振込めサギの社会言語的 .. ヨーロッパ系言語の発声法
[日本語・外国語]

・・・のかな?と思う(続)

2013/4/13

  解散総選挙の可能性もあるのかな?と思う(政治家)
  これが原因なのではないのかな?と考えられる。(大学教授)
  
販路が拡大していけばいいのかな?と考えています。(経営者)
  活性化につながればいいのかな?と。(地方自治体職員)
  環境にいいのかな?と。(一見サラリーマン風)

近頃テレビ報道番組で見る限り、急速にこのふやけたボカシ言葉の侵略が進んでいる。
最近の日本語表現に顕著な、断定を避ける心理が選択させる婉曲法ですね。
理屈は判っているのだが。
幸いウチの地方の方言では、こういうヘンに小上品な東京の学生口調をはさむことが出来ないので、日常生活では遭遇したことはない。

こいつの実にイカんところは、テレビニュースでよく目撃するように、政治家や経営者、自治体の職員、教員等の公(おおやけ)の発言内で多用されているところにある。

「・・かな?」は自問の独り言で、決して公的に言えるようなモンじゃないぞ。
断定を避けたければ「という可能性もある」「かも知れない」というレベルにとどめるのが公式常識で、話者の自問をくちゃくちゃ聞きたくはない。「可能性もあるのかな?と」「かも知れないのかな?と」に至ってはぐちゃぐちゃにくねってしまって、聞かされるコチラが悲しいぞ。

多分、最初に公にこの表現を使用した方は、私的な「・・なのかな?」を入れることで公式発言風の固さを和らげる効果を意識したのだと思える。
しかし、このように蔓延してしまっては最早やわらげ効果はとっくに失効、はやり文句を繰り返すだけという言語感覚のニブさしか私には感じられない。

「見守る必要があるのかな?と思いますね」(NHKニュースウォッチ9時のキャスター大越建介氏
こんなニブい人達が大勢出てくる国のニュース報道を見ている私はつらい。

 → 解散総選挙の可能性もあると思う。
 → これが原因ではないかと考えられる。
 → 販路が拡大していけばいいと考ています。
 → 活性化につながればよいと考えます。
 → 環境にいいと思います。


と、どうして普通に言えないんだろうか?

(2010.4.13)

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