コール・クラポー 故・高嶋良昭氏を..
[団塊の段階的生活]

今、自分ができることをするだけです。

2011/4/6(水) 午前 1:39
「テント貸してくれる?」
「え?どこ行くん?」
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 ボランティア希望者の中にはメシはどこで買えるんですか?」とか「僕のテントはどれですか?」と言う
 質問を真顔でしてくるヤツが山ほどいた。
 そういうヤツはテントやシュラフはもちろん、食料も飲料水も持っていない。
 自分は無償で働くのだから、食事と宿泊は用意されて当然だと思っているのだ。
 その想像力のなさに絶句するしかない。
 (ホーボージュン:阪神大震災時にボランティアを組織  「フィールドライフ」春号)
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との記事をヨメが読んだのだ。
 
「テントだけじゃないよ、寝袋も水も要る。一体、アンタがそんなものかついで行き着けると思ってるん?」
「キャスター付きのバッグで何とか・・」
 実際に今の状況でキミが行ってもジャマになるだけだよ。
 今は専門家や訓練をうけた人が必死に対応している状況で、素人がうろうろしない方が。
でも、瓦礫のかたつけとか人手はたくさん要ると思う。
 悪いことは言わない、今はキミが使う交通費や食費の分を義捐金にしたほうが全体が助かると思うよ。
 
瓦礫のかたつけや復興への手順はかなり長期戦になるだろう。
今はニュースがなまなましく、心は逸るだろうけど、被災者の方の生活がもうすこし落ち着いてから手伝いに行った方がいい。
多分、1年後でも作業は継続しているだろう。そしてその時にはボランティア希望者はかなり減っていることだろう。
 
本当は「お金を出す」だけではボランティアという体験より間接的なので、その分「価値が低い」と思ってない?
被災地で本当に必要とされているものを考えるより、自分が「こうしたい」という欲求の方が強いのでは?
 
まあ、自分のいる場所でぐだぐだ言うだけの私より、テントかついで行くというヨメの意欲の方が社会人のあり方としては評価されるのかもしれない。
個人のモチベーションがどうであれ、最終的に役に立つのなら、何でも結構というものだろう。
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阪神大震災は被災地域がかなり限定されていた。
あのときは神戸に手伝いに行っても、夜は自分の家に帰ってこられたのだ。
今回は違う。もっと長期的で広範囲な支援計画が必要だ。
 
もう無償の「ボランティア」に頼るのを止めたらどうだろうか?
一時的には「ボランティア」希望者が集まっても、長期にわたりそのような不安定な助力に期待できるとは思えない。
思い切って、各自治体や支援団体は全ての援助労働を有償(有給)にして公募すべきだ。
個人によってことなるモチベーションや、あやふやな善意だけで働く素人ではなく、支援のプロとして有給で働いていただくのである。無償でいい、と言う方にも必ず給与を支給するのだ。
それでも無償でなければ手伝わない、という方は多分まともに労働する意志のない方だと考えていい。
きっちり労働として契約し、生活の基盤を定めることができるようにして、初めて安定した長期的な支援活動が供給できるのではないか。
無償の労力ではなく、災害復興事業として労働力を雇用し、労務管理を徹底し、確実な成果を目指す。
また、被災地の人材を優先して「雇用」するようにすれば、災害による失業対策にもなる。、
 
この事業に必要な人件費は義捐金でまかなう。義捐金と言う名目ではなく出資金として公募する。
基本的には寄付なのだが、出資者には必ずどのように使われたのか、どのような成果があったのか、という出資者に対する使途・会計報告を必ず行うとする。
そのようにして自分の金銭的な支援が実際に役立っていることが確認できれば継続した拠出もしやすい。
また、より効率的な支援団体に資金が集まるので、全体の支援効率の向上が期待できる。
 
そのような計画的で長期にわたって活動できる支援システムがあるのなら、私は善意なんぞからではなく、自分が被災者諸氏より多少とも余裕ある生活が出来ている者の義務として出資したい。
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まあ、キミが2,3日会社の休みに瓦礫の片付けを手伝いに行きたいのだったら、近所でその時間分
アルバイトでもして収益を義捐金にまわした方が、全体としてよほど効率的な支援になると思うよ。


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