言葉狩りが始っていた .. セルフサービスとは?
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「ま・ど・ら・あ」とは?

2021/6/18(金)9:33
ワシ、とっくに70越えてる 佃のジジイ といいます。

飲みたくもないが、一応イオンのフードコートの席を確保しておく品質(しなじち・人質に同じ)で、マクドの100円コーヒーをいつも注文する。

先日、若いアルバイトのかわいい女の子がコーヒーを手渡してくれ、その時訊かれたコトバが解らなかった。
疑似的に書いてみれば「まぁどぉらぁあぁ、どうされますか?」というような発音だった。
ワシは「え?」と怪訝な顔をした。
『コイツ、耳が遠く、よく聞き取れない』と思ったか、かわいい女の子は「まぁどぉらぁあぁどうされます?」とゆっくり言い直す。
更に「ん?」とワシ。

さすがに女の子、『オジン、マドラー知らんのだ』とどうやら気が付いた様子。
「ま・ど・ら・あ、です!」
「え、ソレ何ですか?」
すると、かわいい笑顔で、しかしいかにもうんざりしたという様子丸見えでmuddlerを出して見せてくれた。

あ、なんだ。コーヒーを注文したら何時も付いてくるかき混ぜ棒じゃないか。
いつもは自動的について来てたのに?

この女の子は ”muddler”をまったく平坦な抑揚で「ま・ど・ら・あ」と言うようだ。
相手が「まどらー」を知らないと分かっても、「ま・ど・ら・あ です」と繰り返すしか能がない様子。
せめて「かき混ぜ棒」ですと言い換えてくれればジジイにも理解できたのに。

それよりも三回繰り返した時、「ジジイはマドラーを知らんのだ」という上から目線の侮蔑の念が見て取れた。
断固として「かき混ぜ棒」というようなカッコ悪い日本語を使うような自分ではない、という自尊の念が平坦な発音でゆっくり繰り返す「ま・ど・ら・あ」には如実に。

私自身は堪能というほどではないのだが英語ならわかる。
しかし完全4音節「ま・ど・ら・あ」は英語でも日本語としても理解できない。

ちなみに「デジタル省」と聞かされるとなんともおさまりのわるい感じを持ってしまう。
強いてカナ書きすれば「ディジタル」だろ? 「ハードデスク」じゃなくて、「ハードディスク」。
”muddler"の場合はカナ書きするとすれば「マドラー」しかないだろう。
しかし平坦4音節「ま・ど・ら・あ」じゃなくて、マドラと上から抑揚の三音節の方がいい。

だから、かわいい女の子に『このジジイ、英語わからんのだ』と遠回しな侮蔑をしていただいたと感じたので、少し悲しかった。
私が英語わからんのじゃなくて、あなたの発音がいかにも風のカタカナすぎなんだよ。
それにその呼称以外の表現を相手に応じて工夫するという考えが一切ないので、「かわいいだけ」しかないんかよ、と悪いけど思ってしまったのだ。

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そんなことがあり、別の日にKFCでまた同じような目にあってしまった。
サラダも注文していたら、「コールスローは別にします?」と訊かれたのだ。

この光景は中川淳一郎というコラムニストの方が目撃していたようで、「ディリー新潮」の記事になっていた。
くわしくは「店員にブチ切れるおじいさん」で検索してください。

ワシは「こーるすろー」なんて注文した覚えはない。
「え?」と聞き返すと、この女の子は「こーるすろーです」と繰り返すばかり。
三回目にやっと自分の注文した「サラダ」のことだと気が付いた。
そして先日のマクドでのこともあり、遂にブチ切れてしまったのだ(^^;

「コールスロー」が通じていないと分かれば「サラダ」と言い換えさえすればいい。
どうして店員の若い女の子は自分のコトバが絶対的に正しく、これが分からんのはオマエの無知、とばかり同じコトバを繰り返すだけなのか?

それから、見ていた中川淳一郎サマという御仁が「自分の無知なのにブチ切れるおじいさん」というような年齢差別丸出しの無責任な記事を書いているのにもあきれてしまった。
たしかにマクドやKFCではジジイにはわからんコトバが多すぎる。
だからと言ってジジイは来るなと突き放し、自分はソイツラとはまったく違うのだとバカ呼ばわりするのが、この人のコラムニストとしてのスタイルらしい。

いや、私も「コロナ脳」の方には辟易してますよ。
しかし、自分も多分同類という意識は常にあるので、それをあげつらって記事にし、毎回自分の優越を誇るなんてはしたないマネはしないのだ。

ナニ? してる、って?
あたり前だろ? このトシになったら大概のことは許してもらわなきゃ、と勝手に決めている。
ワシが常にこの世にブチ切れ、必死でそれを抑えながら生きている老いの存在の悲しみに、君たちの世代は思い至ったことがあるのか?

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