「サントリー 一 久しぶりに西村志..
[団塊の段階的生活]

年頭の辞 - 人間力の標準偏差

2010/1/5(火) 午前 9:06
みなさん、あけましておめでとうございます。

と、いっても最近このブログの更新もサボリ気味で、誰も見てない可能性は大だが。
たまには見てるんだろなぁ>ウチのヨメ。

今年の正月は年末から法事・葬儀が続き、なんとなくハレの雰囲気がないまま大した行事
の計画もなく、なし崩し的に突入し、あっけなく終了してしまった。

この間、シニア会員であるスポーツクラブの年末年始特別営業中の施設を調べ、
ヨメとタンデム、あるいは2台のバイクで正月太りの解消をしに行っただけ。
特別営業中の施設には最低料金のシニア会員たる私でも、どこでも自由に利用が
できるのだ。

私自身は「しんどいことはしない」のが人生に対する基本姿勢、正月早々イヤだったのだが、
とにかくヨメが室内でじっとしてることがどうしても出来ないタチなので、いたしかたない。

一昨年秋・昨年春の入院・手術以来大病はなかったのだが、確実に「人間力」が
低下してきている。

ドライアイと診断されている右目が常にチクチクと痛いし、首筋のコリが右腕全体に痺れを
配分してくれている。
何だか、腰もイワしてしまって、これもなかなか直らんぞ。
(↑現在通販で買った「ツゥルー・スリーパー」(商品名)を試用中)

ちょっとした不如意があちこち顕在化し、私の人間としての機能がかなり低下してきた。
なんだか体の右半分に不随意が集中しているのが面白い。

私は自分の経年劣化はできるだけ容認し、積極的治療はしないという方針で昨年あたり
から老人をしているわけだ。
「人間力」というのは、もちろん赤瀬川源平師「老人力」のひそみに倣って茶化している
のだが、自嘲して済ませられる範囲ならそれで済ませてしまおうという魂胆。
もちろん、実際に痛い症例となると、これは治療はしますよ。
とにかく、苦しいとか痛いとかはイヤなんで。

と言うわけで、人間力が低下してきたのは結構喜ばしいことで、もうすぐ周囲の方々から
すれば「空気」のような存在になれるのだ、との期待を抱かされる。
もっとも、私の実態がそんな、空気のように爽やかなワケはなく、実際には背後霊くらいに
しかなれんだろが。

他人サマから「人間」としての存在を感じて頂けないことは望むところなのだが、
これが機械相手だと少々具合が悪い。

私のパソコンは指紋認識でログインする方式だが、最近あんまり本人と判別してくれなく
なった。
指紋を読み取らせても「時間が短い」「中央で強く押す」とかのエラーメッセージが連発。

ちゃんとゆっくり、力入れてやってらい!
機械の側の不具合かと思ったが、石川啄木サンみたいにじっと指紋を見れば、そのあまり
の薄きにナットクせざるを得なかった。
もう指紋認識システムでロックするのはあきらめたほうがよかろう。

こういう私の人間力の低下実例は他にもある。

以前からスーパーの洗面所で手の乾燥機に手を突っ込んでも風が吹き出てくれないことは
よくあった。
この場合ズボンで拭くか、それとなくヨメに触ればいい。

しかし、一月二日橿原アルルでトイレに行き、蛇口に手をかざしても水が出てくれないの
には閉口した。
最近のトイレにはコックはついてない。

おい、まだオレ、人間のつもりじゃい!水だせ!
とイカろうとしたのだが、不覚にも笑ってしまった。
そこまでよく透明になったもんだわい。

一番困るのが自動ドア。
どこでだったか、「そのまま通ればサッと開く」ものと、いつもの通りそのまま通ろうと
したらドアが開かず、頭をぶつけてしまった。
まあ、寸前で立ち止まったのだが、危なかった。

多分、こういう危険性があるので最近の自動ドアは手で触れるヤツが主流になっている
のか。
しかし、今に手で触れても「人間」と認めてもらえず、どこにも入れないで立ち往生する
ようになる予感はある。

蛇口をひねる、とかドアを押す、とか物理的によく分かる仕組みの装置が作動しない
のなら、自分の力が足りなかった・・と納得できる。
自動人間判別装置では、自分の何がイケなくって人間と認めていただけないのか
明確でないのが恐ろしい。

ひょっとして、「私が既に人間でない」というデータを日本政府は各端末に配信済みなのか。
鳩山サンのいう「国民のミナサマの暮らしを守る」ミナマサの中に私が入ってないのは
明らかだし、日本国憲法のいう「国民の総意に基づき」というヤツにも、意見を聞かれた
ことは一度もないので私は勘定には入ってない。

あまり「自動化」し過ぎ、標準人間しかパスできないような世界になると実際にまだ
生けってる私はチト困るのだ。

少々標準偏差値が低いヒトでも、なんとかイケるくらいのマージンを、この世界には
とっていてもらいたいものである。
私がまだ生きてる間だけでいいからね。

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