前野将右衛門・生涯
前田慶次郎・英雄譚・痛快愉快
大力・武芸万能の和尚の話。モデルが居そうな書き方であるがよくわからぬ。荒唐無稽な英雄譚。B級。
石井真木・三善晃・徳永二男・安永武一郎
ベルリン・フィルのコンサートマスター・こんな生活・もう一つの世界。
「ドナウの旅人」取材旅行記
Ensycropedie de citacion, humoresque
題名のごとく。
いい毒が入っている本
「完全自殺マニュアル」に魅了・自殺する瞬間のイメージを考えれば逃れられない。
恐いもの見たさというような心理で自殺のイメージにとらえられ・こんなに考えているのだからやっぱり最後はこうなるに違いないという風な・心理的な賭け・きっとそうなると思っているとやっぱりそうなる・という風な自虐的のめりこみ。
サイズによる人生観・人生そのものの違いとかなんとか。
一寸話しの種になるような知的な刺激があったと思うがもう忘れた。
空海・最澄・円仁・源信等の留学記が面白かった。
なるほど、奈良・平安・鎌倉期では留学生というのは仏教僧のいいであったか。
文春連載の時愛読していたけれど、本にしても読みごたえのあるいい文章。軽い 文体でなかなか興味深い話題を拾って来ている。
天才達の奇行・日本人洋学事始め。当方にとってもピアノはヨーロッパ=夢の生 活へのキーであった。・・・今はいうまい。憧れ→高揚↓不発
しつこく四国の谷間もの。またか、と思いつつ結構読んでしまうのはさすが。
虚実の境目の創作・遊びと創造・語ることで自分を拡大すること。
語り口のうまさで読んで行って、なかなか巧妙にしかけられた要所要所の intrigue。遂には読者まで物語りに引きずり込む妙なリアリティ。
見事な作家というほかない。
「・・・を自分の上に恐怖する」大江のコトバの装置
ちょっと厚めの小説で期待して読み始めたが、なんにもない。
小手先のストーリテーリング。中止
(( くやしい。悪口雑言のかずかず、コレに触発されて書いたのにwinが落ちて消えてしまった。パックアップオプションいるな。
ああ、ばかばかしい、せっかくの。やっと毒のある読で頭が多少すっきりしたのに。くそ。
再読。大江さんちの光くんもの。私小説ではあるけれど、それはそれ小説として読ませるだけのオチはちゃんと用意できている。自分の文体を持っていると、文体が思考とプロットを推し進める。こういうのを作家というのであろう。
あまり力作ではなかったな。貴重な作家ではあるけれど。
産経新聞連載のエッセイ
紀州藩の剣豪の伝記・巨人憧憬
あんまり中身のない記述・小説にしては希薄
エッセイにしてはながい・ドキュメントにしては雑然
本人は何でもありの新しい形式「物語のための物語」と
悦にいっているが、こんなのでページが稼げるとはネームバリュー。
久しぶりにこの先生が取り組んだ小説らしい小説。神様のことを通り越したあたりで密かに阿弥陀経の引用があるのがなかなかいい。感動しかけた。
人間の苦しみ・「魂のこと」が語られていると、心的に低い当方に直にひびくぞ。
なかなかの論者である。日本語の硬さはしかたがないが、最後まで強烈な論旨を一貫させていて見事。うーむ。こういう議論なら頭が喜ぶ。
枝葉のことであるが書中の死刑の具体的記述に触発されてしばしのめり込んだイメージは多い。あと、小松川事件の被害者の母親が死刑後の加害者の母親と抱き合って号泣したエピソードは感動的。→「罪と死と愛と」三一書房
既存の死刑論→ 認識論 受刑者(死者)の他は真の死刑の意味について認識できない。 誤判論 絶対正義はない。絶対刑はある。 境涯(生育歴)論 残虐性論 道徳論 生命の尊厳 視点1 死刑の残虐性の本質は体刑ではなく精神刑であること。 被殺人者の苦痛と死刑囚の苦痛は質が違う→報復論非成立 人道的な死刑はありえない。 視点2 死刑論者は死刑体験を自らのものとして捉えることはない。 →憐憫の感情 死刑の存在=生命の尊厳は絶対基準ではない。 殺人者を生命の尊厳への侵犯という理由で罰する→死刑(生命の尊厳は絶対価値では なく、公共の福利の前には制限される→矛盾) 死刑に教育効果はない。 死刑存続論 社会的抑制力 あるいは一定の効果があるかも知れん。 ただしこれは生命尊厳という道徳律からではない。生命軽視にちかい。 報復論 殺されたら殺しかえす→報復論者は殺人者と同じ道徳律 殺してもいい場合がある。 憎いから殺す。
なかなか面白く書けていると思う。
社会言語学者。音韻論。
音声論と音韻論。ソシュール・チョムスキー
そういえばチョムスキー「構造言語学入門」なんか昔買ったな。
発音の変化はプレステージ志向による。
ピジン→クレオール
書き言葉と話し言葉の長い間の正当性への誤解
アルザス語の正確な位置ずけ:わざわざドイツ語方言ではなくアルザス語と名乗る訳。
昔flでやった安達氏との議論をおもいだす。(--;)
定評ある日本語観察者井上氏の日本語観察
戦時中ドイツに留学生としていた記録。
戦争の特権的な日本・留学生・軍人・外交官。
日本人がドイツに寄せる好意の原点か。
戦争という特権的な時
ロックフェラーファンデーションによる45才の米欧留学・旅日記1953-1954
40年前の留学生にしてはさすが戦前より活動していた大岡氏の口調は単なる憧 れの米欧ではない。旅の疲れがこちとらにつたわる。
胃カメラ開発のドキュメンタリーノベル・戦後の成長期の日本の会社の雰囲気。
科学アサヒの副編集長を45才で退職・フランスに在住・別に大して新鮮味もない けど、うまく連載記事風にまとめて書いてある。書くということが大事。
医学・科学の啓蒙的エッセイ集
特に骨髄移植・遺伝子・食生活(あ、これを読んでからスーパーで根菜・魚を買 おうと思った(--;))
←竹内久美子「そんなバカな!遺伝子と神について」
専門の話しではなく、すこし拍子抜け。自在な文章。自由なスタンス。
一寸した発想を文章化する才能。
なかなか刺激的な本であった。商業主義のクラシック音楽界・カラヤン・ホロビッツ・小沢の商業的成功・日本の奇妙なクラシック音楽界の価値観・モーツアルト・ホルショフスキー讃。「権力」側への揶揄反発と言う立場でなかなか歯切れのいい論旨。クラシックCDを聞く楽しみが倍加(--;)
amaturに支えられた幸福な学問博物学事始め。「目玉の楽しみ」博物譜
なんだいこんな小説・いったいどこが面白いんだろ。
つまらない小市民の生活。なにも見えてこない。30分で没。
マイクロソフトの内幕もの OR WINDOWSの概説と展望 個人の思い入れ。
焦点のはっきりしない、一人よがりな本
通俗史的人物伝・小説的面白味に欠ける
人物にマトを絞ったエッセイ。特にアメリカでちゃんと生きている日本人とアメリカでまともに日本学をやっているアメリカ人。すっきりとした話ばかり。
自転車によるシルクロード走破記録・普通の夫婦らしい。会社を止めて冒険旅行をして→本を書く。出会った人の話とか。モトはとれているようだ。
大学進学に落ちこぼれてアメリカ行き。帰国後職業的不如意から「憧れ」の米軍将校になることを決意・もう一度渡米して研鑚をつむ。・・・決意をして実現する過程で明確になる意志。福島正実の子息らしい。なかなかメリハリのある文章を書いている。
死んだことにして生きる。
ごく自然に作った手慣れた作品・毒もすくない。
こういうのは読んでもしかたがない。
狂信民族主義とことなかれ日和見のはざま。
こなれた文体・夫庄司薫との生活・ピアニスト業界のこぼれ話し。
俳人尾崎放哉(ほうさい)の病苦・貧困・酒の晩年。
晩年といっても今の私より若いな・・・
酒乱の故社会的に追い詰められ人の世話になりながらの貧困生活
今ではとてもはやらない主題だけど、生活苦のよしみか・かなり熱中して読んで しまった。
若い男の肉体の動きの美しさ。これはもう性的な快感ではないか。
「M]は三島のM。切腹の暗喩・フランス人だな。音楽にあわせて踊るバレエで はなくて肉体の動きが音楽を作る。「型」の美しさ。ああ、薄物を着たバレリー の期待で見ていたのだけど、男の美しさで終わりまで見てしまった。
濃密に音響を散りばめた豊かな管弦の楽しみ。メロディはなく鳥の歌が不思議な アクセントをつけている。贅沢な響き。なんて贅沢な音の楽しみ。
毎日通勤CDで音楽を鳴らしているが、そうか、メロディがあるから飽きるのだ。
最近少し贅沢にジャスコで買い物。何か面白い野菜と海産物一品。ナンキンとイワシの開き。食べることも大事にしなきゃ。
Richard Cavendish:KING ARTHUR & THE GRAIL
THE ARTHURIAN LEGENDS AND THEIR MEANING 1978
アーサー王伝説の各細部のやや歴史的考察。書誌。
生活がままならぬ時期にのめり込む・魔法と騎士と聖盃・森と湖と城・勇気と名誉と愛の世界。強烈な異世界に対する憧れ。労働と倦怠の日々のantipode.現代日本と中世ブリタニク。王と魔女。伝説の吸引力。サラリーマンとドラクエ。
つまらない小手先芸の作品集。初期の作品集にあった生意気な若者らしい体験の新鮮さがない。「真説・クジラの来る海」のイノセントなスポーツ的快感と裏プロレスの純粋暴力を描いた作品以外は読むに耐えない・読み捨て。
スイス鉄道旅行案内・紀行。こんな売文商売はいいな。
なんとも触手をそそる本の厚みである。以前にあった同様の経験が笠井潔「哲学者の密室」。そう言えばなんとお膳立てが似ていることか。あれ?ひょっとすると同一人物かも知れんぞ。おどろおどろしい西洋事情をふんまえた難事件を日本人名探偵がさっそうと解決する。二日で読んでしまった。それだけの吸引力はある。しかし「哲学者の密室」ほどは感心しなかったな。あまりに御都合主義が先行したストーリーがばかばかしい。ただ道具立てが豊富で飽きさせない。ま、思わぬめつけものをしたというような1冊。
名探偵の名前が御手洗潔。止めてくれよな。金田一京介ののりだよ。
それにしても笠井潔の作風に似ている。ほぼ同一人物と断定して間違いなかろう。
当方のフランス滞在時にイギリスにいた著者(1949.2生)contemporaryの滞在記。差。
幸運な偶然というものの下にあった著者と当方。車内で読んだ帰りに本屋に久しぶりで立ち寄るとこの著者の能楽書があった。してみるともうかなりの著述家らしい。
長編探偵小説。前に読んだ「アトポス」よりは落ちる。やはり御都合主義が多くてどうもね。でも面白く時間潰しができました。
エイズ関係の本は図書館にこれしかなかった。エイズ=ペスト。新しい視点はないけれどまじめな書物である。若い世代が死んで行くのが癌とはちがうところ。エイズ感染者の挿話。
イルカブームということで・・"le grand blue"のモデル、ジャック・マイヨールの著。
水棲動物としての人間の可能性。果てしない有機的黒が広がる夜の海に帰って行く映画のラストシーンはまことに印象的でございました。もとよりエンドルフィンの作用による死の多幸感には少なからず引かれてしまうので。肉体の苦しみと至福感。スポーツには少なからず何かこの図式があるような。あと、イルカ。人間を共感に満ちた眼差しで見守る目。
飛ばし読み。経済分析。しかし企業の日本人うようよ。ヨーロッパなんてところも憧れの欧州ではなくなってしまった。ああ、しかしヨーロッパで仕事がしたい。comment?
とてもあま〜い雰囲気小説。42才の高貴な女性の愛と性のレッスン。作家っていうのはお金をもらってちょっと贅沢な時間と生活をし、愚にもつかない物語を生産するだけの・・・ああ、いい商売だな。
満州開拓義勇少年兵→八路軍兵士 1929生。日本軍の粗暴と中国農民の素朴。中国現代史の欺瞞。歴史に組み込まれてしまったただの日本人の記録。圧倒的な。それにしても日本軍と比べて平等の精神が支配している八路軍が行う粛正・人民裁判。古い時代のことではない。今も残虐なmass対個人の図式はほの見える。なんというか・・・
阿部嬢二さんの本なんて読む気はなかったけど、たち読みしていた他の本に書いていた文章がなかなか饒舌対でよかったので借りてしまった。ふーぞく小説。やーさん社会の覗き趣味。なんてことはなかった。しかし、学歴もなく定職もなくよく本なぞかけたもんだ。それはそれで、いいな・と思う。
アメリカ留学→結婚→就職。米ビジネス社会の報告である。文章は女性饒舌体。中身はあんまり面白くない。もっと面白いことが書けるヒトであろうとおもうけど。
生の科学的興味でもって文章をかたるやぱり歯切れのよい文学者である。雑学的か。書くことの雰囲気がときたま匂う。東京。昔。
フインランドの作家が書いた古代エジプトを素材にした波乱万丈の物語。(の抄訳)昔・フランス語でよんだ Asteca を思い出す。
新聞記者・ソウルオリンピック・北のテロ。素材は魅力的。韓国の雰囲気がいい。女性が魅力的。面白かった。ソウルのことを考える。
脳髄の医学的現象をサスペンスの材題に使い、サスペンスと医学随筆を両方味わえるトクな作品。
小西行長を主人公にしたC級作品。読むに耐えない安直さ。
1948生京大経済学部教授。軽めの文章。ちょっと右かと思わせる。面白く読めた。西洋中心の歴史観批判。
やっぱり面白い語り口。現代の神話の構築。事実とフィクションの境目。事実の視点を代えることによるフィクション化。しかしやっぱり面白い・・ということでとうとう返却日におくれた。昨日朝ノーベル賞授賞の報を聞いた。ちょっとだけオリンピックの日の丸的高揚。
日本人的ということ。身の回り1メートルの世界。
日英混血の藤原義江の生涯。悲惨な子供時代。栄光の青年期。不遇な晩年。アンチクライマクス。
スペイン内乱を狂言回しにした短編集。ま、ま、合格。
相も変わらぬ・婦人雑誌恋愛教養モード通俗人生小説。面白く読ませていだたきました。
1947生・京大仏文・神戸大学助教授。ちょっといやみなくらい感情過多のフランス語・詩鑑賞解説・まあ、まともな解釈をしている。それにしてもこのようなものに付き合って給料をもらう職業もあるモノだなあ・・・
紀元79年のローマの地方都市での生活は現在の日本・ここ・よりもどうやら審美的な生活感に満ちていたらしい。もとよりそれは上流社会だけのことではあるが、それにしてもこの2000年に人間はどうかわったのか?あるいは変わっていないのか?快著
なんともよく書けた小説で、思わずのめり込んでしまった。日英混血の主人公の線がまるで弱いのはこの手の小説の御都合主義として問わない。これがまだ30代の女性の作品とはまったく意識しないで、安心して楽しめた。恐るべき才能。という。
今回はそんなに目立った英雄の時代ではなかったのですこし残念。次回はいよいよカエサルの物語だよ。楽しみだね。まったくこの女史もよく製作しているよ。
上海の櫓人最後の日々の戯曲。井上ひさしの芝居。言葉あそびとほのかなヒューマニスム。ほのかな反体制へのシンパシー。「道元の冒険」よりはおとなしい。
1930年代の上海。マルロー・堀田善衛に魯迅か。なにかがくすぐる時代と場所。
JAPAN The Story of a Nation:Edwin O. REISCHAUER
この文体はどちらのものかは定かではないが、すこしくせのある日本語による日本通史。好意的な世界の中の日本の視点・明治以降の政治史の解説は圧巻。日本人には書けない大局的な・個人の視点による日本史。池田・大平がよい評価をうけていた。
なかなかのもの。細部がしっかりと書けているので事件の荒唐無稽が気にならない。これは「もうひとつの人生」をしっかりと生きさせてくれる読書による転生体験。いいなあ。
いまとなっては陳腐なSF
医事・航空機事故系のエッセイ。
科学の世界も人間の争いに無縁ではない。名誉欲と他人を押しのける権謀術数。まあ、それで何かが進む。ニュートラルな進化。
法廷推理もの。アメリカの法廷・陪審員相手の心理作戦がなかなか面白い。陪審員を有利に選ぶ駆け引きが講じて陪審員選択コンサルタントまでいるとは。小説としてもまあ、面白かった。
明晰な論理に裏ずけられたレトリックでないと受け付けない。だから三島にはついて行けない。丸谷氏ももう70才か。この作家の「小説とは何か」がわかる本。
明治23年の大津事件をほぐした歴史小説。着実な資料あつめと小説的膨らまし方。よくもこんな事件のことだけで小説がかけるものだな。ところで吉村氏と遠藤周作って顔がそっくりだけど、もしかして兄弟?
たいしたちゃんばらが始るわけではないけど、何か昔の侍の生活にのめりこませてしまうこの作者の持ち味。
隠密間宮林蔵の冒険。時代考証・セリフ回しに疑問。無理に歴史上の人物を小説に仕立てた。
非常に面白い小説。専門知識と小説的プロットが一体になって細部まで楽しませてくれる。スリルと仕掛けがうまい。弁護士ピカレスク小説。いかにもアメリカ的スピード感。