ちょっと待ってください山中さ... 消えた年金問題 (3)
[時爺放言]

「年賀状は、三流の贈り物だと思います」

2008/01/18

                      本日の頭下げ企業:日本製紙サマ(1.16)

「郵便はがき全5社、古紙配合率偽装 日本製紙社長辞任へ」(1/16 asahi.com)

最近三流の人物が増えてきた。
例えば防衛省前事務次官の守屋さん。国家公務員最高給をもらいながら更にゴルフ代や娘さんの留学費を業者にタカっていたというから、三流の人物として一流ですね。

ちなみに私の勝手な定義では三流の人物はこうなってます。
一流:立派な人
二流:立派でない人
三流:本当は二流の人なのに一流と自分で思っている人。

守屋さんは職員に「天皇」といわれ、次官在任中に200回もゴルフに行き、娘さんを留学させ、業者にその金を出させる、そのような生活を主催することが「一流の人物」である自分にふさわしいと思っていたのでしょう。
自分が二流の人物であると自覚していたら、無理せず国家公務員としての給与内(推定年収2500万)で慎ましやかに暮らしていたのではないでしょうか。

モノの世界でもこういう三流品が増えている。
賞味期限内で産地も一流であると装っていた三流品があったが、日本のはがき用の再生紙もやっぱり三流でしたね。

再生紙はもとから新紙じゃないので二流のモノなのに、新紙並の品質(白色・不純物ナシ)を装おって一流のマネをしようとするから、無理を重ね三流になってしまう。
私の調査では印刷物等に再生紙を使用することは、新紙を使用する場合よりコストがかかる。
コストをかけても新紙の使用を押さえようという意図だ。
そうして森林の伐採を抑制しよう、という環境保全の一環ということだが、私はこういう
再生紙使用が環境保全にどうして有効なのか、よく分からないのです。
実際のコスト計算もせず、科学的根拠もはっきりしない、ただの「精神運動」のように思っている。

この辺のねじれた事情は私のホームページでかなり以前から指摘し、
「ささいな偽善を容認していると、いつか確信的悪に成長していく」と警告しておいた。
  ⇒「再生紙の使用」
しかし誰も本気で相手にしてくれなかった(^^:
この日本製紙の社長さんは「承知で犯した悪」だったことを認めている。

実は私も本当は ヤだけど、年賀状は出しました。←はい。立派な二流の人物です。
でも私がアブナイと思うのは、とにかく再生紙だから「環境にやさしい」んだと思い込んで、
安心して年賀はがきをせっせと出している人、これはかなり三流的。

いくら再生紙を使用しても、新紙の使用がなくなっていく訳ではない。
あなたが出したはがきの60パーセントは新紙です。
↑実はコレが80パーセントだったので、件の社長さんが頭を下げている。

そしてその40パーセントの古紙の痕跡を消そうと、莫大な中間費用をかけて処理しているのが現状だ。
日本製紙さんはこの処理コストが支払えなかった。
こういう処理に要するエネルギー資源コスト、その環境への負荷はまったく無視されていて、
誰もまともに計算したがらないのである。
ヘタしてまともに計算したりすると「アンタは環境対策に反対するの?」と密かに闇に葬られて
しまうのがオチである。

悪いことは言わないから、無意味な印刷した年賀状を出すのを止めなさい。

いや、出してもいいけど「本当は出さないことが一番環境にはいいんだけど」とつぶやき、
オレもあんまりホメた人物ではないなと自嘲してください。
少なくともこの時点で、あなたは三流ではありません。

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と、ここまで書いて本日(1.17)の同じニュースのフォローを見たら、
「日本製紙は問題の再生紙(ハガキ用・コピー用紙)の回収をすることを決定した。
納入先の富士ゼロックス(他メーカー名数社)も、納品された同社の用紙を販売停止する模様。」
と報道されていた。

品質が悪いのではないので製品としての使途に不都合はないハズで、回収する必要は何もない。
回収して廃棄するんだろうか?そしてもう一度同量の紙を製造するとでも?

どの企業も別に「環境に配慮」して再生紙を使っているワケじゃないのがよく分かる。
自分のところで扱っている製品が「環境に配慮した製品」という外見が欲しいだけで。
返品すれば、それだけ日本にムダな紙が増えていく結果になるが、それは不問ですか。

「私は環境に配慮した紙を買いたい。この紙は再生紙使用率が足りないので返品します。」
と消費者が言うのだろうか? 
返品せずに使ってくださいよ。せっかく貴重な原始林伐採して作った紙なのに。

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