ヘンリー・フォードの20世紀 セーガンとクラークの20世紀
[時爺放言]

こども総理、またはせんとくん。

2009/11/10
トヨタ自動車のCFの「こども店長」、達者なだけ余計イヤな気分。
こどもが「エコ減税も!」なんて繰り返すと、ある光景を思い出してしまう。

紅衛兵って、たぶんもう知らん人も多いが、中国の現代史でそういうのがあった。
修正路線派の優勢を巻き返すため、毛沢東さんが革命の精神を徹底しようとした運動が文化革命。
その担い手に起用したのが紅衛兵。「こども共産党兵士」ですね。

もちろん、私自身は直接見たことはないが、大人に三角帽をかぶせ引き立てていく子供のイメージは
鮮明に記憶している。
クメールルージュの暴虐を描いた映画「キリングフィールド」でもカンボジアの共産党兵士の子供の影像があった。
ひもじさの故に作物を盗んだ大人の首に紐を巻きつけて殺していた子供の演技がなんとも恐ろしかった。
これが共産主義リアリズム、とばかり眉毛をつりあげ、純粋な怒りの表情をした子供の怖さ。

正しいことはただ一つ、という絶対的正義感で「悪」を憎み根絶しなければと思う。
そういう子供の単純性を「純粋」ということにして最強の兵士に起用するオトナの狡猾さ。
オトナはいろいろ迷ってしまうが、子供は純粋なだけに常に正しいのである、とかさ。

最近の「エコ」の専横ぶりには辟易しているのだが、このトヨタの「こども店長」のイメージが
ピッタリとその欺瞞を示している感じだ。
つまり、何がエコなのか、排出基準がどうなったらどうなのか、果たして地球温暖化はCO2由来なのか
そもそも温暖化するのが諸悪の原因なのか・・・
私にはさっぱり分っていない。

しかし、政府・企業が一丸になって「CO2排出削減!」をいう。
そして、なんだか知らないまま一般にも「なんだか、エコらしいよ」なんて合意しちゃって、
子供でも知ってまっせ、とうような。

だいたい、「エコ」なんてよくわからん表現で、分った気にしてしまうのが欺瞞のはじまりだね。
くどいからくりかえさないが、「地球にやさしい」「環境にやさしい」という情的日本語を
正しい命題を表現していると錯覚するような感性では、論理的な議論には最初からならない。

フランスのテレビ番組で「エコ・ニュース」(Jounal de Eco、ん? d’Ecoかも)というのがあるが、
これは経済ニュース。
「エコ」って普通はエコノミーの略でっせ。
こんな曖昧な略し方をする人には、既に問題を正確に表現しようとする気はないものと思える。

私はもう子供ではないので、分らんことは分らんと言う。
だいたい、「コレだけが正しい」と言い、その他の意見を排除しようとする態度は、もともと怪しいと疑うべきだ。

私達は「みんな違って、みんないい」(金子みすず)のだ。

こどもに「エコ!エコ!」って言われたくはないよ。

小沢環境大臣という方がテレビの番組に出てたのを見た。
「今25パーセント削減しないと、もう地球はどうしようもなくなるんです。」
だってさ。
私なんぞは、このセリフを聞いただけで、この人が何も真面目に考えていないことが分ってしまう。
「こども大臣」だね。

奢るな、「25パーセント削減」の民主党。
民主党が勝ったのではない。
自民党が負けたに過ぎないのだ。
わたしはお宅の「マニフェスト」なんか読んだことないからね。

ところで、鳩山さんの顔って何だか「せんとくん」に似てませんか?
最近のかわいく変身した「せんとくん」ではなくて、当初の不気味なガキのイメージのね。
blog upload: 2009/11/10(火) 午後 2:26
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