遠い夏の花火   だってオリンピッ..
[団塊の段階的生活]

近い夏の花火 (日本のお盆に 2)

2012/8/21(火) 午後 1:45
2012・8・19 天理大学構内西山古墳上で
これはもう少し近い花火。
町の明かりが多少のざわめきを感じさせる。
左の多少強い光はザ・ビッグ天理店(^^)
 
多少涼しくなった夕方から半そで・裸足にサンダルで黒バイクに乗り夜遊びに出た。
世間はお盆休みの週の最後の日曜日。
私は別に暦には関係なかったのだが、日課のスポーツクラブが休み。
どこというアテもなく田舎町の山の辺を気ままに走る。
昼間は陽射しが強烈で、とても半そでではバイクに乗れないが、夕方からは軽装で充分だ。
 
吉野家で牛丼食って、いつもの天理白川ダムや農道・山の辺道。
いつものルートではなく、なるべく小さいあぜ道や軒先道をたどってみる。
自転車感覚の軽装バイクで途中の畑道をぽっつりと走っていると、意外と地平線まで緑地が広がっているようにも見える。どこか去年の夏ジョギングしていたフライブルグ郊外を思い出したりもする。
 
夏の夜の田舎道の懐かしさ。
お盆の夜のイベントが終わり、天理教本部あたりも本日は静かな様相。
天理大学構内にも人影はない。
諸車通り抜け禁止だが、軽装バイクなら自転車と同じでしょう(^^;
 
馬術部厩舎前に差し掛かると町の方向から打ち上げ花火の音。
バイクを道端に停め、夏草で殆ど道がわからなくなっている西山古墳に登る。
 
町の上に花火。
軽装バイクでのどかな山の辺をたどってきた心楽しさが持続していて、町の陽気なざわめきが聞こえるようだ。
こんなところで気楽にのんびりと一人花火を見物している自分を考えると、ついニヤリとしてしまう。
 
今週末はハハオヤメンテナンス日として、大阪のヨメの実家で過ごした。
金曜日午後、会社を早引きしたヨメ、バスで一人で家からきたハハオヤと都心のスポーツクラブで落ち合って、周囲の迷惑顔をものともせず老人のリハビリ運動に付き合う。
大阪合唱団の夜の練習に顔を出した後、実家でにぎやかに夕食。
翌土曜はまたデパ地下にでも、というつもりだったが関西地方は雷大雨。 結局、ハハオヤとヨメと三人で家で食べたり、勝手に昼寝したりして過ごす。
というより、ハハオヤが喋りまくり、私も勝手に発声しまくり、ヨメがあきれてふて寝していた、というのが実体だったか(^^;
 
ハハオヤ84歳自作にしてはよく描けている→
実は、写真に色を塗ったものだ。それでもいいではないか。
 
ディ・サービスで行く老人ホームで作成した大量の塗り絵を保管してあり、毎回も持ち出してきて、イチイチ見せてくれるのである。
 
私は自分も自作を捨てられないタチなので、大半はつまらん作で退屈だけどもう一回見せてもらう。
この作を撮影してデジタル化して見せたら、それなりにうれしそうだった。
 
私は「そんなモン、残しといてどうするねん?」とは絶対に言いません。
当人がどのくらい傷つくか、いくら身内とは言え。
 
というわけで、きっちり夫業の実働勤労を経た上でのやっとこさの日曜休日自由日だったわけだ。
なんとか後僅かになった親戚関係のメンテナンスをこなし、まあ、折り合いの悪い兄とは適当な距離の見極めがちょいと面倒だが、このまま静かに晩年の時が流れ去ってくれれば上々じゃないかとも思える。
 
自転車代わりの黒バイクでたらたら走る夏の田舎町は静かで懐かしい。
大阪下町の物量と人口の暑苦しさから逃れ、涼風の中を走り回れる気楽さよ。
バイクに乗せてもらい、父の背に掴まって走った子供の私、というのは擬似記憶に違いない。
しかし、半世紀以上前の南大阪を父の運転する商業車に乗せられてよく通過したのは事実だ。
 
走りさるこの田舎町の草の匂いは、どうかするとそのころの空き地に生えていた草を思い出させる。
というか、大阪はこの半世紀に大きく変化したのだが、ここではそこまで変化していないのだ。
そして、子供の頃の夏休みと同じように、今も自転車で「その辺り」を走り回っている私。
 
もちろん、ここはただの田舎町ではない。
世界有数の宗教都市であり、昨年遷都1300年を祝った古都も近い。
私が勝手に登って一人で花火見物しているところは古代の天皇さんのお墓の上である。
いや、天皇陵だと宮内庁の管理なので勝手に登れないか。
してみると古代の地元豪族の古墳だろうな。
ま、古墳なんてその辺にうじゃうじゃある、そんなところなのである。
 
なんでもない田舎町に暮らしているのだが、ひょっとしてそれはそれで世界で唯一の場所であると言ってもいい。
ただのうるさい大阪のオバハンも、多少折り合いの悪い兄も、とりわけて秀でたところもないヨメも、それはそれでわたくしに最後に残った唯一無二の縁者である。
自分で選び取ったわけでもないのだが、ここが最後になったとして、それはそれで別にかまわない。
 
近い夏の花火を見ていると、今ここにのんびりと懐かしい日本の夏を過ごしている自分に、思わずニヤリと笑ってしまう。



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