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「年賀状は、三流の贈り物だと...![]() |
[時爺放言] |
ちょっと待ってください山中さん! |
2007/12/15 |
12月8日あたりに報道されたNHK7時のニュースを見ていて「あ、それは違う!」と叫んでしまった。 しかし、以来一週間以上ド忘れていたので、ちょいと時事性が薄まっちゃった。 まあいい、とにかく書いとかなきゃ、また忘れる(^^;(細かいところは不正確。私の印象がそうだったということで。) ニュース骨子(NHK総合12月8日午後7時台ニューストップ) 1)京大・山中伸弥教授が開発したiPS細胞技術を使用し、マウスの貧血の症状を改善することにマサチューセッツ工科大学などの米国チームが成功した。 2)山中教授は、このままでは資金や施設が整った米国に「負けてしまう」として渡海文科相に面会、国の援助を要請。 3)文科相は早急な国の支援を応諾した。 「あ、違う!」1: NHK報道の公正さへの疑問 1)報道の口調では山中教授の研究を使用し、米マサチューセッツ工科大チームが応用に成功した、というニュアンスだった。 ↑これは違うのでは? iPS細胞の生成に成功したのは山中教授チームと米・ウィスコンシン大チームが同時。 他にも同様の方法を確立している研究機関も多く、米MITチームも含まれる。 「山中教授の研究を使用して」という根拠はない。 本当は「山中教授も含めた世界の研究者達と同様の理論で作成したiPS細胞を使用し」が正しい。 ○NHKは11月26日「山中教授が世界で初めてiPS細胞の生成に成功」と報道したが、その日の早朝NHK BSで見たフランスのFR2では 「iPS細胞の生成に米国が成功。 日本でも発表」という扱いだった。 また、新聞報道では日米同時という扱いが多かった。 「あ、違う!」2: 学術研究はスポーツか? 2)米国に「負けてしまう」との山中さんの発言は本人の声だった。 この人の研究は「勝つ」ためにしているのかな?と聞こえた。 ↑これは違う・・・とは言わないが、学者のモチベーションとしてはそれでもいいかも。 学術的名誉はいい。しかしコトは医療倫理にもかかわる分野である。 早ければ勝ちというスポーツと同様な感覚では、何かが抜け落ちる。 ステロイド注入してでも勝ってやる・・・なんて気になったりとか(^^) 「あ、違う!」3: 学術研究はオリンピックか? 3)その後の報道で国は20億円(だったか?)の予算で、京大山中教授をリーダーとする挙国一致研究機関を設ける決定をしたそうである。いみじくも「チームジャパン」と報道されていた。 もう、これはオリンピック・ゲームですね。 昨年の韓国チームのようにフライイングしないでくださいね。 それにしてもどうしてそういう先進技術が国産でなければならないのか、私にはイミがわかりません。 本当に人類の福祉が最終目的であるなら、国籍にこだわる必要がどこにあるの? 科学技術こそ世界共通ニュートラルなもので、だからこそいろいろ応用できる。 (文化によって差異がでるマジナイの類ではない)本当に人類全体の福祉を考えるなら、山中サンも資金と施設のシステムが整っている米国チームに合流し、協力して研究した方が全体の効率がいいのでは?20億円浮くことにもなるしぃ。 まあ、米国が技術を独占するのは違うイミでもっとコワそうだけど。 ○一方で国の助成金や企業の開発資金の対象にならない、地道な基礎研究を志す研究者がいなくなったという証言もある。 http://blogs.yahoo.co.jp/hemidemisemihalfquaver/23893503.html ○別の報道で、経済協力開発機構(OECD)の国際的な学習到達度調査の結果、日本の15歳児の学力の低下が報告されていた。 「読解力」で前回(03年)14位から15位、 「数学的リテラシー(応用力)」では6位から10位に順位を落としたという。 それをうけて、文部科学省あたりが「ゆとり教育」で授業時間を削った結果であるとして対策するというコメントがあった。 ↑別に負けててもいいんでは? 点数比較してどういう意味があるのか私にはよくわかりません。 国威高揚というイミしかいなような。 オリンピックでも、野球アジア選手権でも「勝って」さわぎたい人があまりにも多いのが気になっている。つまりスポーツの「美技」を楽しむよりも「勝ち負け」だけしか見てない人。 日本のプロ野球の応援団の喧しさがイヤでMLBに移っていった人も多いだろう。 いや、私にも闘争本能があり「勝つ」快感がヤミつきになることもわかる。 しかし、山中さんが勝ったとして、んで国威が高揚したとして、私自身の能力が向上したワケではない。 それどころか、自分の能力で勝ったワケでもないのに「負けた」国を「低く」見る心理に陥りがちな傾向が出るのが私は怖い。 どこかの大臣が、「日本が米軍への海上給油支援を怠ると、世界の一流国とはいえなくなる」とおっしゃっていた。 あのぉ、またまたイミわかりませ〜ん。 どうして一流でないと? 二流の方がラクなのにねぇ。 とその程度の人間である私は思ってしまうのだ。 今度は失敗するなよ、日本! もう、恥ずかしいぞ、わたしゃ・・ ---その後、山中さんのインタビュー番組を見た。 (1/15 クローズアップ現代)山中さんのモチベーションは、何とかして倫理的問題のあるES細胞を使わず、細胞再生治療の方法を確立したい、という元臨床医としての熱意からのようだ。 人物としての山中さんを揶揄する意図は私にはありません。 ただ、この人を国威高揚の切り札のように扱う風潮がちょっと。 blog upload: 2007/12/15(土) 午後 0:36
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