おさわりピアノ練習家� .. 　ソナタ第三全楽章（ショパン）
[ピアノのお稽古]

私のピアノの高層昇華

2022/5/13(金)1:16
ブラームスのドイツ舞曲はやっと１６曲の暗譜完了、今は数曲をパラリと試し弾きし、指の調子と暗譜の欠けを補足するくらい。
同じ曲集の後半、作曲者最後期インテルメッツオに重点移動・・

特にOP.117の第２、心に沁みこむような音の流れ・・・

そのようなお稽古曲の現在はどうでもいいのだが、要は今年から大阪の高層住宅に引っ越し、やや広めのリビングに私の古ピアノを移設することができたということだ。
旧宅でのようにスペースの関係で壁にピタリと寄せるのではなく、せっかくの広さを生かして角に少し斜めに設置してみた。

結果、ピアノの後ろ側に適度なスペース、私が後ろに入り込んで配線作業ができるくらいの適度なスペースができた。
当初は新しいリビングのレイアウトの試みのつもりだったのだが、ピアノの音を出してみてその響きの違いに驚嘆してしまった。

ピアノ裏の響鳴板の充分な空気振動だけではなく、あまり家具を置いていない適度な空間の残響が自然なピアノの音色を響かせる。

私のピアノの音が違う・・・

ただ単に鍵盤を押さえ弦をゆらすだけで、豊かで美しいピアノの音色が部屋に満ちる。
ピアノの音はこんなにいきいきと美しいものだったのか・・・?

では、今までの音は？

私のピアノよ、許せ。
２０年以上も狭い空間に閉じ込め、実に申し訳ないことをしていた。

ただ和音を響かせるだけで音楽の物語が開始していく高揚感が心に満ちる。
響きが豊かで美しければ単なる音階練習であっても音をだすこと自体が楽しいのだ。

自然に一つ一つの音が美しく響くように心がけるようになっていく。
この私でさえ^_^

今まではともするとスポーツ的にガンガン弾くことの快感が私のピアノのお稽古の主たる中身だった。
しかし、今は表現や細かいニュアンスが気になってくるのだ。

ショパンのエチュードからノクターンへ。
ブラームスのドイツ舞曲からインテルメッツオへ。
私の好みの練習曲は大きくシフトしていく。

私は・・・どうやら間に合ったようだ。
ピアノを弾くということの本当の喜びが今やっと。


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ただし、ピアノのレッスン受講を止める直接の理由だった右第５指の痛みはやはり消えず、とうとう使い物にならないまま終わってしまうようだ。
大人になってピアノの練習を始めた者には、小指の正確な打鍵を習得するのは至難の技だろう。
他の指は修練でショパンのエチュードくらいはどうにかなる。
しかし右５指はずっと曖昧なまま、「その辺り」というような感覚で打鍵する他なかった。
小指は確実な打鍵を可能にする力と指先の感覚を発達させられないまま骨と筋肉の成長が止まってしまっている。
そして他の指同様な打鍵力を無理に反復させ、私の右５指の第一関節は節くれだち、奇妙に内側に変形してしまった。
２，３曲の運指で痛みだし、その状態のままでは演奏を続けることができない・・・

かくて私は自分のピアノを他人に聞かせることはもうない、と自認し納得した。

ピアノの楽しみは自室で一人自分のピアノを弾くことだ。
それがやっと間に合った私の無上の楽しみなのだ。

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