過負荷の犬(3) 夏はあけぼの ..
[団塊の段階的生活]

国立国会図書館関西館

2007/8/11(土) 午前 11:01
いつも行くウチの県立図書館が夏休みのよい子達で満員なので、
国立国会図書館関西館に行った。

関西学術研究都市(京都府相楽郡精華町)に平成14年に開館した比較的
新しい施設である。

草茫々風の広大な敷地に地上ガラス張りの殺風景な建物が見える。
図書館というイメージではないなぁ。
本体の書庫はほとんど地下になっているので、地上はウルトラモダーン風の
自由な明るい設計にしたことと思う。

しかし、近代建築というとガラス張りというのも芸がない、とは思いませんか?

私は木とレンガの図書館の方が読書する気になるのです。
この建築は「読書」を拒否しているように見えてしまう。

まあ、本来町の図書館とは出自が違うので建築のコンセプトも違うのだろう。

贅沢で広大なエントランスホールのずっと向こうにガードマン・受付嬢が
待ち受けている。
これはどこぞの超一流金融機関の本店の面構えである。

とてつもなく高い天井にどっしりとした閲覧机。
基本的には閉架式なので、手にとって見れる書物は少ない。
見えるのは辞書・洋書・化学文献等のカタイやつだけである。

カタイといえばイスのすわりごごちは非常に悪い。
どっしりとした高級そうな素材であるけど、クッションが固い。
あまり利用者もなく、ガランとした閲覧室には学生・研究者風の
閲覧者しかいないようだ。

うるさい町の図書館にくらべれば、この静寂は得がたい。
しかし、どうも居心地はよくない。
自分のいる場所ではない、という意識がついてまわる。

それに主たる閲覧目的のフランスの週刊誌2誌の在庫は古く、
一月以上前のヤツしかない。

まあ、でもふんだんに金をかけた贅沢な施設である。
もう少し読書する人の側に立った設計だといいと思うが、
こんな入りにくく落ち着けない施設になったおかげで、
一般の入館者はごくわずか。
じっくり一日過ごせそうである。

門、アプローチ、玄関等、掲示パネルがあちこちに立てられている。


                18歳以上の方なら誰でも入館できます


この下駄履きではちょっと入りにくい大企業の本社風のエントランスでは、
気楽に入ろうと思う人はないだろう。
利用者のない図書館では、税金還元施設でもあるのだから、つっこまれると
まずい、と管理者側も困っている様子が透けて見える。

まさか国家公務員の女子職員にハデなミニスカートを着せて表で
呼び込みをさせるわけにもいかんしなぁ。

しかし、本当に入館者を増やしたいと思っているのなら私にまかせなさい。
掲示パネルの文言を以下のようにすればいいのだ:

 
                     
18歳未満入館禁止!!

 

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