かもきみの湯 富士・オルゴールの森

 富士・川口湖 [静岡・山梨]


'15 3月11日(水)

というわけでカトマンズより敗退。
早春性鬱をなんとか調教し、ヒマラヤトレッキングで死ぬ覚悟を決め、アドレナリン無理やり満タンで関空に乗り込んだというのに、それはないだろ。
キャンセル関係の事務手続きもあり、旅装をさっさと解く気になれず、関空から深夜タクシーで大阪のアジトに転がり込んだまま、中途半端に無為な日々を過ごす。

まあ私のことはどうでもいいが、長期休暇を会社に申請し、5年に一度の海外遠征に意気込んでいたヨメはこの不慮の事態をどう収めるのか?

という経緯があり、この際大阪アジトの主、ハハオヤも引き連れ、ええい、富士山でも見に行くか!となった次第。
実を言うとハハオヤメンテナンスの富士見企画は一昨年来より密かな合意があったので、三者とも異議ないところ。

この際だから大手旅行社任せの豪華大名旅行でいいと私は思うのだが、ヨメはネットで直接宿を予約した方が安いとか主張、新に発見したアジト近辺のインターネット喫茶に入り浸り、情報検索に持て余した海外遠征モードの高揚をぶつけて散らすとかちゅう始末。

かくて翌週天候を見計らい、新幹線で出発。

3月11日(水)
国内旅行企画担当のヨメの立てた日程に従い、新幹線のぞみで名古屋、こだまに乗り換え新富士駅で富士急バスに乗り次ぎ、河口湖の予定。

早朝、大阪を出たのだが、この日関ヶ原以遠で線路に積雪が残り、名古屋到着遅延。
2時間に一本の富士急バスの午前の接続を既に逃すハメになる。
ま、それはそれで新幹線・新富士駅でお昼にすることと修正。

新富士駅着12時過ぎ。
駅ホームから富士が見えるのだが、雲に覆われ全容は不明。

名古屋から各停鈍行こだまに乗り換えたのだが、豊橋・掛川とか15分毎に停車し、しかも毎回ひかり・のぞみ2本ずつに抜かれ、ただ車体を震わされて待つというふがいなさ。
静岡までひかりで行けばどうだったのか、とか無為の追い抜かれ停車中に考えてしまう。
まあいい。急ぐ旅でもない。
新富士駅前で何か食べようとしたのだが、町はずれのただの道路道で食堂関係はなさそう。
駅をひと回りし、駅構内の軽食と和食レストランしかないとの結論を得る。
で、結局駅売店で日本語でいうサンドウィッチと寿司パックを買って3人でシェアという、いつもの昼食パターンになる。
あ、こんな調子で続けていけばいつまでたったも富士は見えてこない。
この辺り、公開ブログを止めた現在の野外徘徊書庫のコンセプトを問い直さねばならないところ。

ハハオヤの顔は素顔でヨメは黒ベタ隠しだが、完全私家版なら黒ベタも不要、というものだ。
しかし一応ネットには乗せるので、とか。云々。

なんだか中途半端なまま、ずるずるとこのまま生きていくしかないのか。

以前からハハオヤの顔は無修正の素顔で公開していたのが、この理由もよく解らん。
プライバシーという面では同等のハズだが、どういう訳か?
この人には素顔を晒しても別段弊害はあるまい、とかの無意識な判断があるようだが、はて?

私自身はと言えば、素で晒したり、ボカしてみたり。
良く考えればささやかなネット自己顕示の場であるブログなので、それなりに撮れていれば素、そうでなければボカすか、豊齢線を修正するかとなる(^^;
ここで見えてくるのは、必ずしも現役サラリーマンのヨメのプライバシーの保護が主眼というのではなく、どうやら素顔を晒すにはしのびない・・という隠れたアーギュメントがクローズアップされてくるわけだ。
それが証拠に例外的に無修正の素写真を晒している過去ブログ記事もある。
どこかな(^^)/

ちなみに、私の顔は『案外まともだが、ヨメハンは不XX』というのが2チャンネル某スレッドでの評判だった。
ほっとけや!というもんだが、下らん事で大騒ぎするのは平和の国の幼生成熟社会の習いである。

こんなことをやってるといつまでもたっても富士は見えてこない。

ようやく新富士駅前から富士急バス「富士駅・河口湖駅」行きに乗り込み、いよいよ2時間の路線バスの旅となる。
乗り込んだ時は始発なので、数組だけだったが、在来線富士宮駅までは完全に地元の路線バス仕様で、バス停は多いわ、信号待ちは頻繁にあるわ、で一時はどうなることかと思ったが。
郊外に出ると地元の方はあらかた下車してしまい、急に旅行者だけの観光バス風になった車窓から、見えてきましたね。
それまでも家々の屋根越しにみえていたのだが、雲が多く、ただ見えていたというだけで。

なんと、くっきりとした青空に雲の帽子をきっぱりと取って、富士が我々に挨拶をしてよこす。


朝霧高原付近。
町中走行中に、家の隙間から見えればその度にパチパチシャッターを切っていた、アレは一体なんだったのか!
多分、駅から同道していたタイ人親子に刺激されちゃったのか?
中国人観光客が多いとは予測していたが、案外タイからの観光客方も多い印象。
ビザ申請緩和政策の効果は顕著のようだ。

終に観光客でごった返す河口湖駅到着。
富士急バスによる2時間強の行程も思っていたよりもラクにクリアできた。
河口湖は八王子から2時間で来ることが出来、顔が東京に向いているのは否めないのだが。

ネット予約した宿に連絡、10分足らずで迎えが来、10分足らずで宿に到着。

ホテル「みずのさと」の河口湖に面した部屋。
通常の和室とバルコニーの他、ツインベッドが設備されているスペースもあり、スィートとまではいかないが、かなり大き目の部屋。
宿泊者も少なく、がらぁーんとした印象だったが、目の前に拡がる河口湖の明るい景観が秀逸で思わず歓声が上がる。


ネット予約で格安の割にはいい部屋じゃないか?
本日はもう外に出る予定はなく、温泉に浸かり、個室で夕食を摂り、また温泉に浸かりで第一日目終了。

浴場は広くて明るく、何よりも他に誰もいないという貸切状態、男女湯とも(^^)/
なかなかいいホテルだが、あまり集客に熱心ではないのか、客は他に数組だけのようだ。
従業員も少なく、日本の観光ホテルの過剰サービスからはまぬかれていて気持ちがいい。
夜、WIFIに繋がって中二階のロビーで一人でいると、10時に照明も消されてしまい、真っ暗の中の静寂を楽しめた。
夕食は個室で上々の内容。
和食系の定番にシチューのパイ皮包み焼きがメイン?というメニュー。
今だけバイトしているという大阪新地のソムリエ氏とかがサービスしてくれた。
私は知らなかったが、ヨメは予約メールに「ハハオヤ誕生日+我々の結婚記念日記念旅行」と書いておいたという。
おかげでなみなみとそそがれたグラスワインが付いて来た。
「なんでも書いとけばいいんよ!」とのたまう、こういう時には実にたのもしいヨメである。


(夕霞富士@レイクランドホテルみずのさと展望台)

origin: [しかたなし富士紀行(1) ] 2015/03/17(火)20:45
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