参りに行くことにする。
私は別にお墓に行って両親に挨拶するような習慣はないのだが、世間の慣習に従い墓参を口実にして日頃行かない近隣の道を走るのもまた一興。
 
ウチの墓、どこだっけ?覚えてるかな。
 
生駒・信貴山系の麓にある兄宅の近くの丘だったはず。
 
とにかく、新車白バイクで近道の酷道308号を上るのは避け、松尾寺参道から法隆寺ccに抜ける裏道をとおり、法隆寺の裏山にあたる白石畑を抜け、竜田川沿いの平群(へぐり)地区へ。
 
私が欧州放浪から尾羽打ち枯らして帰国し、住所不定無職をやってたとき、まだ存命だった父に会いに行った。
 
その折父が自分で設立した墓に連れて行ってくれた。
「お前も死んだらココに入れたる」と。
 
既に中年、家族もなく、職も住居もなかった私は、世界中でこの小さな墓だけが私に残された唯一の場所なのかと思い、父と別れてから、もう一度その墓に行った。
 
夕暮れの墓地に立すくみ一人でしみじみと泣いた。
 
あれから30年。
すでに同じ墓に入るには本家とは随分遠くなってしまった私には、その思い出だけしか墓参の意味はない。
 
「お墓詣りに来るのにそんなビーチパラソルなんか持ってくるからお兄さんに叱られるんでしょうが!」
「かもね。」
別にふざけているつもりはないんだが。
世間に合わせるには未だ修行がちょいと(^^;
 
今にも降りそうな雲行きで、生駒・信貴山系の上には怪しい雲が架っていた。
しかし、雨の気配がしただけで雲の切れ目からは明るい光が見えている。
 
山の中腹に白い一本の道が見える。
信貴フラワーロードと称する広域農道である。
「じゃあ、久しぶりにアソコ走ろうか!」「賛成!」
 
平群町営火葬場から信貴山道路をつなぐ広域農道だが、幹線道路を繋いでいるわけではなく、大した接続があるわけではない5キロばかりの山腹道路。
しかし比較的整備されていて山腹からの眺めもある格好の穴場バイクロード。
わざわざ走りに行くような長さではないが、信貴山道路に繋げば観光資源もいろいろ発見できる。
 
なかなか快適に楽しく走れるのだが、しかしあっという間に信貴山道路に出、更に信貴山を登っていくと信貴生駒スカイライン(有料)起点(終点)に繋がる。
残念ながらこの有料道路はバイク通行を認めていない。
 
手前を左折し、少し下って山岳道路をしばらくいくと農業公園「信貴山のどか村」。
のどか村の駐車場に着いたが、丁度5時閉園時間でトイレ売店のシャッターを閉めているところだった。
え?もうそんな時間?
 
「じゃあ、今まで行ったことないけど信貴山観光ホテルに行ってコーヒーでも?」
信貴生駒スカイライン入り口の手前にいつも見えているのだが、野点コーヒーを旨とする我が家は滅多なことでは喫茶店なんぞには入らないのである。
 
しかしまあ、本日は墓参帰りでもあるので・・というよー解らん理由でホテルに向かう。ホテルなら喫茶室くらいはあるだろう。トイレも。
細い門前商店通りを入っていくと、信貴山観光ホテル玄関前。
表に出ていた案内の背広のおジさんが「ご宿泊の方ですか?」と声をかけてくる。
もう、コソコソ逃げ出す訳には行かない。
「いえ、コーヒーが飲みたいんですがバイクどこかに置けません?」
と尋ねると玄関脇の前庭に場所を空けてくれた。
いかにも観光ホテル風の玄関を入りながら、チラリと出ている喫茶の案内を見る。
「コーヒー500エン、ホテルにしては安いよ!」
「ホッ(^^/」
 
「コーヒーゼリーなら450エン!」
「あ、それにする(^^;」
 
 
ホテルのロビーに隣接する喫茶室は信貴山の緑が豊かに展望できるなかなか落ち着いた場所だった。
 
週末土曜日だというのに混んでもいず、静かな雰囲気。
さすがホテルの喫茶室というリッチな気分も少々。
 
その中にも古い観光ホテルというレトロな気分もどことなく、室内やカウンターのおネエさんから(^^;漂って来たりしてすっかり気に入ってしまった。
 
しかも、都心のホテルの喫茶室では考えられない、サービス料・税なしの明瞭明晰みんなニコニコ内税ぽっきり料金。
 
しかも、喫茶室ご利用の方は併設の「信貴山温泉」に800円で入浴できるそうだ。
ちなみに食事すると入浴料は500円に。
しかし日帰り料金というのはなさそうで、本来的に宿泊客専用温泉らしい。
つまり1300円で温泉観光ホテルの露天風呂に入浴できてコーヒーが飲めるのだ。
日頃のっ原で、地べたに座って自前のコーヒーを飲んでいる我々には夢のようなコーヒータイム。
しかもこの料金なら、私の守護神「小僧の神様」にすがるまでもない。
おネエさんに撮ってもらった写真をここで掲載したり、無料WIFIでFBにアップしたりして宣伝にこれ努めてますからね。
 
いやあ、タマにはいいねぇ。
と言いながら入浴は本日は割愛させていただき、次回のレポートと致しますので。
 
後でこの界隈少し散歩したのだが、古い温泉街のような風情もあり、重要文化財の橋→もあり、なかなか観光資源は豊富。
さすが古くから有名な信貴山である。
松永弾正さんもこの辺りで朽ち果てたはず。
 
信貴山からの帰路もフラワーロードを帰ったのだが、夜になりかけると地上が少し賑わって来ていた。
これは大阪天王寺方面への奈良県の玄関、王寺方向。さすがの人工密度。
 
こちらがもう少し平群よりの下界。 正面の川が竜田川。
 
左がハザードランプを付けた赤、白のバイクで右が・・
 
 
何してるん?
 
「ゴキブリが歩いてる!」とか、らしいです。
 
 
origin: [裏盆墓参と信貴山観光ホテルで喫茶 (赤+白)] 2014/8/25(月) 午後 5:34
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