中津川 駒ケ根

 馬篭・陣馬型山・千人塚 [岐阜・長野]


'15 5月3日(日)
5月3日(日)
早朝目が覚め、しかたなく館内の人工温泉で朝風呂。
ロビーで待機し、朝食レストランが開くのを待つ。
開場前なのに既に数人の列。

窓際のカウンター席に落ち着き、朝食バイキングの一巡目を終了し、2巡目の調達に席を立つと入り口内外に入りきれない長蛇の列。
いやあ、うまく団体様の先を越せたようだ(^^/
8時過ぎには混雑は治まり、当方は悠々3巡目(^^;

本日のツーリング開始。
先ずはホテルのナナメ向かいにあるJAのスタンドで給油。

昨夜、私はホテルのパソコンでルートを検討、その間相変わらずヨメはホテルの夜勤のおジさんに観光ルートを尋ねていた。

目的地の駒ケ根まで、高速なら一時間で行ってしまう。
下道でたらたら行くなら天竜川右岸が交通量が少なくていいだろう、とかいう話。

中津川郊外の山間に「アクアリゾート湯舟沢」とかいう日帰り温泉+宿泊施設があるようだ。
そちらを見学方々、先ず山道の県道7号で馬籠峠方向に行くことにする。

遠くの恵那山(だろ?)の手前に中央高速道の陸橋が見えている。
その陸橋の下をくぐって馬籠峠まで登っていく。


県道7号馬籠線。
やはり下道でのんびり走るのが楽しくっていい。
高速道路では全くツーリング気分にならなかったが、これでやっとツーリング開始という感じ。

馬籠峠への左折分岐点をすこし通り越したところにある「アクアリゾート湯舟沢」。


まだ日帰り温泉は開場していない。
念のため併設ホテルに明日の宿泊は可能かどうかフロントで聞いてみる。
翌月曜は雨予報で、温泉付きのホテルで一日過ごす以外にはないと覚悟していた。
「月曜日は満室です」とのこと。
「リゾート」と冠しているが、それほど大した施設でもない印象。

程なく馬篭宿着。

土産物屋や昔の宿場を再現した家屋が立ち並び、きっちり観光地をやっている。

土産物屋の駐車場からの眺望で記念撮影を試みる。
恵那山はかすんでしまっている。

道路脇から石畳の峠道が登っていき、その周囲に昔の宿が立ち並ぶ。

徐々に陽射しがきつく、暑くなる。
とたんに石畳の道を登るのが億劫になる。
宿場の再現家屋の列はそれでもずっと連なっている。
はて、どこまで登ったらいいのやら?
んじゃまあ、藤村記念館あたりくらいで(^^;

島崎藤村は馬籠の旅籠の子として生まれた。
もちろん入場料支払って入るほどの興味はない。
明治の類型的抒情詩人で、別に大したことは・・
いや、「破戒」等で近代日本の社会問題をまともに扱った文豪でもあるんだが。


しかしまあ、今日はちと暑いし、私がもう「破戒」を読むことはないだろう。
ああいうのは高校生の時にしか読めないのだ(^^;

はい、それではこれにて馬篭宿の観光終了。

再び県道7号を辿ると、今度は「妻籠宿」に到達するのだが、そこまで行く予定はない。
合流したR256を右折し、阿智村、飯田方向へと下る。

「馬籠」はなんとなく分かるが、「妻籠」ってのはどういう意味か?
気になったが無視。

さすがに国道で多少交通量は増えたが、のどかな山道。


道路の向こうに洋館風の建物が見え、気になったが無視。
前を通り過ぎて分かったが、「南木曽温泉・ホテル南木曽」だった。
アクアリゾート湯舟沢と同様、翌日の雨対策宿泊候補だったのだが、まあ引き返して空室確認するほどでもあるまい。
ちなみに、アクアリゾートよりも建物は心地よさげに見えた。

昼神温泉近辺で、色鮮やかな白・赤の桜の木を交互に植樹し道路の両脇を飾っている地区を通過。
桜じゃない? 「花桃街道」と?
桜ほどの奥行はないが、なかなか見事に開花していて、まるで造花のように華やか。

沿道には大型土産店が立ち並び、明るい観光地風。
五平餅、おやきが気になり、店並を通り越してから停車して、すこし歩いて最後に店に立ち寄る。
漬物販売店だった。
漬物の試供品ではあまり腹の足しにはならなかった。

R256で山を下ると再び中央高速道路が見え、飯田市街地にはいる。
好天の日曜日で幹線道路のR153はかなりの信号待ち渋滞。
市街地をやり過ごし天竜川の右岸をめざそうと、「三遠南信自動車道」(無料区間)に乗って分岐するつもり。

この自動車専用道路の進入口は中央高速道の飯田山本ICと共通で、道路上に表示があったのだが、私は間違えて高速道路の方に侵入してしまった。
どこかでもういちど分岐できるだろうと、そのまま一方通行を進んでいくともう高速の入り口しかない。
料金所のおジさんに間違えたのでバックしたいんですが?と交渉。
以前、九州の天草自動車道で入り口から入って出口に180度方向転換させてもらったことがあった。

ETCカードを抜いて手動で通行券をとって・・とかの説明で、座席下のフォルだからETCカードを抜こうとしたのだが、荷物が満載で座席を簡単には外せない。
しかたがない、そのままETCゲートから入って次の飯田ICで出ることにする。
「本日は休日割引で一区間120円でいけますよ」と、おジさん。

一区間走行し、飯田ICで降り、天竜川右岸を目指すが、市街地ではもう全く方向が解らない。
交通量のない側道にバイクを停めて地図を参照してなんとか方向を読み取ろうとする。

その間にさっそくヨメは家の前に立っていた方に道を尋ねている。
おいおい、何もおバアさんに聞くことはないだろう。
案の定、おバアさんはおジイさんを呼びに行き、今度は反対におジイさんにいろいろ尋ねられている。
もう地図上で方向を確認してしまった私は、なかなか帰ってこないヨメをふてくされて待つ。

「この道で高速の下まで行けば駒ケ根まで早いって。」
おジイさんが我々の走り去る方向を監視しているので、指示に従うしかない。

一ブロックやり過ごして停止、ヨメに苦言。
駒ケ根まで早く行くなら高速道路で一時間もかからない。
天竜川右岸の道をたらたら走る予定だったろうが!
「天竜川はどちら、と尋ねたら、どこまで行くのかとか聞かれたので・・」。

・・・・

おジイさんの指示は無視して市街地を横断、やっと天竜川の右岸に出る。

右岸の道は県道18「伊那街道」だが、河川土手道に上がれるところは適当に土手を走る。

やがて冠雪した南駒ヶ岳が。

これからこの駒ヶ岳連峰と付き合って三日ほど過ごすことになるのだが。


そのまま県道18号を進むと「陣馬形山」「アンフォルメル中川村美術館」の標識があるので右折して登り林道にとりつく。

すぐに「アンフォルメル美術館」到着。
「ここだろ?最初の目的地は?」
「いや、美術館に行くのではなくて、美術館を目指して道を登るだけ。」
なんだい、そうかい。
この目的地はヨメが自分で設定したもので、私は一切子細がわかっていない。

間髪を入れずヨメはこじんまりした美術館の敷地にはいり、道を尋ねに行く。
「陣馬形山山頂のキャンプ場はここから10分くらいだって。」

なかなかエグい目の登りで、林道のクセに交通量も多少ある。

山頂のキャンプ場でキャンプするなら、食料の調達にもう一度往復することになるが?
まあいい、先ずは山頂で様子をみよう。

山頂キャンプ場着。
なんということか、まだお昼過ぎだというのにキャンプ場は既に色とりどりのテントで満員状態。

中央アルプスと南アルプスの2系列の山並みが望め、しかも無料という。
ゴールデンウィーク真っただ中の人気キャンプ地なのだ。


↑中央アルプス側の2000メートル超級の連峰。

↓南アルプス側の3000メートル超級の連峰。しかしあまりうまく見える場所はない。

うーん、なんとかテント張れないこともないが、これだけの過密状態ならそんなに快適なキャンプにはならないだろう。

まだ時間はあるので、他のキャンプ場さがしてみるか?
とりあえず、手持ちの食料で昼食にする。
山頂の無料キャンプ場なのに、設備は整っていて、ファミリーキャンプも多い。
子供がその辺りをギャーギャーと走り回っているので、やはり撤退する方がよかろう。

手持ちの折りたたみイスを出し昼食。
この時間、私は非常に眠たく、そのまま10分程ころりと眠り込んでしまう。

キャンプ場としては優秀で、山頂の気候の変動に備えた退避小屋まで設備されている。

外が過密なら、この小屋で寝袋で泊まってもいいのだが。

ヨメが情報収集し、是非ここでキャンプと決めたのは間違いではないのだが、とにかく本日は人が多すぎるのだ。



地図上では近くに後数か所キャンプ所がある。

林道を下り、再び県道18号に。

県道に降りる間際に「望岳荘 アッチ→」の看板があり、ここも日帰り温泉兼の宿泊施設のようなので、様子を見に行く。

レストランも付属している大規模日帰り温泉施設だった。
フロントで本日の宿泊は可能かどうか尋ねる。

「満室ですね。」と楽しそうな解答。
「どこか近くで宿泊できるところ、ありませんかねぇ?」
「本日はだめでしょうねぇ。」とニコニコと応対してくれた。

県道18号沿いに「いなかの風キャンプ場」に行くつもりだったが、どこかで道を間違え、天竜川の対岸に渡ってしまっていた。
ならばJR七久保駅と中央高速道を越えて登れば「千人塚公園キャンプ場」があるハズ。

適当に道を間違え、R153のちょいとした道沿い駐車スペースの水飲み器にサイドケースをぶつけ私が転倒したりする。

いい加減に選択したあぜ道を走行し、犬と散歩中のおバさんに遭遇したのでお愛想のつもりで「千人塚公園はどこですか?」と尋ねてみる。
おバさんはニコニコと「この道まっすぐ行って、曲がりくねっててもそのまま登ると着く」と。
我々の荷物を見て「キャンプですか?」とニコニコと尋ねてくれる。

あまり情報もないキャンプ場で、電話番号もわからなかったので不安もあったが、ちゃんとキャンプはできるようだ。

千人塚公園着。

なかなか小奇麗に整備された公園で、一角に管理事務所があり、その向こうにはテントが数か所。余裕でキャンプができそうだ。

さっそく管理人のおジさんに一泊申し込む。
小型テント一張1000円ナリ。

駐車スペース兼用のようなキャンピンググラウンドで、場所を決めて設営。
大振りな花を付けている桜の木多数植樹されていて、本日は桜の木の下でキャンプということになった。

飯島町の公営キャンプ場で穴場かも。



テントを設営し、食料調達もしくは夕食外食をしに白バイク一台に同乗して町に下る。

町場の道路沿いに道の駅「七久保」があったが、すでにレストランは閉まっている。
売り場はまだ営業していたが、そろそろ店じまいの様相。

適当なレストランも見つからず、かくなる上の奥の手を使う。
先ほど偵察してきた「望岳荘」の食堂なら開いているだろう。

もう一度天竜川を渡り、日帰り温泉客でにぎわっている「望岳荘」に再び舞い戻る。
食堂は満席で予約リストに記入し30分ほど待つ。
もちろんこの間、ヨメはフロントのニコニコおジさんに観光情報を尋ねに行っている。

明日は雨予報なのでどうしても宿舎を確保しておかねばならない。
雨のキャンプはやりたくない。

やっと本日の夕食。
ここで憧れのソースかつ丼と初対面。
丼にはごはんの上に分厚い豚カツの切り身が乗っかっている。

小皿にソースを取り、カツ片をそれに漬けて食べる。
ソースは「明治亭」の市販のものだった。
少し甘目の味噌とのハイブリッドのような。
これぞヴォリューム満点のB級グルメという風格。
名古屋のミソカツ丼の変形か。
いずれにしても信州味噌の応用形であるようだ。

食べながらヨメがフロントで仕入れてきた情報で駒ケ根の早太郎温泉街の目ぼしい宿泊施設に電話をかける。
すべて翌日は満室だったが、ひとつだけ空室ありのホテルがあった。
予算が少々オーバーの¥12500/prs だが、一泊2食ならそんなものか。

電話の応対ではホテルではなく、民宿風の、どこかあか抜けない対応だったが、他に選択肢はない。
そこでよかろう。
「駒ケ根ハイランドホテル」に予約を入れ、すこし安心しソースかつ丼との格闘に戻る。

帰路も散々迷ったが、やっと千人塚公園キャンプ場に帰り付き、久々のテント泊。
風がきつかったので心配したが、比較的穏やかな夜になった。
しかし、夜半には既にもう雨の気配になっていた。

origin: [GW駒ケ根ソースかつ丼ツアー(4泊5日) 2] 2015/5/11(月)15:23
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