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クライスレリアーナ (..![]() |
[ピアノのお稽古] |
ベルガマスク組曲 (ドビュッシー) |
2014/1/26(日) 午後 9:49 |
もちろん、ドビュッシーは私の趣味ではない。
プロコフィエフですっかり指を痛めてしまって、もう男性的な力強いピアノ曲は無理だな・・・と観念したところに「ハイ!」と渡されたのがこれ。
もちろんヨメがベルガマスクの何たるかを承知でドビュッシーを持ってきたのではないんだが。微妙にいいタイミングというか。
聞けば「誰かに貰ったぁ。」と意味不明なことを言うばかり。
ピアノの正規学習者ではない私には貰ったり、拾ったりした楽譜もかなりあるので出自は問わない。
自分で選択する音楽ではないことは確かである。
少し前にテレビで辻井伸行が「月の光」を弾いているのを見たばかりだ。
少し奇妙な感じだったが、極端にペダルを使用しない演奏だと気が付いた。
それはそれで成功とも失敗とも断じにくい出来だった。
今回、観念しておとなしく(^^;ベルガマスクを弾いてみた。
ごらんのとおり全音楽譜版の譜面にペダル記号は全くない。
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いくらなんでも、これは真っ赤なウソだろ?
譜面の「月の光」の前半のクライマクスの部分、低音オクターブが持続する上に両手すべてを使っての最高音でピアニシモだ。
なめらかな水面に一様に月の光が反映し、ほのかにゆらいでいる。
ここ、ペダルで低音を伸ばす以外どうせよというんだ?
辻井君はそれでもお利口さんにノン・ペダルで弾いていた。
あたかも低音が持続しているがごとくに巧妙に音の減衰をコントロールして。
しかし、まあ、ドビュッシーのこの書法、わからんでもない。
極端に音の濁りを嫌う音楽である。
私はそんな思わせぶりな音楽はあまり好きではない。
でも、やってみるとそれはそれで快感でないこともない。
プレリュードからパスピエまで、そう難しい譜面ずらではないが、ノン・ペダルで奏すると案外手ごわい。
ドビュッシーはイヤだけど、わからんでもない。
雄弁に語るわけではないが、そこはかとない情緒のくすぐりか。
ただ今となれば類型的な耳障りのよい音楽でしかない。
逆に言えば、現在のムードミュージックの響きがドビュッシーの亜流ということになるのか。
それなりに弾けば弾いていて楽しくないこともない。
こんな音楽イヤなんだけど、と思いつつ。
まあ、指を痛めたのなら、そこからまた新たな奏法とまた違った音楽の局面を試みていけばいいのだろう。
まとも行けば終わっているところが、怪我の功名、芸域がまた拡がったりするのである。
要するに「転んでもただ起きない」、転んだ時のドビュッシーというわけだ。
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