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[ピアノのお稽古] |
プロコフィエフ ソナタ第七番 または 死亡力養成講座(2) |
2013/12/16(月) 午後 10:07 |
ショパンのソナタ#2(通奏完、完全暗譜未)、#3(第一楽章第二主題だけ暗譜^^)はもう少し保留するとして。
とにかく私の生涯かけた到達点としてのバラード#4は一歩一歩完成に近づけたい、とか。
このところずっとショパンだったので。
プロコフィエフ第7番の三楽章の演奏が「題名のない音楽会」で放映されていて、刺激を受け楽譜はあるのでソレやってみる気になった。
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![]() ごらんのとおり、7/8拍子。基本的に変ロ。
譜例はとんでもない超高速(Precipitato)の不協オクターブのパーカッションから怒涛のコーダに向かい、「これで終わりだい!」と変ロをたたく終結部。
ハメは外すがちゃんと戻ってくる調性があり、適度な現代性と炸裂するリズムが弾き手をとんでもないエネルギーの渦に叩き込んでくれる。
ほれ、どんなもんだい、私のハンミュンデン・メソードを駆使すればプロコフィエフだって暗譜できてしまうのだ! むははは。
と、誰もホメないので自分で自分をホメている間は良かったのだが・・・
この第三楽章は殆ど右手がパーカッションになり7拍子のリズムをたたきつけることに終始する。
オクターブの跳躍の間に左手がアルペジョを入れる部分もあるのだが、そんな悠長なくすぐりが聞こえるようなスピードで弾くピアニストはいない。
殆ど同時にアルペジオ各音を叩き付けないと流れに乗れない。
ちなみにYouTubeでプロコフィエフNo.7を検索して聞きまくったが、やはり全音を同時に叩き付ける以外にないようだ。
わずかにポリーニのだけが少しだけクリアに各音が聞こえる気がした。*
いずれにせよ、0.01秒くらい、一瞬のことだ。
*後日追記: もう一度聞き直すとアルゲリッチが一番。クリアな曲想、リズム感だけではない音楽性。しかし、やはり主題再現部の最高音は軽イソギ気味。
もちろん私は当然ながら限りなく遅いテンポで始めるのである。
しかし、暗譜してしまって何度もさらううち、次第に作曲家のデーモンが乗り移ってくる。
曲がどうしても自分で走り出していってしまうのだ。
これは誇張ではない。
弾いているのは私なのだが、暴れまくる音塊に引きずられ、ヨタヨタとつまづきながら必死で後を追いかけるしかなくなってしまう。
速度記号は開始当初から同じで一度も変更はないが、どのピアニストでも開始テンポよりコーダに至ってからのテンポがかなり早くなっている。
それがPrecipitatoということだ。
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私は一カ月間毎日コレを弾き、いわばミューズの誘惑に我を忘れた。
年金もらってからやっとショパンをさらい始めた、完全独学・か弱い素人指である私は。
そしてきっちり左右の第二指を痛めてしまい、痛みとしびれがとれなくなった。
先ほど近所の藤井整形外科に行ったら「腱鞘炎ではない。第一関節の関節炎。関節の軟骨が薄くなっている」とのこと。
軟骨じゃ鍛えようもない。
前回はスポーツクラブのランニングマシーンで毎日45分走り続け、2年という驚異のスピードで変形性膝関節症との藤井医師の診断をいただいていた。
これだもんねぇ。
まいったね。
ピアノの修練が密かな私の自尊の最後の砦だった。
私の語学力がもうアテにならんことがはっきりしてしまったのでね(^^;
年金もらってからも技術は確実に伸びる。
修練さえ続ければいつかは自由にどこにでも到達できるのだ。
年齢なんて関係ないね・・・と密かな自負も少々あったが。
指の第一関節の軟骨がすり減っちゃ、もうどうしょうもないよ。
プロコフィエフ第七ソナタ第三楽章、これが私の人生上の限界点だったのだ。
やりたいことは一応やらせてもらった。
見たいものは見たし、見たくないものはこれ以上見たくない。
年齢相応の死亡力は着々と涵養できていたのだが。
ただ、私のピアノがどこまで行くのか見届けたかったよ。
そういう色気がちょいと涅槃行の邪魔だったか。
それではこれからはピアノからきっぱり撤退する以外にない。
残念だが。
・・・未練たらたら。
-- そんなに残念なら今の演奏、ワタシが撮影したげるからYouTubeにあげたら?
-- え?いやいや・・それはぁ(^^;
それは幻の名演だからこそ私の人生の余韻で残るのだ。
見せない方がいい。見られちゃ困るし(^^;
だからキミが世界でたった一人の私の聴衆として後世に語り継ぐのだ。
-- ええっと、それでそれ何ていう曲? エリーゼのなんとか?
-- 違うって!
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