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[時爺放言]

公務員の不祥事

2007/10/17
私と同い年なのにまだ枯れず威勢のいい枡添厚相の指示で、
国民年金受領金を横領した市町村窓口職員の刑事告発が行われた。

この意向に対してたとえば大崎市長は不満顔でこう反応している。
「横領金は返却され、本人は懲戒免職となり、社会的制裁はすでに受けている。
国が上からこういった指示をするのは、決定した地方の自治権の侵害だ。」

対して枡添サンは、いつも明快で「自治体の長が罪罰の判断を行うのは
三権分立の原則に反している」と応えていた。

これはまったく明快な論理である。
刑法上の横領罪が成立するのだから、その処置は裁判所が決定するのが
法治主義国家の原則である。
その結果、やれ「懲戒免職され、金を返し、本人も反省している」という
情状酌量の余地があれば執行猶予をつけたりするのは司法の役割だ。
本当に罰するほどの罪ではなければ「無罪」にしてもいい。
しかし、無罪を決定できるのは裁判所だけである。
あんたではないよ。

地方自治をいうなら、大崎市ではすべての職務上横領は、金をかえせば
罪なしとする、と一般市民すべてにまでワクを広げれば論理として成立する。
独立して「吉里吉里国」(井上ひさし)と称すればいい。

しかし自分ところの職員だけが対象だと、単なる身びいきで論理的に話にならない。


公務員の不祥事があまりにも多い。
いや、本当のことを言えば民間並みに多いと言うべきか。

「公務員だって人間だから」なんて自分で思ってませんか?
公務員は人間ではありませんよ。
「公僕」といって一般の人間に対するサービスをするご身分です。

給付待遇が保障されている代わりに一般よりもいろいろモラル的な制約がある。
少なくとも営利企業ではないんだから、自分の利を優先してはいけないのだ。

私が安サラリーマンをしていたとき、いつも仕事を依頼している下受けさんが
シーズンにはこそっと私を廊下につれだし「個人的に」ビール券をくれたりした。
私が今使ってるパソコンも、どこかの出入り業者からせしめたものである。
で、その代わり自分の職権の範囲で、ま、なんとか、むにゃむにゃしたりする。
民間なら「それで最終的に会社がもうかるなら、手段は問わず」という
こともある。

しかし、公務員だとコレは絶対してはイカンのだ。りっぱな収賄罪ですね。
なんとなれば、活動資金として委託されているのは税金で、あんたの裁量で
自由に使用することはできない。
利潤を得るために活動しているワケではないので、もうけなくとも給与
は保障されている。
かってにむにゃむにゃしたりする個人的利潤追求の必要も義務も余地もない。

まあ、細かいことはいろいろあるが、とにかく公務員はふつうの人間ではない。

公務員による年金の横領が明らかになったとき、一般の反応は「他にもあるだろう」というようなものが多かった。
「公務員だって人間だから」と公務員自らが思っているだけではなく、一般民間
の下々の方までそんな風に思っている気がした。

自分だったら「やってしまう」かもしれん。
だから職員サンたちもきっとやってしまっているにちがいない、とか。

昨今の公務員による不祥事を許容してしまっているのは、そう思う我々自身の
モラルの低さではなかろうか。

ソコに金があり、パクってもわからんという確信があればどうします?
もちろん大崎市元職員のように28万がごときでは私はやりません。
私なら3億円かな?おいおい。

しかし、公務員の皆さんは絶対に私欲に負けてはいけません。
そのために難しい試験を勝って現在の給与待遇をいただいてるんだよ。

で、どうか一般民間の皆さんは、絶対多数の公務員は自分達より一歩高い
レベルのモラルを体現し、労働していらっしゃることを信じてあげてください。

普通では負けてしまう誘惑にも公僕という意識で自分を律し、職務を遂行して
いらっしゃる、とみんなが当然のように信じている社会では不祥事はあり得ない。

「公務員だって人間でしょ」なんて絶対思っちゃいけない。
公務員の不祥事は、そう思ってしまうわれわれが率先して示唆容認しちゃってるんだよ。
blog upload: 2007/10/17(水) 午後 3:55
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