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[団塊の段階的生活]

優雅なるシニアライフ入門

2009/6/29(月) 午後 9:20
季節労働者の稼ぎ時、今年春の観光シーズンは病院のベッドの上で過ごした。
ヨーロッパの景気も良くないし、そろそろ年貢の納め時。

東京の旅行社のガイド登録を抹消してもらい、日本観光通訳協会(JGA)から今年度の会費の督促を受けたのをシオにそちらも脱会、きっぱりとガイド稼業から足を洗う。
校正仕事をいただいていた同じく東京の翻訳会社には、昨年秋の入院時に既にギブアップ連絡をしてある。

かくて本年度より完全年金依存生活突入である。

  ↑うわぁい!うれしいなっ^^/

もう、勉強しなくていいよ!といわれた小中学生の気分。
実は昨年までは、現役を退いたとはいえ何となく仕事はしなければ・・というような義務意識がありましたねぇ。なんせ勝手に社会から引退しちゃったからねぇ。
でも、これで晴れてお役ご免の許可もらったようなもの。
では、現役諸君、お先にごめん!とかね。

とにかく、基礎体力の回復を仕事にすればいいの!とヨメに言われ、朝と夜のクラスしかない
近所のスイミングスクールを止め、隣の市のスポーツジムに通う日々になった。

↑なんと言っても決め手は「シニア会員料金」^^
午後いっぱい泳いで、スタジオでお遊戯して、ジムで走って、風呂入って4500エン/月。
抜群のコストパーフォーマンス。

しかし、平日午後限定である。
スタジオでは中年主婦層等も見かけるのだが、プールや風呂は圧倒的な老人の世界。
実は春の長期入院でも療養中の老人軍団の数に圧倒されたのだが、ここでもご近所の老人達がお風呂に漬かり、世間話をする場になっている気配である。
うむ、こちらもシニア料金組、それでいいのだ。

私はスイミングスクール歴20年、この間できるだけ体力を消耗しないバタフライ泳法を極めてきた。
軽く200メートルは泳げるのだが、あくまでスピードではお話にならない。

「マスターズスイミング」クラスの先輩に奈良県マスターズ大会について尋ねてみた。
60歳上のクラスだったら、200米バタフライに出るだけで1位になれるらしい。

実を言えば、本当に泳げる人は次の種目であるリレーにもエントリするので、疲れる200メートルには
出ない、結局、200米バタフライなんてのに出る老人はいない・・らしいのだ。

ウム、トシとるということは実はチャンスでもあるのだ。

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「シニア料金」をググって見た。映画館なら全国どこでもシニア料金である。
通常1800円が1000円、これは割安感がある。
もっとも、ヨメに言わせれば「女性の日」とか「映画の日」とか、なんたらかんたらの割引があり、
誰も通常料金では映画に行ってないそうだ。
しかし、曜日・日にち関係なく、いつでも1000円というのはシニアの特権である。

考えてみれば、通勤定期を返上してから映画館のある街を通過することはなくなった。
インターネット回線で配信される「ひかりテレビ」のユーザーでもあるので、映画はテレビで、
というのが普通である。

しかし、バイクでよく行く「橿原アルル」(ジャスコ系ショッピングセンター)にはTOHO系の映画館が入っていたではないか! これだね。
プールで泳いだ後は1000円で封切り映画。

木曜夕、スポーツクラブの帰りにTOHO Cinemas KASHIHARA に行った。
「ターミネーター4」もやってたが、もっと派手でにぎやかそうな「トランスフォーマー/リベンジ」にする。
実はこういうB級ド派手なSFアクションが大好きなのだ。
このテの見世物は是非大画面で見たい。それと、耳をつんざく大音響ね!

「では、トランスフォーマー、J11のお席、普通料金でいいですね?」
「いえ、シニア料金でお願いします!」と、誇らしげに宣言して免許証を提示。

いやぁ、1000エンですねぇ。久しぶりの封切り映画。わくわくですね。
18時の開演まで座席券を握しめつつ、「イオンラウンジ」で無料コーヒーをがぶ飲みして待つ。
いや、こういう施設があって、映画の開演前の時間を過ごせるのもいいねぇ。

18時前に劇場の上映ホール入り口から、シネマ2に入場。
・・座席を指定させられたワリには、ガラガラもいいとこである。
座席数150くらいのホールに4,5名がぽつん・と。
これで1000円で入れてももらって採算とれるん?
・・・でもまあ、貸切状態である。贅沢な時間を格安で過ごさせていただきました。

いやぁ、ガラガラの劇場に格安で封切り映画を見に行く、これぞ優雅なシニアライフ^^。

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ヨメが金券ショップでスポーツクラブの施設利用券(株主優待券)を仕入れてきた。
「安いから」と余計なものを買ってくるのはヨメの病。
100円ショップで目的の品物だけを買って帰ってくることは絶対にない。

この日曜はどうも午後から雨らしいので、ツーリングを止め、二人でタンデムで奈良県の唯一の四星施設(最高ランク)の生駒のスポーツクラブに行く。
私の通ってるトコロより2段階も上である。←つまり、会費がタカイってこと。

日曜午後でもあり、さすが老人クラブ化現象は観察できなかった。
そのほか、ロッカーの電子ロックや鍵付き靴箱や(「ウチのクラブ」じゃ、靴は棚に放置だもんね)、お風呂の清潔さや、若い女性の多さや、まあ、いろいろ勉強になったが、いずれもスポーツに直接の関係はないのだ。←でも、いいなぁ。

夕方施設を出ると、なんと快晴になっている。どうなってるん、天気予報?
生駒山の輝く緑と、抜けるような空の青、真っ白な雲がまぶしい。
↑紋切り型の表現だが、本当に紋切り型にすっきりとした夕刻だった。

レストラン街で「おふくろ定食」「すし盛り合わせ」各1000エンを食べ、ノンアルコールビールを飲み、バイクで一気に生駒山を駆け上り中腹の宝山寺に行く。

「ヨメとは」初めて来たと思ったが、宝山寺の墓地から、寺域の裏手の修験道の清めの滝付近を歩いていると、遠い記憶がかすかにデジャビュー感覚を呼び起こす。
「ここ、来た?」「覚えてないけどぉ?」とか、もやっていたが、結婚前の遠い昔にどうやら二人で来たというような記憶がようやく真実味をおびてくる。

そうか、我々にもそのような昔があり、苦しい記憶も多々あったのだ。
やっと今私はシニア料金年齢に到達し、たとえ苦しい過去の回想でも穏やかに語り合えるトシになったようなのだ。

すがすがしい夕刻の風の中を生駒山をバイクで下る。
なんていう透明な空気。
空の青に山の緑。
こどもの頃に「総天然色」の映画を始めて見た時のようなワクワクする色合いだ。
さわやかな風の中の日曜日の夕刻。

こんな時間が少しでも私に残されているのなら、
だまされてもう少し付き合ってやってもいいか、
とうとう何ものにもなれず、何事もなしとげられなかった私の人生よ。

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