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[団塊の段階的生活]

オークワ・アルカリイオン水症候群

2012/2/20(月) 午後 2:08
ヨメがオークワから帰ってき、「ケンカしてきた」との報告。
 
近所のスーパーオークワでは、いずこも同じ客寄せの「アルカリイオン水給水機」なるものを設置してある。
アルカリイオン?私は意味が解らんのでどうでもいいのだが、ヨメが愛好していて、目の前でうっかり水道の水をやかんに入れるとすかさず「違う!」と叱責される。
多分うるさい客の要望で、最近ペーパータオルが給水機のボトル台拭き用に置かれているとのこと。
利用客は給水が終わったら、ペーパータオルでその辺台をキレイに拭いてから次の人に順番を譲るという暗黙のルールになっているそうだ。
 
でヨメが手早く拭いて帰ろうとしたら、後ろに並んでいたオッサン?御老人に「もっとちゃんと拭かんかえ!まだ水ついてるやろが!」と叱られたそう。
もちろん、ウチのヨメは叱られてベソかいて帰ってくるようなヤワなタマではない。
「たくさん人が並んでるのに、そんなゆっくり拭いていたら迷惑でしょが!」とか、何とか言い返す。
するとその後ろのオバハンが「みんなで使うものやしぃ・・」とあてつけを言う、とか何とかで、ひとしきり口論になったらしい。
その御老人はとうとうキレてしまい、自分の給水が終わっても台も拭かず帰って行ったとか。
 
ずっと以前、私が珍しがって給水に行っていたときにはペーパータオルなんてなかった。
いつの間にかタオルが置かれるようになっていたが、どのみち濡れるところだし、ウチに持って帰っても台所の水場で使用するので、多少水はねが付いていても私は気にならないので台を拭くなんてやらなかった。
第一、気になるのなら給水後自分の容器を拭えば済むことで、給水台をいちいち拭き清める必要なんてない。このあたりで、どうやらこの社会に特有の、実際よりその精神が大事風のあやしげな空気が流れてくる。
そんなことでペーパータオルをいちいち各自が消費していては、エコ教とか何とかいう別の精神論者がだまってないのでは?
この台拭き儀式のルール化には、多分スーパー側にも「お客様の要望によりペーパータオルを設置いたしました」とかいうような、近所のヒマなクレーマー集団相手のいきさつがあったんだろう推察する。
スーパーの店長も因果な商売でしょうねぇ。
 
この口論に対しての私の感想は「どっちもどっち」といったところだ。
オークワのアルカリイオン水に固執する時点で、そのような特定の信仰集団に加入したようなことになる。
特定集団の場の空気をみだしてはいけませんや。
アルカリイオン軍団だと、当然給水台拭きという儀式が派生してくるだろう。アルカリ・イオン水というのは信仰の問題だからだ。
 
ちなみにヨメに「アルカリイオン水って?」と定義を訊ねると明確な回答はない。
ヨメは化学薬品製造業の社員である。PH値くらいの知識はあるのだが、それ以上のものはない。
私も当初は、コーヒーの味がまろやかになるか、くらいの印象はあった。
しかし、良く考えてみると、水道水の塩素をフィルターでろ過し除去しているからカルキ臭がなくなるのは当然。別にアルカリ性だから味がよくなったというワケではないだろう。
酸性食品・アルカリ性食品というような分類も聞くが私には意味わからんぞ。
給水機には「健康にいい、コーヒーの抽出量が増える、食品の味が良くなる」というような効能が張ってあるが、私自身はそんな効果を明確に実感したことはない。
むしろあまり衛生に気を使わない私には塩素入りの水道水の方が飲み水として信頼できる。
塩素をろ過して除去してしまうと、微生物が繁殖しやすくなるんだぞ。
 
給水機には「アルカリイオン水は二日以内に使用してください」なんぞというコーションが掲げてあり、給水前には洗浄用の水でボトルを洗うという手順を踏むようになっている。
以前、私が給水に行った時にはメンドクサイので、勝手にボトルに入ってくる洗浄水をそのまま捨てて給水していた。
しかし大多数の善男善女は手順に書かれている様式を尊守、洗浄水が入ったボトルにフタをし、力一杯ボトルを揺すっている。中には執拗に10回に渡りボトルを振る方もいた。もう、これはお祈りですね。
この辺でバカらしくなり、わたくしにはどうやらアルカリイオン水信仰の道も閉ざされてしまったようだ。
単に水道水をろ過したというだけの効果しか実感できないし、日本の水はもともと軟水なので、ろ過しなければ飲めないなんてものではない。
 
毎朝オークワのアルカリイオン給水機前には長い列ができている。
オークワのアルカリ水をボトル数本分給水し、メインの生活用水にしているご家庭もあるようだ。
そういえば昔は朝の井戸水汲みから一日を始めたんですねぇ。
せっかく水道が通って便利になったのに。水道水ってそんなに悪いもんなんですかね?
 
アルカリイオン水が健康にいい、だとか料理が旨くなるとか信じられる方には大事な習慣なんでしょうが、台拭き儀式の強制にまで行くとやはり狂信としか思えなくなる。
健康に気を使い、身体にいいとテレビで喧伝されている物を買い占める生活。
国が滅びる前兆は過度な健康ブームが起きることだ、とどこかで見た。

スポーツクラブの浴場で、浴室イスをシャワーで克明に洗浄してからしか座らない方がいる。
公共の浴室でっせ、湯の中にだって大腸菌雑菌はうようよいるし。
私なんぞ、子供のころには道に落ちた菓子を平気で食べていた。
たかったハエを追っ払ってご飯をたべていたのである。
今でも床に落ちたご飯粒を拾って口に入れ、ヨメに叱られている。
サラダ用野菜を洗う習慣もないのだが、「昔と違って今は科学薬品が表面に付いてるから」洗えと、ヨメは私に命令する。
私の衛生観念のなさを他人に強要するつもりはないが、あまり他人からあーせーこーせーと言われたくはないのだが。でも私は簡単にへこへこと強い者に合わせる。そんなつまらんところで自己主張してもしゃーない。
 
ごぼうのアクはしっかり取らないと、なんてヨメがいうので即インターネットで検索したみた。
結果、アレはアクじゃなくて、ポリフェノールそのものらしい。
土とヒゲ根さえ取っておけば、健康上は返ってアク抜きしない方が良いらしいぜ!
 
「アルカリイオン水」も即検索。
どうも効用は公的には未確認らしい。
身体にいい、と信じて飲んでいる人には心理的効果があるので、それはそれでいい。
信仰の自由は尊重しなければ。
しかし、水道水が身体に悪くアルカリイオン水摂取が健康にいいと盲目的に折伏するものではないだろう。
 
私はむしろ自分の衛生観念のなさが、種々のアレルギーからの免疫を高めているのだと勝手に思っている。
無菌状態で過保護に育った現代人にはアレルギーはつきものらしい。
花粉やケナガコナダニがごときでアレルギーになると通常の生活が出来ないだろうと同情する。
それが過度の自愛故の自業自得なら同情は撤回させていただく。
 
私は逆境のおかげで精神的にも肉体的にも打たれ強くなった。
特に貧困と老衰薄命に強い(^^/
人生78歳打ち止めオプションを設定し、管理,当局(旧社会保険庁)に届けてある。
そんなのは薄命とは言わないか(^^;
 
それはいいとして、このオークワ・アルカリイオン水症候群患者の群れはやはり気になる。
「コーヒーが旨くなる気がする」くらいならいいのだが、給水機の宣伝張り紙の文言をひたすら信じ、実際の意味内容や客観的事実関係の吟味もなく妄信し、違う行動様式を持つ者を排撃するというような症例が出てくると亡国の病にもなるというもんだ。
 
「もっとちゃんと拭かんかい!」とヨメを叱責したおっさんも毎朝数本のボトルの給水に来て、スーパーでは何も買わずに帰る人だそうである。それはそれでいい。
生き方さまざま。それぞれ自分で決めればよろし。
 
しかし。
他人のことを自分と違うからと言って、ボロカスに言う。
自分の感覚が絶対で、自分と違うものを悪として排斥する。
そんな方が容量一杯に充満しているような社会や国家は暑苦しくてかなわない。
そんなところに長居は無用。とても78歳まで持たんだろう。


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