プレリュードとフーガ ..  ジムノペディ No1 (E.サティ)
[ピアノのお稽古]

 ゴールドベルグ変奏曲 (バッハ)

2024/3/16(土)13:34
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病、高層抗争2件、家内ウクライナ抗争、対管理会社抗争etc.・・で、殺伐とした日常だが、ピアノだけは確として私の生活の変わらぬ核であり続けてくれる。

相変わらず、殆ど50年前に購入した音楽之友社版の世界音楽全集バッハIIがずっとピアノの譜面台を占拠。


平均律第二集のプレリュードとフーガを”紐解く”という感じで進めているのだが、ト長調→ハ長調ときて、次に好きなヤツで紐解いたのが嬰ハ短調のフーガ。
こいつは第二集にしかない短調フーガの終結だけが長3和音で終了するというドラマチックなフーガ。かなり凝ってしまったのだが、暗譜は相当しんどい。

フーガの暗譜の合間にこの「バッハ集II」の最後の方に併載してある「イタリア協奏曲」や「ゴールドベルグ」を箸休め的にパラパラやったりする。
しかし、意外と結構、この辺りならほぼ初見でやれるのだ(^^♪

50年前に”じっとり”とオルガンで殆ど触っていたので、初見といっても骨子は覚えていたのだ。
それは懐かしく、そして楽しい音符達で・・・それから昔の逸話も蘇ってくる。

・・・住吉区の加賀屋に居た高校初恋相手K子の家に遊びにいった。隣の娘がピアノのコンクールで賞をもらったとかで、お隣に押しかけてピアノを聞かせてもらった。一区切りついたとき、いかにも天才教育に熱心風の親が「難しい曲で聞いてもわからんと思うが・・」と切り出したので「バッハのイタリア協奏曲です。」と応えた・・ですよね?鵜飼さん。

・・・東大阪のチンケな印刷屋で奉職していた時の同僚の趣味がギターだった。
昼休みに時々愛機をとりだして弾いていた。
アルベニスのASTURIAS-LEYENDAがオハコだった。
それも今は私のピアノの大事なレパートリだが。
彼はロンドン留学の経歴もあるのだが、まったくそのようなハデさはなく、無口で(キ)マジメな青年だった。
ある時、音楽の好みの話をした。
無伴奏チェロソナタのセゴビアのギター編曲版も愛奏していたようだ。
付き合っている女の子に音楽の好みを聞かれたので『バッハ』と答えたら、と彼。
すると、『くらぁぁっ!』と言われ、フラれてしまった、と。・・・だったよね、阿部清志君?
・・・

アルベニスとバッハが何故か私も愛奏しているので、阿部君は時折思い出すのだが。
しかし、バッハをじっとり弾いていると私も共同生活者の感覚が気になりはするのだ。
やはりバッハのフーガは”暗ぁぁ・・”と思っているんではないか?

私自身も50年前は、”暗い”のではないにしても、マジメで厳格で教会の戒律のような模範・規範・教科書的な音楽で”何かを学ぶ”ために修練していたように思うのだ。

しかし、今イタリア協奏曲やゴールドベルグを弾いてみると「暗い」どころか、底抜けに明るく、陽気で遊び心に溢れた音楽として蘇ってくる。
イタリアのいつまでも続く陽気なメロディーと、楽しみの為にいろいろ悪ふざけをするゴールドベルク。 楽譜例の第30変奏と回帰するアリアはバッハの冗談だよ。
これは全く世俗のポピュラーな、エンターティンメントとしての即興演奏家バッハの作。

アルベニスとバッハだけが結局私のレパートリとして残るだけなのかもな。

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